2016/05/30

りゅうたまリプレイ 第二話「釣り人もまた、釣りの魅力に釣られている」 【キャンペーン】

只今戻りました、我が竜の君。
今回は少々長旅になってしまったので、お腹が空いていることでしょう?
早速旅物語にして参りましたので、どうぞお聞き下さい。
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第二話「釣り人もまた、釣りの魅力に釣られている」

カナセに到着した一行は、まず宿を取り一泊することにしました。
カナセは普通の食事も美味しい場所で、安く美味しい料理が食べられたようですね。
……ジョルティはノーティの目に隠れて密漁に出たところ、地元の漁協の人に捕まってしまいましたので、今回の旅物語には登場しません。(※時間が合わずにセッション不参加)
残った5人は宿で今後どうするのかを相談し始めました。



ノーティ「どうしましょうか、しばらくカナセに滞在するか、すぐに出発するか」
トリシア「滞在がいいなー疲れたしー」
ティエ「ジョルティさんも捕まってしまいましたし、置いて行くわけにもいかないのでは……」
ノーティ「あれほどモラルのない行動は慎むように言ったのに。全く、困ったものです」
パワー(いびきをかいて寝ている)
クライブ「任せる」
ノーティ「それでは、一先ず滞在するということで……。ところで思うのだが、私はリーダーに向いていないのではないか……?」
トリシア「アッ……そ、ソウカナー?」

ノーティは前日が失敗続きだったことで、自信を失ってしまっている様子でした。
それに加えて、ティエからマッパーの仕事について教わったところ、そちらの方が適正があるということが分かったというのもこのようなことを言い出した理由だったのでしょう。

ノーティ「誰か、もっと頼りがいのある人に任せた方が良いと思うのだが、どうか?」
ティエ「とはいえ……年齢的に考えると……最年長はアフロの……」
トリシア「それはない」
ノーティ「それはだめだ」
パワー(ついてきな、と寝言を言っている)
クライブ「……」
ティエ「二番目はそこの黙っている人ですし……三番目はここにいない密漁未遂犯……まだ齢は若いですが、ここは見識を広げるために私にやらせていただけないでしょうか?」
トリシア「自分じゃなければ基本的にはいいよ!」
クライブ(頷く)
ノーティ「リーダーの経験は、商人であれば一度はしておくべきだと私も思う」

というような形で、今回はティエがリーダーとなり、ノーティがマッパーとなりました。

さて、そんなこんなで2日目の朝を迎え、一行はとりあえず外へと出かけることにしました。何か無いかと探していると、村にある掲示板に「カナセ ヌシ釣りコンテスト」という張り紙があるのを見つけます。
カナセの村では季節ごとにこういったコンテストを行っており、期間中は好きに釣りを楽しむことが出来るようになっています。
期間は明日から一週間、この間に釣り上げた魚を持ち帰り、そのサイズで順位を決めるという内容となっていました。

ノーティ「釣りか……それより、本屋はないですかね」
パワー「それより泳ごうぜ!」
クライブ(このアフロも捕まえてもらった方が良いんじゃないか)
トリシア(一服中)

張り紙の前で一行がそんな感じで話していると、どうやらこのコンテストの主催者らしき人が話しかけてきました。
彼は一行のそこまで興味ないですよオーラを完全に無視して人数分の貸釣り竿と、一匹の魚を一週間保存出来る容器を押し付けるようにして渡し、参加の登録をしていきました。

クライブ「……まあ、どうせ滞在中にやることもなかった。良いんじゃないか」
トリシア(一服中)
ティエ「とはいえ、釣りに関するノウハウも全くありませんからね……」
ノーティ「そんなことより本屋を……」
ティエ「そうですね、本屋なら何か情報が得られるかも知れません」
ノーティ「いえ、そうではなく……」

ノーティの独り言--提案もあり、一行はまず釣りのための情報を集めるために本屋へ向かいました。そこで、適切な本がないかどうかを探しています。

<見識判定(目標7>
ティエ:8

程なくティエは本屋で釣りの教導書『カナセの釣り人』(アディカ・レイク著)を見つけ、10Gで購入しました。
『カナセの釣り人』には、基本的な釣りに関する知識と、カナセにおける釣りポイントなどの記載がされていました。
村の中の川、2日ほど行った先の山麓の橋、さらに1日進んだ山中の渓流が候補地として上がっています。

