2016/09/18

りゅうたまリプレイ 第十三話「夏の終わりの狂騒曲(前編)」 【キャンペーン】

前回は闘技大会に優勝する彼らの姿をお届けしましたね。
今回はその祝杯も兼ねて、お祭りを堪能する彼らの姿をお届けします。
ちょっとしたトラブルもありましたが……やはりお祭りというのは良いものですね。
それでは、お話致しましょう……。



第十三話「の終わりの狂騒曲」




闘技大会で優勝した彼らは、祝杯を上げるためにまっすぐ帰らず、その足でバル「クロン」へと向かいました。
バル「クロン」には、同じ様に闘技場帰りの人達で賑わっていました。
……ついでに、何故かノーティもいました。


クライブ「よし、酒を飲もう」
ノーティ「おやあ、その様子だと優勝なさったんですね?」
トリシア「カッタヨー」
ティエ(なぜ酒場に!?)
ジョルティ「ノーティの奢りで」


マスター「おや、飲み比べ大会の方々!聞きましたよ、闘技大会で優勝されたそうじゃないですか!」
マスター「いやあ、それほどまでの猛者だったとは思いませんでした。どうぞどうぞ、カウンター席へ」
クライブ「優勝…まあ、優勝?なのか…?」
マスター「何やら変わった戦闘だったとは聞いておりますが、勝ちは勝ちですよ!さあ、飲んで下さい飲んで下さい」
クライブ「まあ、いいか…」


ジョルティ「あ、そういえばここのチケット持ってたわ。宴じゃー!」


ジョルティは大食い大会で受け取ったここの食事券を懐から取り出しました。


マスター「おお、チケット!ということは大食い大会の方も出ていらしたんですね!どうぞどうぞ、何でもご注文なさってください」
ノーティ(仕方ないけどなんともノリにくいなあ……)
マスター「皆さんはどこから来なさったんですか?優勝者の話を聞かせてくださいよ!」
クライブ「ん…ノーティ、頼んだ」
ノーティ「話すと長くなりますが、アージェントの方から……」
マスター「アージェントというと、サンドラ経由ですかね?いやー、いいですね、温泉」
マスター「暫くは滞在されるのですか?」
ノーティ「どうしましょうかね? 我々もそれぞれの目的で行動しておりますのでどうなることやらといったところで」
マスター「特別な用事がないなら、あと10日程は滞在されることをオススメしますよ!10日後にはお祭りがありますから」
ノーティ「お祭り、ですか?」


ノーティはお祭りにはそれほど興味がなさそうな様子でした。


ノーティ「皆さんは?」
クライブ「ま、いいんじゃないか?」
パワー「わーいおまつりだー」
マスター「ええ、我が街はご覧のとおり大河のおかげで成り立っておりますから。その大河の竜に感謝するお祭りを毎年やっているんです。結構盛大なものですよ」
ティエ「10日かー 生活費的には優勝賞金ありますから余裕ではありますな」
ノーティ「竜……」


竜という単語が出た途端、ノーティは思案顔になりました。やはり、竜の存在については気にかかる所のようです。


ノーティ「その話後で詳しく聞かせてもらえませんか、その竜とやらについて」
マスター「竜についてですか?ええ、まあ、それほど詳しいわけではありませんが構いませんよ」
ノーティ「やはり伝説として言い伝えが?」
マスター「いえ、そこまで具体的なものがあるわけではないですよ。よくある自然への感謝を竜になぞらえているものです。大河なくしては街が成り立ちませんからね」
ジョルティ「大河の水って飲めるの!?」
マスター「古くは氾濫を防ぐために生け贄などもやっていたと聞きますが、今はもうそんなことはしていません。普通のお祭りですよ」
ジョルティ「大河飲めば竜食った事に…いや水飲んだだけだな…」
アリア:マスター「んー、余り綺麗ではないかと思いますよ。炭鉱が上流にありますから……飲まない方が良いかと」
ティエ「濾過すればいけるかもしれませんぜ」
ジョルティ「お腹壊すのはちょっと…」


ティエは最初の一杯でもう酔いが回っている様子でした。クライブは話を聞いている様子もあまりなく、淡々と飲み続けていました。


クライブ(どんぐらい飲めばチケット分以上になるかね…)


