2018/11/03

獸の森シナリオ『1811-崩れかけの洋館』

モダンファンタジーRPG 獸の森

1811-崩れかけの洋館

このシナリオは、獸の森を初めてプレイする探索者3から4名を対象にしています。
守り木の設定や、登場する世話人やその他のNPCなどについては、各自で自由に決めていただいても構いません。

《導入》

探索者達は、初入界の後に世話人から簡単な説明を受け、森での生き方を簡単に把握したばかりの初心者達だ。
これまでは世話人と行動を共にしてきたが、守り木の人手不足もあり、今後は世話人の元を離れて活動することを求められる。
しかし1人で活動をするにはまだ習熟度が足りていないと感じた世話人は探索者達を引き合わせ、当面はチームとして活動を行うように申し付けた。
(自己紹介タイム)


パーティは《ロケーション:守り木の傍》に移動したものとして扱い、イベント「初仕事の依頼」が強制開始される。

《ロケーション:守り木の傍》



・イベント 初仕事の依頼

開始条件:強制


そんなチームの結成を行った直後、《観光客》が1人近付いてきて、探索者達に声を掛ける。
その《観光客》は逆さにした不透明な金魚鉢のような仮面を被っており、体つきや声からして男性のようだ。仮名はその様から《逆さ金魚鉢》である。


「君達、新しい《仮面使い》だろう? 早速だが1つ、頼みたいことがある。
ここから南に、この前墜落したばかりの洋館があってな、《星見》によると、墜ちてきた魔石は復調の魔石らしい。
……個人的に、その魔石が欲しくてな……、これで捜してきてくれないか」
と言って現金アイテム”小遣い”を2個渡してくる。
また、この段階でマップが公開される。(ページ最下部に掲載。ルートの所要時間や消耗もこの段階で明らかにして良い)


「もちろん危険はあるだろうが……このあたりでは一番近い遺跡だ。できれば明日の夜までに届けて欲しい、明日朝までに間に合えば……さらに追加で報酬を出す」
(現在の時刻は昼12時、明日の朝まで、というのは明日6時までに届けるという意味で、猶予は18時間ある)


断ることもできる。その場合は、報酬は受け取らず、新しい遺跡があるという情報を元に、探索者達は個人的な探索のために洋館へ向かうことになる。
広域移動が可能になる。


・イベント 《星見》との接触

開始条件:なし


イベントの調査が行われた時に宣言可能になる。
依頼の際に”逆さ金魚鉢”から聞いた《星見》と話しをすることができる。
《星見》は梟のような仮面を被った小柄な女性で、やたらと声が小さい。仮名もそのまま《梟》である。


「……新しい遺跡の周辺は、騎士級の獸の生息地として知られている。探索にいくなら、十分注意をしたほうが良い……」
「彼の獸は木々に潜み、獲物を待つ。警戒せよ、警戒せよ、警戒せよ……


[イベント効果]
このイベントを発生させていた場合、[イベント:獸]において奇襲を受けなくなる。。


・イベント 依頼達成

発生条件:《復調の魔石》を所有しており、翌日の6時より前であること(イベント調査によって公開されない)


洋館で見つけた魔石を《逆さ金魚鉢》に見せると、少し上ずった声で「おお……見つけてきてくれたんだな、ありがとう。約束通り追加の報酬を払う」
と言って、さらに《小遣い》を2個渡してくる。
「これで間に合うはずだ……本当にありがとう」
と言って、彼はすぐさま出界する。
以降、彼の姿を見ることはない。
シナリオ終了


鑑定されていなかった場合でも、見せると「間違いないね」と言ってそのまま受け取る。


・イベント 依頼達成(遅刻)

発生条件:《復調の魔石》を所有しており、翌日の6時以降であること(イベント調査によって公開されない)


洋館で見つけた魔石を《逆さ金魚鉢》に見せると、「少し遅かったな……いや、それでも、見つけてきてくれて本当に助かる。約束通り、受け取っていいかな」
「ありがとう。……それじゃ、急いでいるから」
といって、逆さ金魚鉢はすぐさま出界する。
以降、彼の姿を見ることはない。
シナリオ終了


鑑定されていなかった場合でも、見せると「間違いないね」と言ってそのまま受け取る。


・イベント 帰還

発生条件:《逆さ金魚鉢》の依頼を受けておらず、探索者達が復調の魔石を持ち帰ったとき(イベント調査によって公開されない)

皆が戻ったのを見て、《逆さ金魚鉢》が再び話しかけてくる。
「……見つかったのかい、魔石は。気が変わって、譲ってくれるつもりはないかな……もちろん代価は払う、通常より高い値段で買うよ」
と言って《小遣い》を3個提示する。

この取引を受ける場合、《逆さ金魚鉢》は喜びのこぼれた声で「本当かい? ありがとう、恩に着るよ」と言って取引材料としたお金を渡して魔石を受け取り、すぐさま出界する。
以降、彼の姿を見ることはない。
シナリオ終了