ティエ「この本によると、ここカナセでは上流の方が良い魚が釣れやすいようですね」
ノーティ「しかし、何かに遭遇する可能性を加味すると上流の山まで行くのは危険度が高い……」
クライブ「……」

トリシア「パーさん、釣り得意なん?」
パワー「飛び込んで取るのが一番だ!」
トリシア「なんか皆で釣りするみたいよ?」
パワー「なんだって!?」
トリシア「皆がんばれー」

その後も協議を重ね、一行はとりあえず村の外で釣りをすることに決めたようです。橋のところまで向かい、そこまでの調子を見て先に進むかどうかを判断する目論見のようですね。

ティエ「本には……橋の周辺では雨の日には注意しろ、とありますね」
トリシア「じゃ、天気予報聞いてくるね」

天気予報によると、カナセ地域はしばらくは晴れの日が続くようです。ただ、一部地域では雨が降ることもあるとか。私としては晴れていて欲しいところではあるのですが……。


<コンディションチェック-1日目>
パワー:7
クライブ:6
ティエ:8
ノーティ:9
トリシア:5

パワー「今日は腹が痛いな、寝るわ!」
トリシア「寝るわ!」
パワー「釣りとか絶対に、無理!」
トリシア「応援するからみんな頑張れ!」

〈移動チェック-晴れの草原(目標6)〉
パワー:9
クライブ:9
ティエ:7
ノーティ:4(失敗)
トリシア:11

カナセから山麓の橋までの道はしばらくは草原で歩きやすい道が続いています。が、そもそも釣りにあまり興味がなさそうだったせいか、ノーティだけは疲れが溜まっているようです。

〈方向チェック-晴れの草原(目標6)〉
パワー「出番か!?」
ティエ「ちがいます」
トリシア「ないです」

ティエ:5(サポート成功)
ノーティ:10

一行は道に迷っていないことを確認し、野営の準備を始めることにしました。ここまでは平坦な道のりだったものの、ここから橋までは丘陵になっています。私も羽を休めて置かなければ。

〈狩猟チェック-草原(目標6)〉
クライブ:5(食料0

クライブは狩猟に失敗してしまったようでした。本職ハンターのジョルティがいないため、食糧不足が少々懸念されるところですね。とは言え、カナセの干し魚を保存食として買い込んでいたようなので、備蓄はまだまだ余裕がありそうです。

〈野営チェック-晴れその草原(目標6)〉
ノーティ:11(サポート成功)
トリシア:6

トリシア「一人じゃ危なかった」
ノーティ「やっとサポートで役に立てました」

夜は特に何も起きることなく、いつも通りの朝を迎えました。懸念されていた天候もまだ悪化しておらず、晴れていました。ここからは丘陵、彼らにとっては少々疲れそうですね。

〈コンディションチェック-2日目〉
パワー:9
クライブ:3
ティエ:8
ノーティ:4
トリシア:8

クライブ(陰気な顔をより陰気にして起き出してくる)

クライブとノーティは本調子ではなさそうでしたが、すぐに影響が出るほどではなかったようです。程なく、キャンプを片付けて移動を始めました。

〈移動チェック-晴れの丘陵(目標8)〉
パワー:11
クライブ:6
ティエ:8
ノーティ:Fumble
トリシア:12

体調の悪かった2人にはやはり丘陵移動は少々応えたようです。……特にノーティは尋常では無いほどの疲れようです。

〈方向チェック-晴れの丘陵(目標8)〉
ティエ:4(サポート失敗)
ノーティ:13

ティエ「むむ、この辺の地図は見辛いですね」
ノーティ「そうですか?こっちからこう見れば……」

ノーティは非常に疲れた顔をしているものの、地図を見ることに影響はなく、問題なく移動してきたことを確認できたようです。空を飛べない人は大変ですね……。
日が暮れるころには、最初の目標である山麓の橋に到着しました。橋はしっかりとした作りで、崩れることはなさそうです。ですが、チラホラと雨が降り始めており、本の記載が思い出され少々不安が残ります。私も万一のために少々離れたところで眠ることにしました。

ノーティ「少し体の疲れが不安なので……先に回復しておきます」

ノーティは野営の準備をする前に自身に回復の魔法を使い、体力を回復させていました。私も羽が疲れたので掛けて貰えば良かったでしょうか?

