2017/09/10

りゅうたまリプレイ エピローグ「新たな旅のはじまり」 【キャンペーン】

ただいま、冬の竜様。
やっと、戻ってきたよ。……楽しい旅だった。目も、随分良くなって……久しぶりに冬の竜様のお顔が見える。
……お話するね、私達の物語を。

エピローグ「新たな旅のはじまり」



フリーグゼルで春の旅人たちと別れた後、ルーはすぐに新しい仲間を探したの。
仲間はすぐに見つかったわ。キルト・エヴァンスという、工房で仕事をしていた人。
魔法が得意で……その、なんというか、出し惜しみをしない人。この後にも少し話すことになるけど……よく魔力切れで倒れていたわ。

ルー達が最初に向かうことにしたのは、リリアスという高山の上の村よ。フリーグゼルの南西にあるの。
キルトの故郷で……お医者さんが多いんだって。もしかすると私の目が良くなるかもって、最初に連れて行ってくれることになったの。

広い密林の途中で、竜に会ったわ。彼も、春の旅人たちに救われたと言っていた。
彼らは凄いね。海の竜だけじゃなくて、密林の竜まで救っていたなんて。

……密林も高山も険しい道だったけど、キルトが慣れた故郷までの道だったから案内してくれて、そんなに迷わずに済んだの。……そんなに。
リリアスは独特の雰囲気がある場所だったわ。私はまだ目が見えなかったけど……竜ではなく星を信仰している場所だったみたい。簡単な治療をしてもらったけど……残念だけどここでは目は治らなかったわ。数日滞在して、次は北西のローリスに向かうことにしたの。

ローリスは……小さいけれど良い場所だったわ。どこでも花の香りがする、暖かい村だった。……疫病で大きな傷跡が残っているみたいだったけれど……それでも強く生きている人たちに力を貰った気がしたの。
……ここで、もう一人旅の共が加わったわ。エリナ・レグルスっていう女の人。疫病で、家族がみんな亡くなってしまった心の傷を抱えた……私によく似た人だった。
でも、彼女は前向きだった。父と母、それに夫の死から目を背けていなかった。……私と違って。
彼女は親譲りの薬草の知識で、旅を支えてくれたわ。
ここからは、私も含めてこの4人で、旅をすることになった。私は相変わらずまだ目が見えなかったけれど……皆が助けてくれたから旅を続けることができた。
ローリスにはあまり滞在しなかったわ。エリナが、早めに出たいと言っていたから、少しだけ滞在してすぐに出発したの。
次に向かうことにしたのは、北東の町のツェイドね。ルーはフリーグゼルに通ったことが有ると言っていたけど、北に行きたい用事があるってことで、そちらに向かうことになったわ。

ツェイドまでの道のりは、それほど険しくなかった。ちょっとした丘を超えると、森があって……森には大きなカメがいたわ。キルトによるとガーデントータスっていうんだって。背中が一つの山みたいになっていて……色々なハーブが生えていたの。どこかで見た山の竜に、少し似ている気がしたわ。
ツェイドはそこまで大きな町ではなかったけど、鍛冶の音が心地よかったわ。キルトが色々と武器の加工を学んでいたけど……結局魔力を注入する方が性に合ってるっていって、あまり使う気はなさそうだった。
……それから、ルーがどこに行きたいのかを教えてくれたわ。ルーは、フリーグゼルで別れた春の旅人たちの故郷を回りたいんだって言ってた。場所を教えてもらったから、行けるはずだって。
キルトもエリナも、特別行きたい場所があるわけじゃないからそれで良いって。
最初に向かうのは、北にあるフリソスという街だって言っていた。春の旅人の……ティエさんという人の故郷なんだって。

フリソスまでの道のりはそんなに険しくはなかったわ。道もあったし、ほとんどが草原と林ぐらいだった。
目の見えない私が一緒だったから普通よりは時間がかかったみたいだったけど……。
到着したのは夏の月の半ばぐらいだったかな、暑かったのをよく覚えてる。フリソスは結構発展している街だったわ。人の声が多く聞こえたから、間違いないと思う。
それから、ルーはティエさんの家を訪ねてみた見たいだったけど……一度帰ってきてからすぐに慌ただしく出かけていったんだってお兄さんが言っていたわ。ルーは少しばかり残念そうな様子ではいたけど、すぐ一緒に街で遊んで、楽しんでいたわ。
色々と食材も買えたから、この先の旅は美味しい料理と一緒に過ごせそうで、密かに少し心が踊っていたの。……ルーは小さいけど、料理が上手いの、本当よ?