マスター「ちなみにお祭りは夏の29日と30日です。29日は前夜祭ですね」


この日は夏の20日でしたから、9日後ということになりますね。


ノーティ(まあ、そも本当に竜がいるとも限らないけれど、夏に歩きまわるのも何だからな……)
ティエ「とりあえず夏外歩くとかいうマゾヒスト行為もイヤだから秋までゴロゴロしますか」
ノーティ「そうですね、皆さん祭り好きでしょうから、滞在することでいいでしょう?」
ジョルティ「ええで」
ジョルティ「屋台とか出るの?」
マスター「出ますよ。闘技場を中心に、かなりいろいろなお店が出ます」
ティエ(食い尽くされるな)
ジョルティ「露店の期間限定的な伝説の屋台か!!腕が…もとい腹が鳴るぜ!!」
マスター「私も出しますよ!当日もどうぞ出張バル・クロンへどうぞ!」


クライブ「屋台の酒って二倍くらいするよね」
マスター「その分珍しいお酒も出しますよー」


そんなこんなで彼らは朝近くまで飲み続け、宿へ戻ったのでした。


それから、祭りが開催されるという夏の月29日までは、それぞれ特に目的もなくダラダラと過ごすことになりました。私せ 久しぶりにゆっくり過ごすことができました。


まあ……細かく描写することもないので、ここは省略ということで。


〈ブレス発動:ミライ〉


の月 29日~
〈コンディションチェック〉
パワー:17(絶好調)
クライブ:9
ティエ:12(絶好調)
ノーティ:7
ジョルティ:8
※トリシアは冒頭ロールプレイのみの参加のためチェックしていません


パワー「FOOOOO!!!
クライブ(変な具合に酒が回った…気持ち悪い…)


夏の終わりが近いものの、まだまだ日差しは強く、暑い日となりました。良いお祭り日和ですが、水分補給には気をつけたいですね!……お酒は逆に脱水するので控えめに。


トリシア「私は図書館行ってくるねーちょっと考えたいことがあって」


トリシアはそそくさと図書館の方へと向かっていきました。皆がその後に外に出ると、クローナ・ディアはいつにも増して賑わっていました。


パワー「かたぬきはどこだ!!」
ジョルティ「リンゴ飴とあんず飴って地域格差出るよな」
ノーティ「お祭り自体はあまり興味がありませんが……古本市でもあることを祈ろう……」


ジョルティ「とりあえず、出店見に行こうぜヒャッハー!!」
ティエ「そうですねぇ」
パワー「肉!酒!カタヌキ!」


……彼らのテンションもいつにも増して高いようですね。


ノーティ「まだ早いですし、私は周りを見ながらゆっくり歩いていきますよ」
パワー(全力で繁華街へ走っていく)


2人以外も、徒歩で繁華街の方へと走っていきました。彼ら以外にも、大勢の人が繁華街の方へと歩いていました。繁華街や闘技場の近くは、綺羅びやかに装飾が行われています。


ティエ「繁華街側からぐるーっと全部見て回りましょうか」
クライブ(人が多い…気持ち悪い…迎え酒…)


クライブはもうだめです。


ノーティ「祭りの地図が貼ってありますよ。どれどれ……?」


ノーティが地図を覗き込むと、大体どのような出店があるのかが書かれていました。


【出店リスト】
・出張ハーブ店
・珍品店
・旅具店
・射的
・ビアガーデン
・その他食品の出店


ティエ「なにか値打ちモノでもないかしら あと朝ご飯代わりのモノでも」
パワー「射的だあああああああああああああああ」
ティエ「珍品旅具射的が気になりますなー ハーブもちと気になるけど…」
パワー「うたせろおおおお」
ジョルティ「出店食いまくるぞー!!」
ノーティ「珍品店行きたい……かな」


とりあえず地図を見ながら、どこに行きたいかを考えているようです。余り団体行動は考えていないようですね……これは、私の仕事が……多い予感がしますよ……?


早速、クライブはそんな話しをしている彼らを尻目に、サササッとビアガーデンの方へと消えていきました。……ま、まあ、どうせずっと飲んでいるでしょうから、彼のことは暫く見ておかなくても良いでしょう。……良いですよね?