〈狩猟チェック-丘陵(目標8)〉
クライブ:8(食料0

クライブ「くっ……なかなか捕まらないな」
パワー「気にするな」
クライブ(何故いつも一緒に来ているんだ……)

〈野営チェック-雨の丘陵(目標9)〉
ノーティ:Critical(サポート成功)
トリシア:11

ノーティ「野営サポートが板に付いて来たようですね」
トリシア「私もすっかり野営係が板についてきた」

完璧に設営されたキャンプで、一行は眠り始めました。しかし、まだ疲れが取れる前に、周囲から復数の動物の鳴き声が聞こえてきました。

〈スカウト判定-目標5
トリシア:4(失敗)

スカウトのトリシアは、鳴き声に気付かず眠っているようです。……かくいう私もこの声で起こされたのですが、離れて眠ったのは正解でしたね。

彼らに先んじてキャンプの周りを見てみると、12匹ものカエルが周囲を取り囲んでいます。これは少々数が多く、彼らも処理をするのが面倒でしょう。ここは一つ、竜人として「お手伝い」をしてあげるとしましょう。

《ブレス発動-烏合》

これで、カエルは61組扱いです。これなら、時間を掛けずに何とかできるでしょう。……私も眠いので早く終わらせて欲しいというのが正直なところですが。

〈イニシアチブ判定〉
トリシア:11
クライブ:10
ノーティ:8
パワー:8
ティエ:4


〈ラウンド1
不意打ちにより、一行は皆前線にいる状態です。

トリシアは素早い身のこなしを活かし、即座に至近距離から弓を射かけました。不意打ちをしたはずなのに先手を取られたカエルにはこれが大きな痛手となりました。

クライブもそれに続いて同じカエルに攻撃を仕掛けますが、これは当たりません。

パワーがさらにそれに続き、斧を思い切り振り下ろすと、1組のカエルは動かなくなりました。

今度はカエルがクライブに攻撃を仕掛け、被弾したクライブは毒を患ってしまったようです。

ティエはカエルが正確にはどのような敵なのか把握するために目を凝らしています。その結果、どうやらカエルはドクガマであることが分かりました。……そのままですね?

ノーティは前線から後退し、援護射撃の位置につきました。

〈ラウンド2
トリシアは「ころぬ!」という威勢のよい掛け声と共に、残ったカエルに向かって矢を射かけましたが、今度は当たりません。

クライブの攻撃も、毒のせいか再び空振りました。パワーの攻撃も同様に空振り、斧が地面にめり込みました。恐ろしい力ですね……。

前線から後退したノーティは、そこで精神を集中させ「シューティング・スター」を放ちます。手のひらから発射された高熱の星が直撃し、カエルは苦しげな声を漏らしました。

ティエも攻撃を試みますが、こちらも当たりません。表面がヌメヌメしているせいで、物理攻撃は通りにくいのでしょうか?

〈ラウンド3
トリシアは再び矢を番えカエルに射掛けます。命中はしましたが、致命傷には至りません。

同じくクライブの攻撃も命中はしたものの、毒のせいか力が入っておらず、さしたるダメージになりませんでした。

……そして、元気の有り余ったパワーの斧がカエルの頭を叩き割りました。これで、カエルは全員動かなくなり、静かな雨の夜へと戻りました。

トリシア「せめていい素材だせー」
ティエ「毒がありますから……役に立つものは取れませんよ」
トリシア「使えん」
ノーティ「少々体が……回復させてから眠りたいところです」
パワー「なんともないぜ?」

ノーティは再び回復の魔法を使い、傷を癒やしてから寝ることにしたようですね。やはり私にも掛けてもらえば……。

招かれざる来訪者はあったものの、朝はいつもどおり訪れました。雨もまだ振っており、この先の山道はなかなか厳しそうな状況です。さて、彼らはここで釣りをするのか、それとも更に進んでいくのでしょうか?