次に向かうことになったのはフェルミという村。ノーティさんという人の故郷だって。
フリソスから南南西に……かなり遠かった。林と森を超えた向こうには広大な草原が広がっていて……爽やかな風が印象的。
フェルミは建物がなくて、そのかわりにたくさんテントがある変わった場所だったの。だんだん秋が近付いていた頃だったこともあって、過ごしやすかったわ。
ここでは、ノーティさんに会うことができたわ。彼は随分忙しそうにしていたけど、ルーが来たと分かったら時間を取って話をしてくれていた。
なんでも、この村を発展させていくために、旅での知識を活用するんだって。……キルトがノーティさんから高速で詠唱する方法を習って、この後は特に魔力切れの頻度が高くなっていたわ。……良し悪しね。
この時、ノーティさんに目を診てもらったんだけど……多分あとは心の問題だって、そう言っていたわ。……実は、この時にはもう、少しだけ見えるようになっていたの。
ルーが手を引いてくれるのが心地よくて、まだ暫く黙っていたんだけどね……。

次に向かったのはライヒという村ね。フェルミから北西の……春の竜様の山の麓にある村だったわ。クライブさんという人の故郷なんだって。
到着したのは秋口ぐらいで、丁度黄金の稲穂が広がる時期だったわ。畜産や酪農も盛んみたいで、動物の鳴き声も多く聞こえてた。
香ばしいパンに、芳しいお酒……これは少しだけしか飲んでいないけど。他にも動物の乳やお肉なんかも美味しい、私一押しの村ね。
ルーは村で話を聞いていたけど、クライブさんは戻ってなかったみたい。便りだけはあったみたいで、まだ暫く旅を続けることにしたんだって言ってた。ルーはやっぱり少しだけ寂しそうだったけど……すぐ美味しい料理で楽しんでいたわ。
……この村はローリスと同じで、昔大きな疫病で苦しんだ経験があるって、村の人が酔いながら言ってた。それでも強く生きているのを見て、エリナも思う所があったみたい。
……夜は一人にして欲しいって。そういうことも有るんだなって、思ったわ。

それから、結構長い間西に向かって歩いたと思う。森と平原を抜けて、途中で秋を迎えて、旅の食事が少し豪華になったわ。
なんとか、冬になる前に到着できたのは、クノームの町。トリシアさんという人の故郷だってルーが言ってた。
ルーが持っている可愛らしい扇子を作った人なんだって。
クノームはともかく色々なものを作る工場が沢山ある町だった。近くの森で取れる木が物作りにぴったりらしくて……小物から大きな家具まで、本当にたくさんのものが作られていたわ。
町についたら早速トリシアさんのお家がやっている食堂に行ってみたんだけど……彼女もまだ帰ってないみたいだった。
ルーが扇子を見せてトリシアさんの話をしたら、おカミさんも喜んでいたわ。料理だけじゃなくて、色々なものを作ってるのねって。
そこの料理は美味しかったわ。ルーは、トリシアさんの料理にやっぱり似ているって言ってた。エリナもキルトも、沢山食べていたわ。
ここには結構長くいたと思う。冬が近いから本当は早く出た方が良かったとは思うんだけど……、居心地が良かったのと、歩き通しだったから疲れちゃったのもあったわ。
出ることになったのは、冬が始まった頃だった。……この頃になると、もう随分と目も見えるようになっていて、さすがに手を引いてもらうのはやめていたわ。それでも、皆を頼りにしていたのは同じだったのだけど。

次に向かったのは、南西のジウビマ・エイという村だったわ。密林の中にひっそりとある……隠れ村というような感じの場所だった。ジョルティさんという人の故郷だって。でも、彼は多分帰っていないはず、ってルーは言ってた。
村は場所こそ閉鎖的だったけど、旅人にはそこまで閉鎖的ではなかったわ。野生の動物を狩って食べる文化が根付いた場所だった。
あちこちで焚き火が焚かれていたわね。
猛獣が現れて村が襲われるトラブルがあったから皆で追い払うのを手伝ったら、色々と村に伝わる伝承を聞かせてもらえた。他とはまた違った、独自の竜信仰の文化がある場所みたいだったわ。
思っていたとおりジョルティさんは帰っていないみたいだったけど……ジョルティさんの父親には会えたの。旅の途中のことを話したら、どこか遠い目をしていたわ。
……私達にとっては当たり前の竜の世界も、人からみるとやっぱり、違った見え方をするものなのね。