まあ、全てを見て回るのは厳しいので、時間ごとにそれぞれのお店にいた人達の行動を見ていくことにします。……事細かに聞きたいなら竜人をもう1人派遣して下さい。


【出張ハーブ店:午前10時】


ますは、地図を見ていた場所から最も近くにあった出張ハーブ店の様子を見ていきましょう。ここに訪れたのは、ティエ・パワーの2人でした。パワーはどうやら順番に全部見ていくことにしたようですね。


店主「各地のハーブを取り揃えておりますよー。独自のルートなのでお安くなっております!なんと!中級(レベル3)以下のハーブが市場価格の半額です!」
パワー「合法?」
店主「勿論です!」
店主「こちらの宵闇ノホタルブクロなんてのはいかがですか?夜にしか取れない特殊なハーブ!朝に摘む人が多いですから、珍しいですよ!」
パワー「白い粉ある?」
店主「粉にしているものはないですねえ」


ティエ(独自のルート……というのは気になる所ですね。本当でしょうか?……品質も確認しておきますか)


〈真偽判定:知力+知力〉
ティエ: 11


ティエはじっくりとハーブを見ていましたが、特に普通のハーブと代わりがあるようには見えませんでした。みずみずしく新鮮です。また、独自ルートについても特にやましいことがあるわけではないことも分かったようです。


ティエ「ふむ 当日モノでしょうか?」
店主「いえ、本日のものではありませんが、鮮度は下がっておりませんよ!こちらのハーブ用特殊密閉コンテナで運んでまいりましたので!」」
ティエ「!?むしろソレが欲しい!」
店主「え、ええ?コンテナですか?ま、まあお譲りしても良いですが……」
ティエ「良いの!?」
店主「特殊な加工がしてあるので、少々高いですよ。500G程になりますが……」
ティエ「サイズと保存期間と保存数を教えて下さい」


店主「大きさは見ての通り、まあ、普通の木箱ぐらいはありますね。ただ、中が高密封になっているので容量は少ないです。5個ぐらいが限界ですね。摘みたてを入れておけば、出すまでは劣化しませんよ」


パワー「下さい!2つ!」
ティエ「じゃぁ 2箱クダサイー」
店主「むむ、お売りできるのは2箱ぐらいですかねぇ」
ティエ「では合わせて2箱、1000Gということで」
店主「こういうつもりではなかったんですが……まいどありー」


ティエ「あと月下ノ雪割草8個下さい」
店主「8つですね、3200Gでございます」
ティエ「大量購入ですからココは一つ…」


〈春夏冬:口八丁〉
ティエ:12(40%オフ)
店主「ううむ、そうですね、コンテナも買って頂けましたし。それでは1920Gほどでいかがですかね……?」
ティエ「では1920Gでー」
店主「ありがとうございましたー」


ティエ「じゃあこれは今買ったコンテナに入れてっと……後でビアガーデンにでも行けば荷運び人間がいるでしょうし、そこで持ってもらいましょう」
パワー「うおおおお!コンテナだああああ!」


ティエがコンテナにハーブを詰めると、パワーがそれを担ぎ上げて持っていきました。……ティエがポカンとしていましたが、結果的に重い物を持たずに済んで良かったのではないでしょうか……?


【珍品店:午前11時】


さて、そんなこんなで、ティエとパワーは珍品店の方へとやってきました。そこにはノーティとジョルティがおり、品揃えを見ています。


店主「寄ってらっしゃい見てらっしゃい。各地で集めた奇妙なものをお安い価格で提供致しますよ!」
ジョルティ「奇妙なものなのに相場とかあんのかい」
店主「それはもうサマザマな場所で見てまいりましたから!」
ティエ「ほほー なにがあるのかなー」


《品揃え》


・ひかる手鏡 1000G
・しゃべるノート 2000G
・美しい楽器 900G
・のろわれたガラスペン 900G
・頑丈な保存食 150G
・臭う美味しい保存食 20G


ジョルティ「買います!オヤジ、その臭い美味しい保存食一つ」
ティエ(これは……オヤジが家で焼いて離婚寸前まで怒られたヤツだ…)
店主「1つで宜しいんですか?」
ジョルティ「こんな珍味1個ありゃ十分だろ!」
店主「まいどあり!あまり、人の多い所では開けないことをお勧めしますよ!」
ティエ「これ我々の部屋とかテントではたべないでくださいね?」