〈コンディションチェック-3日目〉
パワー:9
クライブ:8
ティエ:Fumble
ノーティ:11(絶好調)
トリシア:5

体調の悪そうなティエとは裏腹に、ノーティはすこぶる体調が良さそうでした。昨日の不調はなんだったのでしょうか?……山の空気が合うのかしら?

ノーティ「さて、計画通り山の渓流まで進みましょうか?ティエさんの体調が少し心配ですが」
クライブ(蝶を視線で追っている)
トリシア(一服中)
ノーティ「リーダー!」
ティエ「……この枝が倒れた方向で決めましょう」(ダイスで決めました)

枝は、山道の方に向かって倒れました。一行は山深くの渓流を目指し、山を登ることに決めたようです。ここから先は空気が薄くこの体では登りにくいので、見つからないように気をつけながら竜人の姿で同行することにしました。……まあ、普通は見えないのは我が竜の君もご存知かと思いますが。

〈薬草取り-丘陵(目標8)〉
パワー:6(失敗)
ノーティ:13

ノーティ「これは……釣鐘ツユクサですかね?」
パワー(草を食べている)

〈移動チェック-雨の山(目標11)〉
パワー:8(失敗)
クライブ:11
ティエ:8(失敗)
ノーティ:6(失敗)
トリシア:5(失敗)

初めての山道は、彼らにとってもかなり厳しい道程だったようです。半日歩いた頃には、私も含めたほとんど全員が疲れきっていました。クライブだけは何故か調子が良さそうでしたが……山歩きのコツでもあるんでしょうか。小鳥の姿で荷運び動物にでも隠れておけばよかった、と登った後で気付きました。

〈方向チェック-雨の山(目標11)〉
ティエ:11(サポート成功)
ノーティ:18

ティエ「ここは、この辺りですかね?」
ノーティ「そうですね、恐らくそうかと。問題なく道を進めているようです」

移動には疲れきっていた一行ですが、道には迷わずに済んだようです。結果的に、目的地であった渓谷へと辿り着く事ができました。
しかし、そこには一匹の先客が待っていました。姿形はキツネですが、体に紫色の炎のようなものを纏っています。
先客はまだ彼らに気付いていないようでしたが、警戒心の強そうな者です、すぐに気付きそうでした。

〈見識判定-目標6
トリシア:8

トリシア「あれは……リンギツネ?アンデットがなんでこんなところに……」

リンギツネは程なく、彼らの姿を認め、駆け寄ってきました。……記憶が確かであれば、彼もまた哀れな亡者でしたね……。

《戦闘開始》

〈イニシアチブ判定〉
ノーティ:11
トリシア:8
ティエ:6
パワー:5
クライブ:4

〈ラウンド1
パワー・クライブ、トリシアは前線に、ティエ・ノーティは援護射撃のポジションに入りました。

ノーティは早速「シューティング・スター」の魔法をリンギツネに向かって放ちます。命中はしたものの、元々炎を纏っているモンスターということもあってか、それほど大きなダメージにはなりませんでした。

トリシア「あれに触っちゃいけない気がする!川に落とそう!」

トリシアは直接攻撃することを嫌い、近くにあった丸太を持ってリンギツネを押し始めました。リンギツネも力比べに応じますが、トリシアの方が力があるらしく、少し後退します。

リンギツネはその力の強さに激しい嫉妬の炎を燃やし、トリシアに向けて紫炎を飛ばしましたが、すんでの所で命中はしませんでした。

パワーはトリシアの押し出し作戦には乗らず(……理解できず?)、いつもどおり斧を振り下ろします。斧は命中しましたが、皮膚を掠った程度で致命傷には至りません。

そして、その攻撃が命中した瞬間、リンギツネの嫉妬の炎がパワーへと燃え移りました。……が、パワーは精神力でその嫉妬を乗り越えたようです。

クライブは手を体の前で交差させるようにして集中力を高めると、普段の彼からは想像もつかないような物凄い声で咆哮しながら、トリシアと同じようにリンギツネを押しました。