……これで、ルーの目的だった春の旅人達の故郷めぐりは終わったわ。丁度この近くに、ルーの故郷のリーテに通じる大河が流れていたから、ここからは船旅で故郷を目指すことになったの。私も含めてルー以外はみんな船が初めてだったから……暫くはかなりやられていたわ。……詳細に話すのはやめておくわね。
途中途中でいくつかの町や都市で降りたりはしたけど、あまりどこにも長くは滞在しなかったわ。
ジウビマ・エイで話を聞いてから、なんだか急にルーが家に帰りたくなっちゃっていたみたいで……、エリナもキルトも気を遣ってくれていたみたい。……船の上で体調は悪そうだったけどね。

こうして、ルーはようやく自分の故郷へと辿り着いたわ。彼女にとっての旅の終わり。そして……私や、キルト、エリナにとっても旅の終わりが訪れる場所。……だと思っていたんだけど、実はちょっと違っていたの。


2年目 冬の月 17日〉
雪❆

長かった船旅ももう少し……明日にはやっとリーテに辿り着けそうです。
もう、リーテを発ったのは随分前のことだったように思います。皆さんとそこで出会えたことは、これ以上ない、私の幸運でした。
思えば、私の旅は多くの幸運に恵まれたものでした。旅先で出会った人達や竜、その全てが私の旅を祝福してくれていたようにさえ思います。
……最後は私のわがままで旅を終わりにすることになってしまってごめんなさい。お姉ちゃんの元気な姿を見たくなってしまって……。
旅の中で、皆さんの故郷を回ったのは良い経験でした。ノーティさん以外とは会えませんでしたが……皆さん元気にしているでしょうか?
……あまり長く日記を書いていると、また船酔いしてしまいそうなので、今日はこの辺で。
明日も良い日でありますように。


~冬の月 18日~

こうして私が筆を執るのも随分久しぶりのことのように思います。お元気でしたか? 竜の君。
やっぱり、こうして旅物語を書くのは良いですね、死の魔法に面した人とばかり話している日々なので、今日は息抜きの日とさせてもらいましょう。
私はその日、リーテにいました。あと、まだ合流していないのはトリシアだけだったので、こうして迎えに来たわけです。
トリシアはクーのお店で、よく働いているようでした。あまり背丈や風貌は変わっていませんでしたね。
厨房にいる彼女に近付き、姿を現して話し掛けます。

「お久しぶりです、トリシア」

トリシア「誰だ!」

「私ですよ、アリアです。お忘れですか?」

トリシア「……なんか髪の毛ちょっと白くなってない?」

「……あ、そういえばそうでしたね。ちょっと事情がありまして。まあ、そのことは良いんですよ。トリシア、今日のこと忘れてませんか?」

トリシア「……? なんかあったっけ?」

「招待状、届いてますよね……? ほら、ジョルティからの」

トリシア「あー、あー……今日だっけ?」

「今日です。やっぱり忘れていましたね。もう皆揃っていますよ」

トリシア「あー、どうすっかな、仕事……店長ー、今日休みにしなーい?」

トリシアが厨房から、リビングの方にいるらしいクーに向かって声を掛けます。すると間髪入れずに「良いぞー、看板引っ込めておけー」と声が帰ってきました。……こちらも変わっていないようで。

トリシア「おーけー。別に普段着でいいよね?」

「良いと思いますよ、彼らの中で礼服だったの、ノーティぐらいですよ」

トリシア「じゃあ別にいっか。店長ー、ちょっと出かけるからー」
クー「好きにしろー」

トリシアはそう言うと、エプロンを脱いで、軽く着替えと身だしなみを済ませました。そうして、いざ出発しようとしたその時、カランカランとドアベルの音が聞こえてきました。トリシアはそれを聞いて、急ぎ気味に店先へと向かいます。

トリシア「ごめんなさい、今日お休みなんですよー」

……トリシアがそう声を掛けた相手は、見覚えのある人でした。
片側で結わえた、あの時より少し伸びた茶色の髪。
快活さの中に利発さの宿った瞳。
そして何よりも、柔らかく暖かい笑顔をした、そんな女性でした。