ジョルティは即決で臭う美味しい保存食を購入していました。袋に入っていますが、近付くとそれでも臭いが漂ってきます。


ノーティ「このペンは一体?」
店主「こちらのペンはフリーグゼルの地で作られたという悲劇のペン!渡り歩いた主人の数はなんと二桁に登り、その全てが名著を残し早世したといいます!」
店主「仕入れたものの恐ろしく、一度も使っておりません!少なくとも品質は間違いありませんよ!」
ノーティ「それは困るな……ん? フリーグゼル……?」


ノーティはフリーグゼルの名を聞いて、図書館で見た本のことを思い出したようですね。少し、興味深そうにガラスペンのことを見ています。


ジョルティ「しゃべるノートってのは?」
しゃべるノート「呼んだかな!?この通りしゃべるノートだぞ!」
ティエ「おーしゃべった!」
ジョルティ「お前、喋る以外に何か出来ないの?」
ジョルティ「あと、臭い保存食食べる?」
しゃべるノート「ノートとして使えて喋れるんだぞ!十分だろ!いらないよ!」
パワー「しゃべるノートを買います!」
パワー「お前何ページあるの?」
しゃべるノート・店主「なんと!我ながら売れるとは思わなかったぞ!45ページB5刷りだぞ!」
しゃべるノート「変なことは書き込むなよ!分かるんだからな!」


ノーティ「呪われたガラスペン、買っておくか……使うときは来ないだろうけれど……」
店主「おお、呪われたガラスペンまで……!もし何かありましても当方は責任を負えませんからね!」」
パワー「そのガラスペンでこいつになんか書き込もうぜ」
ノーティ「パワーさんなにか書いてみます?」


ノーティは珍しく邪悪な笑みを浮かべていました。


パワー「貸してー」


パワーはノーティが買ったガラスペンを受け取り、たどたどしい手つきでしゃべるノートに「バカ」と書き込みました。


しゃべるノート「なんだってこのやろう!」
パワー「うわ、こいつ書いたこと見えるのか」
ティエ(さっき言ってたよね!?)
しゃべるノート「お前知力いくつだよ!ボクは6は有るぞ!」
パワー「は?俺は体力12あるぞ」
しゃべるノート「かてない……」
パワー「やったぜ」


……本当に知力6有るんですか?
この時、裏でノーティかぼそっと「本人の資質も関係あるんですねぇ」と囁いていました。……早速呪いの効果が現れているような……?


【旅具店:正午】


続いて、ティエ・ノーティ・パワーの3人は旅具店の方へと向かっていきました。ジョルティは腹が減ったと言い残して屋台の方へと消えていきました。


店主「どうぞどうぞ、お近くでご覧になって下さい。旅に便利な道具が揃っておりますよ」
ティエ「ほほー 私体力がないんで旅装無いと死ぬんですよー」


ティエはそんな調子で品揃えを覗き込みました。


《品揃え》


・備忘録:伝承・教養知識+1
・手綱:動物飼い+1
・双眼鏡:動物探し+1
・包帯:応急処置+1
・金槌:修理+1
各250G


ノーティ「備忘録は欲しいところですが、金槌も買っておいた方が良いのでしょうか?」
パワー「ノートくん、お金頂戴」
パワー「君買ったら200Gしかないの」
しゃべるノート「自分で書いてみたらどうだ!? もしかしたら騙せるかもしれないぞ!」
店主「聞こえてますよー」


その頃、屋台で食事を調達してきたジョルティも旅具店に合流してきました。


ジョルティ「お、その双眼鏡いいな」
ティエ「みんなで使うもんだから後で割ろうかとおもってたけど来たわね」


パワー「ちょっと呪いのペン貸して」
ノーティ「ちゃんと返してくださいよ」
パワー「わーい」


パワーはペンを借りて、ノートの表紙に「パワーのしゃべるノート」と表題を書きました。


しゃべるノート「だっせ!」


それから、裏表紙に「カミ」と書いていました。……この人、大丈夫ですか……?