リンギツネはまたも力負けし、一歩川の方に向かって後退しました。

ノーティ(何のために魔法を打ったんだ……?という顔をしている)
ティエ(咆哮に驚いている)

〈ラウンド2
トリシアは再び、丸太を手にとってリンギツネを押し出そうとしますが、リンギツネもあと一歩で川に落ちる場所とあっては力が入り、背水の陣(……と言うよりは土俵際?)で耐え忍びます。

リンギツネは力比べで雪辱を果たしたトリシアから、物凄い咆哮で自分を押し出そうとしたクライブへと嫉妬の対象を移したようでした。

しっぽで掴んだ石を投げつけて注意を引き、その隙に跳びかかって攻撃を行い、確かにその爪がクライブの肌を引き裂きました。

その瞬間、リンギツネの嫉妬の炎がクライブへと燃え移ります。クライブは急に仲間達に対して強烈な嫉妬を感じ、リンギツネが目に入らなくなりました。

パワーはそんなことは関係ないとばかりに、再び斧をリンギツネへと振り下ろします。斧はリンギツネの肉体を裂き、戦闘不能にすることに成功しました。

ティエ「やったか!?」

……しかし、どうしたものでしょうか。リンギツネは、元はといえば嫉妬の怨霊に操られているだけの、哀れな獣です。普通通りに仕留めても、不死である彼はいずれ再び目を覚まし、終わりのない嫉妬に動かされ続けることでしょう。

彼もまた、我が竜の君の世界の住人です。哀れなまま存在のままでいさせるのは、私としても望むことではありません。

彼に本当の「安らぎ」を与えるためには、それこそトリシアのやっているように、川にでも落として嫉妬の炎を完全に消さなければなりません。

《ブレス発動-強敵》

そこまで考えると、私は自然と彼に力を与えていました。弱まっていた炎は再び燃え盛り、動かなくなっていた体も再び活力を得たようです。

ティエ「やっぱり押し出すべきだったか!?」
パワー「???」

そして、リンギツネを攻撃したパワーは再び嫉妬の炎に焼かれ始めました。今度は精神力でねじ伏せる事はできず、仲間に対する嫉妬に燃え始めました。

同じく嫉妬の炎に焼かれるクライブは、自由奔放で何も悩みのないような態度への嫉妬から、パワーに向かって剣を振りかぶります。しかし、力が入りすぎたせいか、命中することはありませんでした。嫉妬の心も収まったようです。

〈ラウンド3
トリシア「今度こそ落ちろぉ!」

トリシアは渾身の力を込め、再び動き始めたリンギツネを押しました。リンギツネは必死の抵抗も虚しく、崖下の渓谷へと落ちていきました。
川の水は彼の嫉妬を洗い流し、「普通の狐の死骸」として流していきました。……これで、一先ずは良かったと思いましょう。

リンギツネは去りましたが、パワーの中に残った嫉妬の炎は残っており、自分以上にパワフルな活躍をしたトリシアに斧を振り下ろしました。……が、トリシアはそれを避け、冷たい目でパワーを見ていました。

《戦闘終了》

トリシアは、自分で落としておきながら流れていった狐の毛皮を名残惜しそうに眺めていました。

トリシア「帰り道に回収してやる……」

先客を退けることには成功しましたが、すでに夕方です。釣りを始めるには少々遅いため、今日は休んで明日から始めることにしたようです。

〈狩猟チェック: 山(目標10
クライブ:12(食料2

〈野営チェック:雨の山(目標11)〉
ノーティ:4(サポート失敗)
トリシア:7(失敗)

ノーティ「山はテントが建てにくいですね……」
トリシア「ねー」

テントは少々不格好な設置となり、一行は普段に比べると少々体が休まらなかったようです。渓流の音が近すぎた、というのも理由の一つだとは思いますが。

〈コンディションチェック-4日目〉
パワー:7
クライブ:9
ティエ:11
ノーティ:9
トリシア:4

昨日、皆カナセの美味しい食事を取ったためか、心なしかその日の体調は良さそうでした。トリシアだけは少々参っているようでしたが……。

ともかく、ここでようやく彼らは念願の釣りを始めました。1週間以内にカナセに戻ることを考えると、ここで釣りをできるのは1日のみです。ただ、渓流に近付いて見てみましたが、やはり他の場所よりも大きな魚が多くいるようです。