トリシア「あ、ルーちゃん! 久しぶりー」
ルー「……あれ? 何でトリシアさんがウチに……?」
トリシア「色々あってここで料理人件調達人兼雑用兼ウェイトレス兼看板娘をしているのです」
ルー「ええ……お姉ちゃん何もしてないじゃないですかそれ……」
トリシア「ハーブの分量決めたりしてるよ。……ところで、旅は終わったの?」
ルー「はい、皆さんの故郷を回ってきました。皆さん、入って下さいー。ご遠慮無くー」

ルーが店の外に声をかけると、やはり見覚えのある3人が店の中へと入ってきます。
フリーグゼルの工房で仕事をしていた職人の方、ローリスで亡くなった医師の娘、そして、冬の竜人の3人です。

トリシア「あ、なんだか懐かしい顔が。まな板、まだ使ってるよー」
キルト「おお、随分長持ちで……メンテナンスしましょうか?」
トリシア「その辺も自分でやってるからだいじょーぶー」

トリシア「そっちは……ローリスの人だったよね」
エリナ「その節は父がお世話になりました」
トリシア「わたしは何もしてないけどねー。元気そうでよかった」

トリシア「……で、冬の竜人さん、だったよね? 確か……ごめん、名前思い出せない」
ネーヴェ「そう、冬の竜人のネーヴェ」
トリシア「そうそう、ネーヴェさんだった。目、良くなったみたいだね」
ネーヴェ「……旅のおかげ」
トリシア「良かった良かった」

ルー「……皆さんのおかげで帰ってこられました」
トリシア「うん、おかえり。クーさんにも声掛けておいでー。わたしはちょっと用事が……あ、いや、待てよ、アリアちゃん、ルーちゃん達も連れて行っても良いよねこれ」

「ああ、はい、大丈夫なんじゃないですか?」

トリシア「よし、じゃあルーちゃん、それに皆さんも……ついでにクーさんとライルさんもかな。皆で行こう」
トリシア「突然だけど、みんな着替えて! 普段着の中で一番綺麗な奴でいいから!」
ルー「ええっ!? なんですか!?」
トリシア「良いから良いから、ほらクーさんとライルさんにはルーちゃんから話して来て!」
ルー「ええ……わ、分かりました。トリシアさんがそういうなら……」

そうしてルーはクーとライルの元へ話をしにいき、皆がなんやかんやと着替えが終ったのが1時間ほど後でした。
馬子にも衣装……と言うにはトリシアもルーもクーもエリナも元々整った顔立ちでしたが、整った服装を見るのは初めてだったので少々驚いたものです。

「準備は良いですか?」

トリシア「おーけー、じゃあよろしく!」

「はい。それでは……あ、皆さん驚かないでくださいね?」

竜の姿に変わるのも久しぶりです。人の姿では少し色が変わってきていましたが、どうやらこちらではまだ色が保たれているようでした。綺麗な緑色でしたよ、竜の君と同じく、ですよ。

驚かないようにと言ってはいましたが、勿論トリシアとルー以外は全員目を丸くしていました。ともかく私の素性を明かし、背中に乗せます。目指すはアージェント、リーテからでも空の旅ならそう遠くはありません。

途中で世界樹の空中島の横を掠めます。緑々と生命を取り戻したその姿を見るのは、トリシアにとっても初めてのことだったでしょう。他の皆を送り届ける時も必ずこの近くを通り過ぎるようにしていました。あの旅の成果を一つ、目にしてもらいたかったのです。

そして、昼過ぎ前にはアージェントへと到着しました。領主の館には、大きなテーブルが並べられて、白いクロスの上にはすでに数多くの料理が並んでいました。

そこには、見覚えのある人達が皆集まっていました。アージェントの騎士達に領主の娘、カナセの釣り人、ゴレンの銀職人、サンドラの吟遊詩人、クローナ・ディアの闘技戦士、ラ・ヴィスの商人に船長、レパーリアの領主夫妻、ローリスの医師、ツェイドの武器職人。それに夏の竜人とその旅人たち、秋の竜人とその旅人たち。
……残念ながら竜人は私とネーヴェさん以外には皆には見えませんが、それでも、これだけの人が一同に会すことができたのは、奇跡的なことでしょう。
そして、その奥に、この会合の主催者であるジョルティと、あの時の私の旅人たちが集まっていました。皆、何だかんだで少しはいつもよりきっちりとした服装をしていて、不思議な感覚です。……パワーだけは鎧でしたが。