ジョルティ「おい、オヤジ。双眼鏡まけてくれ。でなきゃここで臭い美味しい保存食開封する」
店主「んんー、双眼鏡はこれでも結構ギリギリなんですよねぇ」
店主「バイオテロはやめてください!管理局に突き出しますよ!?」
ジョルティ「えー?買い食いしてるだけなんですけどー?」
店主「勘弁して下さいよぉー」
ジョルティ「苦情なら売りに出した店に言って欲しいですなぁ!!」
店主「どっちにも言いたいですよぉ!」
パワー「そのくいものあぶるならこのノートちぎって焼こうぜ」
しゃべるノート「やめんか知力4!」


ノーブルとはいったい……ノーブルとはいったい……?


ノーティ「リーダー、お金はパーティ資産から出して頂けるということで?」
ティエ「その予定でしたよ?」
ノーティ「じゃ、まあ必要そうなものを買い揃えるということで」
ティエ「ですね。必要数だけ買っていきましょう。トリシアさんはいませんけど、一応金槌もっと……」
店主「ま、まいどありー!あー!困りますお客様!!開けられては困ります!!」


……そんなこんなで、旅具店を後にしていきました。


【ビアガーデン:午後1時】
ノーティとジョルティはここで一度離脱し、ティエとパワーは連れ立ってビアガーデンの方へと向かいました。すると、そこには1人で4人席に座り、テーブルの上に大量の空きコップを並べているクライブの姿がありました。
どうやら、朝からずっと飲んでいたようですね……。


クライブ「う~…気持ち悪い…さけ…うまい…」
ティエ「あ、荷運び人間!」


ビアガーデンは盛況です。飲み食いをしている人が大勢見えます。ビアガーデンではいろいろな種類のお酒が提供されているようでした。


【品揃え】
・クローナ・ディア産「大河の雫」
・ブリージア産「ローレライの涙」
・レパーリア産「香木の樹液」
などなど


ティエ「じゃあ大河の雫を……と思ったけど、これ飲み大会で飲んだ奴か……飲みやすいのはどれですかね?」
店員「ローレライの涙は喉越しも良くてサッパリとして飲みやすいですよ!」
ティエ「じゃぁそれー」
クライブ「ぜんぶ!」
パワー「ぜんぶ!」


そんなこんなで、皆でお酒を飲んでいました。……お酒を飲んだ人は、やはりかなりテンションが高くなってしまっているようでした。


クライブ「さけ!おいしい!さけ!かみさま!おいしい!おいしい!」
パワー「おいしい!おいしい!うぇーい!」
店員(にぎやかだなあ)
パワー「FOOOO」
ティエ(今日はあんまり酔わないなあ)


射的屋:午後3時】


さて、ビアガーデンでの狂騒からしばらくして、今度は射的屋に人が集まっているようでした。クライブはビアガーデンに残りましたが、残りは5人共この場所に集まっています。


ジョルティ「来たか…」
ティエ「あそぼう!」
パワー「うたせろおおおお」
ノーティ「見物させてもらいましょう」


テキ屋「元気がいいねえ!どうだい、150Gだよ!」
パワー「狙い撃つぜ!!!」
ジョルティ「やるぜ!!」
ジョルティ「あ、ちょっとまって、先に景品を見ないと」
ティエ「景品次第 たしかに!」
パワー「けいひんいらない!うたせろ!」


パワーだけは何やらただ撃ちたいだけのようでしたが、他の皆は景品の方へ目を向けました。


《景品》


・美味しい保存食
・香水
・かわいいぬいぐるみ
・ひかる短剣
・宝の地図


ジョルティ「短剣と宝の地図は欲しいなー」
パワー「はーやーくー!」
ティエ「ひとりいっかいぶんは優勝賞金から出しますよー」
パワー「たま!たまくれ!」
テキ屋「落ち着いて!1回ずつ、1回ずつ頼みますよ!」


【射的判定:敏捷+知力 目標10


パワー→宝の地図:7(失敗)


しゃべるノート「俺の方がまだうまく狙うわ!」
パワー「うるせぇ!やぶるぞ!!!」


ジョルティ→ひかる短剣:6(失敗)


ジョルティ「くそ!絶対仕込まれてる!」


ティエ→宝の地図:14


ティエは宝の地図に弾を当て、上手く落とし景品として獲得しました。


テキ屋「やるねえ!」
パワー「うたせろおおおお」


【−2射目−】


パワー→かわいいぬいぐるみ:12


パワーはかわいいぬいぐるみを撃ち落としました。こう……何というか……可愛いです。


パワー「いええええええええい!」


ジョルティ→ひかる短剣:13


続いて、ジョルティもひかる短剣を撃ち落としました。


ジョルティ「いえええええええええい」


【−3射目−】


パワー→香水:7(失敗)