この取引を断る場合、《逆さ金魚鉢》は至極残念そうな声で「そうか……分かった、何度もしつこく済まなかったな」と言って、トボトボとした足取りで皆の前から姿を消す。
以降、守り木の隅のほうで、生気を無くしたようにぼんやりしている彼を見かけることになる。
シナリオ終了


《ルート:深い森の道》

所要時間:3 消耗:0
森は深く奥まで続いており、光はわずかに差し込んでくるのみ。
特別なイベントなどはなく、次のロケーションへと移動できる。


《ロケーション:靜かな湖畔》

澄んだ水を湛えた静謐な雰囲気のある湖が広がっている。
この周辺は森の中でも木々が少なく、差し込む光が湖面に乱反射し、美しく拡散している様が見える。


・イベント 回帰教会員との遭遇

開始条件:なし


右の目元だけが割れた真っ黒な仮面を付け、赤いローブを被った男がキャンプをしている。
話し掛けると「見かけない《仮面》だね、新入りかい?」と話しかけてくる。
「僕は回帰教会の一員でね《隻眼》と呼ばれている。回帰教会については知っているかな?」
「多くの仮面使いは森を恐れ、森から抜け出すために救済の魔石を求めている。僕も最初はそうだった。だが、長くこの森で過ごすにつれて、ようやく分かったんだよ」
「我々人は、この森こそが正しい居場所だと。そして我々は選ばれし者だ。特に僕や君達のような《仮面使い》は」
「君達も遠からず分かるはずだ。もし、その時が来たら……また会いに来ると良いよ。僕は大体この辺にいるからね」


NPC:回帰教会の《隻眼》が交渉対象にできるようになる。


NPC《隻眼》は回帰教の教えについて極端に批判されない限りは探索者達に対してフレンドリーで親切に接する。
交渉を行う場合、交渉値は基本的に3となる。(教えることに《隻眼》自身にメリットはないが、新人に何かを教えることが好きであるため、これ自体がメリットとなっている)


交渉で洋館についての情報を聞くと「ああ、最近墜落したあの場所か。普通に行こうとすると、そこそこ険しい坂を登らされるね。
……実はあの場所に行くには、もう1つ道があるんだ。回帰教会員が移動する時に使っている隠し道なんだけど、特別に教えてあげるよ」と言って、洋館へ続く隠し道の情報を教えてくれる。
《静かな湖畔》と《崩れかけの洋館》との間に、新しく《ルート:洋館への隠し道》が公開される。


・イベント 釣り

開始条件:なし
湖の辺りから湖を見ると、澄んだ水の中には魚が泳いでいる様子が見える。
【製作】判定に1以上で成功したものは、簡易な釣り竿を作成することができる。
判定成功者の数だけ、食料を獲得できる。


・イベント 澄んだ水

開始条件:なし
湖の澄んだ水を汲み、飲料水とすることができる。
綺麗な水を飲むことができる。


《ルート:洋館に続く坂道》

所要時間:4 消耗:2


洋館に続く坂道は思いの外険しく、時間がかかるだけでなく疲れも襲ってくる。

《ルート:洋館への隠し道》

所要時間:2 消耗:1


隠された道は本来通るべき道に比べて随分と傾斜が緩やかで、歩きやすい。


《ロケーション:崩れかけの洋館》

洋館は近くで見るといたるところが崩れかけており、慎重に中に入らなければ危ないようにみえる。
ともかくこの中で魔石を見つけ、早く帰る必要があるだろう。


・イベント 魔石捜索

開始条件:なし


崩れかけた洋館に入り、頼まれた、あるいは自発的に探しに来た《復調の魔石》を捜索する。
全員で【察知】判定を行う。成功数の合計が3以上で《復調の魔石?》(未鑑定)を発見できる。
失敗した場合、ターンを1進めて再度判定を行う。成功するまで繰り返すこと。
合計が3を超過した場合、超えた分だけ《白の魔石》を発見し、これも獲得できる。
また、洋館の中で1811年の新聞記事を発見する。(世界設定のフレーバーのためのもので、特段意味はない)

《復調の魔石?》は、鑑定すると確かに《復調の魔石》であることが分かる。


・イベント 獸

開始条件:イベント「魔石捜索」終了後、広域移動宣言時に強制発動。または宣言時


強制発動:魔石を手に入れた一行を待ち構えていたかのように、周囲の木々から獸が現れ、襲撃してくる。不意打ちだ!(事前に【察知】でイベントが判明していれば不意打ちは受けない)


宣言時:洋館の入り口を狙うように、木々の上に黒い獸が待ち構えているのが見える。向こうはこちらに気がついていない。


騎士級:黒い獅子(サンプルエネミー)×1
奴隷級:アンテナ大芋虫(サンプルエネミー)×PC人数-1
オブジェクト:木(p141)×2
(全てフリーで配置すること)

《使用するマップ》



2 件のコメント:

  1. このシナリオをPLとして遊ばせていただきました。ギリギリの戦闘のバランスでとても楽しく遊ぶことができました。またシナリオが出来たら遊ばせてください。ありがとうございました。

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    1. 感想ありがとうございます!
      最近はキャンペーン向けのシナリオが多くあまり公開に適したものは書いていないのですが、また公開向けのものができましたら公開させて頂きたいと思います!

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