ジョルティ「アリアちゃん! 連れてきてくれてサンキュー!」

「良いんですよ、これぐらいは。お安い御用です」

ジョルティ「やっぱり皆に集まってもらわないとな!」

そういうジョルティの隣には、白いドレスに身を包んだリンの姿がありました。私が知っている彼女からすると、少しばかり表情が柔らかくなっているな、と感じたものです。

ジョルティ「さてと……皆集まってくれたし、アリアちゃん、そろそろ準備をしたいんだけど」

「ええ、一応準備はしてきましたよ。こっちが痛み止めで……こっちが血止めで……」

ジョルティ「じゃあ厨房の方に。そんじゃ、皆は適当に待ってて!」

こうして、私はジョルティと共に厨房へと向かいました。……約束を果たさなければなりませんからね。竜の君には黙っていましたが私はこうして自分の尻尾を……知っていた? あ……そうなんですね?

まあ、ともかくこうして竜の肉は料理として供されることになりました。流石に私は自分で食べるのは遠慮しましたが……ともあれ、これで改めて、彼の旅の目的も達成されたというものです。

それからは、あの時と変わらない賑やかな光景を眺めていることができました。ジョルティは少しだけ、あの頃よりも落ち着いているような雰囲気で、不思議な気分でしたね。
幸い尻尾の痛みも麻酔ハーブでほぼ全く感じなくなっていたので、気にしなくて済みました。

……改めて、これで、本当に私の春の竜人としての仕事は終わりです。竜の君、楽しんで頂けましたか?
私は楽しかったですよ。1年余りの旅でしたが、二度とはない旅でした。大変なこと、辛いこと、悲しいことも色々とありましたけど……それ以上に、得る物の多い旅でした。
……私にとっても、彼等にとっても、旅は終わらないのだと思います。私達が何かを求め、何かに向かい、歩き続けているのであれば、きっとそれは旅なのですから。
旅は終わらないのでしょう……私達が、生きている限り、きっと。

エピローグ「新たな旅のはじまり」 完

遅くなってしまい申し訳ありません。蛇足になってしまうかもしれないと思いつつ、どうしてもグランドフィナーレを描きたかったために、こうしてエピローグを書くことにしました。
このセッションが終わったのももう半年程前のことで、随分と時間が経ってしまいましたが……本当に楽しい旅でした。私にとっては初めてのTRPGであり、初めてのGMであり、色々と足りていない部分も多かったのではないかと思います。
このセッションが楽しかったからこそ、私は今でも色々とTRPGを楽しんでいます。りゅうたまだけでも、さらに30話程は別の旅人たちと遊びました。……ちょっとやり過ぎですね。
改めて、プレイヤーの皆様、最後まで読んでくださった方、りゅうたまの作者である岡田様に感謝を申し上げ、この物語の結句と替えさせて頂きたいと思います。
それでは、またどこかで。
……最近はボイセが多いのでリプレイ化できるものがあまりないのですが。

2017.9.10



【参考サイト】

2 件のコメント:

  1. りゅうたまリプレイ完全完結、おめでとうございます。
    旅人PC達がもう一度集まるんだろうなと言う予想はしていましたが、あちらの旅人達も旅を締め括ってしまうとは予想外でした。
    季節の竜の旅物語はこれで一段落となった訳ですね。壮大な旅物語が見事に終焉を迎えた事が、とにかく凄い事だと思います。

    なかなか見られないりゅうたまの長編リプレイをここまで追う事が出来た事に多大な感謝の気持ちを込めて、感想とさせて頂きます。
    執筆・公開、誠に有難うございました。

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    1. コメント、そして最後までお読み頂き、本当にありがとうございました!
      七つの旅の前で別れたルーとも、もう一度会って欲しい、という思いがありました。
      ルーの旅に関しては想像の予知を残さなくしてしまう、蛇足でもあったと思ったのですが……冬の竜人の心が癒えた所を見たかったというのもあります。

      こちらも、コメントが大きな励みになっておりました。最後迄執筆できたのは、御覧頂いた方々のおかげです。
      それでは、改めてありがとうございました。

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