パワー「くそがああああああああ」


ジョルティ→香水:9(失敗)


ジョルティ「くそおおおおおおお」
ティエ(謎の友情が芽生えていそう)


【−4射目−】


パワー→香水:14


パワー「いええええい」
パワー「でもいらねええええ!あたまにかけとこ!!」


パワー「もういっかい!!」
テキ屋「おいおい、やるなあ兄ちゃん。でもあんまり1人に落とされても商売上がったりなんだよなあ」
パワー「うるせぇ!うたせろ!!!
アリア:テキ屋「この辺で手仕舞いにしてくれねえかな!」
パワー「たまあるんだろ!なぁ!たまおいてけ!!
テキ屋「いやいやいや勘弁してくださいよ!もう景品全然残ってませんって!」
パワー「ああああああああ」
テキ屋「ともかくこの辺で勘弁してつかぁさい!」
パワー「にどとこねぇぞ!!!
テキ屋「元々今日きりですよ!?」


パワー「おいぬいぐるみと香水いらねぇ」
ジョルティ(じゃあなんで取ったんだよ…)
ティエ(この地図はどこの地図なんですかねえ……まあ、帰ってから見ますか)


【ビアガーデン:午後5時】


さて、楽しい射的が終わり、彼らはもう一度ビアガーデンの方へと向かいました。概ね見たい店がなくなったのと、クライブの様子を見に行くためでしょう。


クライブ「さけ!おいしい!さけ!しあわせ!」
パワー「あいつまだ飲んでるぜ!?」


ずっと飲んでいますね……?


パワー「混ざってこよ!」
ジョルティ「駄目だこのおっさん達、早く何とかしないと…」
パワー「うえええええい」
パワー「さけ!おいしい!さけ!しあわせ!!!」


……私も少し飲まないと付いていけないのでしょうか……?と、ちょっと気の迷いに絆されていた瞬間、彼らが飲んでいる席の傍で甲高い叫び声が上がりました。何やら、喧嘩をしているような声です。


クライブ「…ん?」
ノーティ「何かあるようですよ……?」
ジョルティ「ここで飯食って帰るか」


数人気に留めているようではありましたが、特に何かをする様子はなさそうです。しかし、段々と喧嘩はエスカレートしているのか、叫び声は大きくなり、殴打の音も聞こえるようになってきました。


クライブ「なんだ騒々しい…」
ティエ「遠巻きに見ていましょう」
ジョルティ「喧嘩だろ、良くあることだ」


彼らだけではなく、周りの人も遠目で見ていますが、制止に入る人はいません。


クライブ「うるせえ!!黙って飲め!!」
喧嘩している人A「あんだとコラァ!うるせえぞ外野ァ!」
ノーティ「ちょっとちょっと、何事ですか」


耐え兼ねてか、ノーティが喧嘩をしている人の元へと向かっていきました。……大丈夫でしょうか?


ティエ(あ いっちゃった)
ジョルティ「ノーティシラフなのに良く行くなー」


【制止:体力+体力:目標8】
ノーティ:6(失敗)


ノーティが制止に入りましたが、案の定というか何というか、ふっ飛ばされてしまいました。


ノーティ「うおっ」
パワー「あいつ殴られてるぜー!やっぱり体力が正義なんだよなあ!」
クライブ「…貴様、人様の旅仲間に何してるんだ」


ノーティをふっ飛ばしたことでむしろ勢いがついたのか、喧嘩はさらにエスカレートしていきます!クライブもスイッチが入ってしまったようでしたが……それよりも早くパワーが彼らの元へ駆け寄っていました。


パワー「しょうがねぇな!」


【制止:体力+体力:目標8】
パワー:Critical


喧嘩している人B「あんだぁ!?」


パワーは駆け寄ると、そのスピードを乗せた一撃を喧嘩している2人にぶつけました。パワーの恐ろしい筋力によって、喧嘩していた2人は共に吹っ飛び、気絶してしまいました。