〈釣り上げ判定:体力ダイス+敏捷ダイス+コンディション値:目標12
パワー;23
クライブ:16
ティエ:19
ノーティ:17
トリシア:10(失敗)

体調が優れなかったトリシア以外は、全員が魚を釣り上げることに成功しました。つり上がった魚を並べて、サイズ比べをし、最も大きい魚を持ち帰るようにしたようです。

〈サイズ判定:敏捷+精神+6(渓流補正)〉
パワー:14
クライブ:10
ティエ:15
ノーティ:9

サイズを比べてみたところ、ティエの釣り上げた魚が最も大きかったようです。

ティエの魚をカナセで受け取った保存容器に入れた頃、再び夜が近付いて来ていました。ここでもう一泊して、翌日からカナセへと帰ることになりました。

〈狩猟判定:山(目標10)〉
クライブ:5(食料0

〈野営判定:晴れの山(目標10)〉
ノーティ:11(サポート成功)
トリシア:13

ノーティ「今度は成功しましたね」
トリシア「ね」

クライブは狩猟に失敗してしまったようですが、ティエの魚以外の魚を食料として使う事ができるため、皆普段よりも良い食事をすることができました。ノーティとトリシアのキャンプも、今度は綺麗に整っていました。

〈コンディションチェック-5日目〉
パワー:8
クライブ:12(絶好調)
ティエ:11(絶好調)
ノーティ:7
トリシア:10(絶好調)

後は山を下り、カナセに帰るだけということもあってか、皆の体調も随分良いようでした。

〈薬草取り:山(目標10)〉
パワー:Critical
ノーティ:4(失敗)

パワー「なんか一杯生えてたぞ!」
ノーティ(貴重な白夜ハルシャ菊が3つも……まあ、ハーブボトルがもう壊れそうなんですけど)

〈移動チェック:晴れの山(目標10)〉
パワー:14
クライブ:10
ティエ:10
ノーティ:10
トリシア:15

流石に一度来た道というだけあり、移動も慣れたようで、皆疲れなく下山していきました。
パワーなどはスキップするように山を下っていましたが、周りもそれに着いて行けているようでしたからよっぽどです。
そして、2日前に野営をした橋の所まで辿り着きました。
橋の下の河原には、狐の死骸が引っかかっていました。橋は高いところにあり、降りる道もないため降りて取りに行く事はできそうにありませんでしたが……。

トリシア「見つけた!」

〈釣り判定:体力+敏捷+コンディション値:目標16
トリシア:17
ノーティ:Fumble

トリシアは目にも留まらぬ早さで釣り竿を取り出し、狐の死骸を釣り上げることに成功しました。……何故だかノーティも釣り竿を振り下ろしましたが……ベキっと嫌な音を立てて釣り竿を折ってしまいました。

トリシア「やったぜ!」
ノーティ「私は何を……」
パワー(話を聞いておらず寝ていた)

トリシアは釣り上げた狐の死骸を集中して見つめ、できるだけ傷を付けずに毛皮を材料とする方法を探しているようでした。

〈材料加工:目標8
トリシア:16

トリシアは極力狐の体には傷をつけないように毛皮を剥ぎ取りました。リンギツネの毛皮は珍しいもので、かなり価値があるものです。……その後、埋葬を行っていました。

〈狩猟判定:丘陵(目標8)〉
クライブ:9(食料1

〈野営チェック:晴れの丘陵(目標8)〉
ノーティ:8(サポート成功)
トリシア:9

ノーティ「ここはテント張りやすいですね」
トリシア「慣れたね」

山を下ってしまえば、村まではもう大した道程ではありません。しかもつい最近に通ったばかりとなれば尚更のことです。迷うことも疲れることもなく、村まで辿り着く事ができました。