ノーティ「えっえっ!?」
クライブ「…パワーがとめたか。つまらん。飲みなおす」
ジョルティ「素人に本気出して大人げない」
パワー「HAHAHAHA!!!!!」


パワーが喧嘩を制止しましたが、他の所からも叫び声が聞こえてきました。どうやら、周囲の各地でも喧嘩が起こっているようです。


クライブ「…あぁん?」
ノーティ「えっえっなになに?」
ジョルティ「ノーティ、座っとけ」
ティエ「え なに?こういう祭り?」
ジョルティ「そういう祭りもあるらしいが……」


声のしている方に目を向けると、そこには闘技大会で戦ったシュヴァリエ・ルージュの面々がおりました。……どうやら、内輪揉めをしているようです。紅の竜人・ラグナさんは、その傍でその様子を見て大笑いをしていました。……え、何故?


ローナ「なによぉ!やるっていうの!?止めないでよアルバ!飲まなきゃやってられないわよ!」
ローナ「なんなのよあのカカシ!」


その言葉を聞いて、ラグナさんはさらに笑い声を大きくしています。まあ、言わんとしていることは分からないでもないですけれども!


クライブ「…あ?あいつは…」
アルバ「落ち着け!飲み過ぎだ!迷惑がかかる!」


クライブは店員から瓶をひったくるようにして受け取り、そのまま彼らの騒いでいる所へと向かっていきました。他の皆もそれに続きます。


ティエ「こんばんわー」
ジョルティ「よー、そこの二人こっちこいよー」
クライブ「よお、荒れてるな」
ガルシャ「あっ、お前たちはカカシの!?」
パワー「おっ、あいつらカカシずっとなぐってたアホやんけ」
クライブ「悪いな、黒メガネ。あれがうちの流儀だ。勝てりゃそれでいい」
ガルシャ「くっそう!まあお互い本気だったからそりゃいいんだけどよ!」
ジョルティ「カカシで統一すんなよ何かやだわ、あと人と話す時はグラサン外せや!」
ティエ(そこそこ暗くなってきたけど見えてるのかな?)


ジョルティ「そんなとこで騒いでないで、こっち座れよー一緒に飲もうぜー」
アミール「み、みなさん良かったらちょっと手を貸して下さい。ローナが暴れちゃって!周りも騒がしいし!」
アルバ「お、おう、そうしたいところではあるんだが、見ての通り手が空いてねえんだ!」
ジョルティ「アミールちゃんがどっちと付き合ってるのか教えてくれたら手を貸すゾ!!」
アミール「付き合ってませんよ!」


そんな話をしている様子を見ながら、クライブはちょっとだけ思案顔をしたかと思うと……一直線にローナの口元へ酒瓶を運んでいました。


【強制飲酒:敏捷+知力:目標8】
クライブ:5(失敗)


しかし、手元が狂ってローナを後ろから押さえつけていたガルシャの口に酒瓶の口が入りました。ガボガボとガルシャがお酒を飲まされています。


クライブ「…?手が震えて手元狂ったな」
ガルシャ「俺に飲ませてどうすんだよ!?いや、ちょっと待て、ローナにも飲ませてもしょうがねえぞ!?」
クライブ「おー。すまんすまん。黒メガネ。手元が狂った」
ガルシャ「お、おう美味い酒ではあるがよぉ!」
クライブ「まあ、かまわんだろう。憂さ晴らしも必要だ」


ノーティは付いてきたものの、闘技大会に出ておらず彼らと初対面ということもあり、近くの席に座って遠巻きに見ていました。


パワー「いえええええええいがるしゃくーん!」


そして、パワーは先程喧嘩していた2人をふっ飛ばした時の再演のように、ガルシャに向かって殴りかかります。……殴りかかります!?ティエがすんでの所でガルシャにグレイトフル・スケアクロウの魔法を詠唱しましたが、パワーは召喚されたカカシを完全に無視してガルシャに一直線に拳を振るいました。


パワー「ういいいいいいいいいいいいっす!!」


ガルシャはその勢いに耐えきれず、ローナを抑えていた腕を離して後方へと吹っ飛んでいきます。その様子を、ノーティは完全に訳がわからないという顔で見ていました。……全部見ている私も意味が分からないんですけれども。