〈コンテスト結果発表〉
最も遠い釣り場まで到達しながらも、彼らはしっかり期日通りに戻ってきました。
コンテストの結果発表の場には、同じく1週間の間釣りを続けてきた釣り人達が、各々の釣果を手に集まっています。

審査委員長「皆様、1週間もの釣り、お疲れ様でした。釣り上げた魚を、前に持ってきて下さい」

ぞろぞろと前に集まる者達の中で、ひときわ目を引く大きな魚を持っている初老の男性がいます。

アディカ「今回もなかなか良い魚が釣れましたよ」
審査委員長「流石はカナセの釣り人。今回もアディカさんの優勝ですかねぇ」

そこに、ティエは自分の釣り上げた魚を持って行きます。審査委員長が2人の魚を取り出し、サイズを測って目を白黒とさせました。

審査委員長「なんと……ティエさん、でしたか。貴方の釣り上げた魚はアディカさんのものより一回り大きい!今回の優勝はティエさんのチームです!」

トリシア「やったぜ」
ノーティ「やりましたね!!」

ノーティの目は明らかに泳いでおり、関係ないものを釣り上げようとして叩き折った借り物の釣り竿のことを誤魔化そうとしていることが見て取れました。

審査委員長「おめでとうございます。旅人の方がコンテストで優勝するのはいつ以来だったでしょうか。アディカさんが参加して、優勝しなかったのも初めてですよ。これは、今回のコンテストの賞品です」

審査委員長はその場で「オリハルコンの釣り竿」と「何かの目録」をティエに渡しました。
目録には「乗用動物一頭の権利」が記載されていました。

審査委員長「ああ、そうだ、あまりの衝撃に忘れる所でした。貸出の釣り竿は返却して下さい」
ノーティ「我々は大物狙いで山奥で釣りをしていました。なんとか捉える事は出来たのですが、私の力が及ばず、竿を持って行かれてしまいました……。折れた釣り竿とこの大きな魚がその証です」
審査委員長「なるほど、今回のヌシはこれまでにないほど大きかったですからね。次回からはより頑丈な釣り竿を用意するようにしましょう」

審査委員長はノーティの言い分を信じて、折れた釣り竿を受け取ってくれました。……密漁はモラルが云々と言っていたのは誰だったか、急に忘れてしまいました。

賞品の授与が終わると、隣にいた釣り人のアディカが一行に話しかけてきました。

アディカ「私もこれまで色々な所で釣りをしてきたが、川釣りでこんなに大きな魚をみたことはありません。どこで釣りをしてきたのですか?」
パワー「教えねーよ!」
ティエ(パワーを殴る)
クライブ(パワーに蹴りを入れる)
トリシア「ただで教えるわけないじゃない?」
クライブ(トリシアにチョップをしようとする)
トリシア(避ける)

アディカ「そうですか……残念です。私もまだまだ研鑽が必要ですね。同じ釣り人、またどこかで会えれば良いですね」
ノーティ(誰も釣り人じゃない素人なんですが……)
ティエ(そもそもこの人の本で勉強したんだよなあ……)

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と、このようにして私の旅人達はカナセで釣り王者の栄冠を手にしたのでした。どうです?ちょっとは楽しめる物語になっていたでしょう?
……ジョルティがいなかったのが残念、ですか。いやはや、それに関しては私もそう思う所です。彼がいれば、きっともっと場を荒らし……賑やかにしてくれたことでしょうから。
さて、それでは私はそろそろ彼らの元へ戻ります。今度もまた、面白い旅物語を用意してきますよ、我が竜の君。

【MVP:ティエ】
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こちらは2016/5/28に行ったオンラインセッションのリプレイです。元々やたら密漁をしたがっていたジョルティのPL向けと思って書いたシナリオだったのですが、当の本人が急用で参加できず、こういった形になりました。
第一回セッションに比べると、ある程度バランスは取れていたかな、と思います。リンギツネを川に落とす、というような部分はトリシアPLの完全なアドリブです。私もほぼアドリブで対応しましたが、結果的には良かったかなと思います。
それでは、また次回にお会いできれば幸いです。


【参考サイト】


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