ガルシャ「いってえ!何しやがんだ!」
クライブ「…キレイに入ったな」
ジョルティ「酔っぱらい怖い」


クライブ「…まあ、いいや。メガネと色黒。飲むぞ。めんどくさいのは放るに限る」
アルバ「いやいやいや、ローナを解き放ったら大惨事になる!間違いなくなる!」
パワー「さけ!さいこう!いえええええい!!!」
クライブ「…いいじゃないか、めんどくさい…それとももうヘベレケな俺にとめろと?この騒ぎを?」」


ティエ「抑えつけているなら、リムーブタッチしてみましょうか?」
ノーティ「えーと……なんか知りませんけど、彼女を眠らせますか?丁度良い魔法がありますが……」
ティエ「あー…そっちのほうがいいかも 私MP少ないですし」
ノーティ「それでは……」


【ノーティ:冬魔法「フユノネムリ」】
発動判定:10


 ノーティがローナを中心に魔法を放つと、ローナだけではなく、それを抑えていたアルバとガルシャ、そしてそのすぐ傍にいたパワーがその場に倒れて眠り始めました。


パワー「ンガアアアアアアア」
クライブ「…あーあー魔法なんかぶっぱなして…」
アミール「お、おー……お見事?」
ノーティ「静かになりました」
ティエ「そうですね 静かになりました」
ノーティ「後はお好きなように……」


ジョルティ「寝てるのは端っこ寄せとこうか」
クライブ「…やれやれ。じゃあ適当に担いで端っこに寄せておくか」
アミール「その……まあ多分眠っている彼らは放っておいても大丈夫だと思います。寝たら起きない人たちですから」


ジョルティ「えー、あー、アミールちゃんこっち来て一緒に飲む?」
アミール「なんだか周りの喧嘩も広がっているようで気になるので……ちょっと管理局の方とお話をしてこようかと思います」
ジョルティ「硬いこというんじゃないよぉ!!」
ジョルティ「負けた相手の酒は飲めないっていうのかい!?互いの健闘を讃えて一杯ぐらい付き合いなさいよぉ!!」
アミール「い、いえそんなことはなくて。ちょっと周りの騒ぎが広がり過ぎているものですから!」
ジョルティ「祭りなんだからそんなもんだよぉ!!」
アミール「ここで私も酔って暴れ出したら収拾つかないじゃないですか!嫌ですよ殴られるの!」
ジョルティ「いいからちょっと座りなさいよ!」とりあえず一杯だけ!一杯だけでいいから!!」
アミール「と、ともかく管理局の方へ行ってきますから!その後で付き合いますから!」
ノーティ「ああ、それなら私も管理局へ同行します ここにいたくないので」
アミール「で、では一緒に行きましょう!管理局は闘技場にあるはずです!」


アミールは【ドラゴンフライ】の魔法を使い、ノーティと共に管理局があるという闘技場の方へと飛んでいきました。ノーティの足に、ジョルティも捕まっていたので、都合3人が管理局へと向かった形となります。


そうこうしている間にも、周囲の喧騒はさらに激しさを増していました。クライブはまだ騒がしい周囲に向けて、飲み終わった酒瓶を投げつけていました。……それがぶつかった相手に詰め寄られて少しふっ飛ばされたり、その後本気てふっ飛ばし返したりと、酷い有様になっていました。……やはりお酒は飲みすぎてはいけませんね。


さて、そんな頃管理局では--


ノーティ「一体なんだっていうんです、あの喧騒は」
アミール「なんなんでしょう、ローナも普段はあんなに荒れた飲み方をしないんですが……」
ジョルティ「ほんとにね


ノーティもアミールも、ジョルティに対して「何でこの人付いてきているんだろう」という顔をしていました。


アミール「ともかく、各地で喧嘩をしているようですから、管理局の方に知らせませんと……。あ、そういえば初めましてですね」
ジョルティ「ウィッス、ジョルティっす」
アミール「いえ、そちらではなく……」
ノーティ「これは失礼しました、ノーティ・ユーデクスと申します」
アミール「ご丁寧にありがとうございます。私はアミール・カスティーリャと申します」


お互い、名乗ってからペコリと礼をしていました。どことなく、この2人は方向性が近いようですね。


アミール「……まあ、管理局の方に知らせてきましょう」
ノーティ「お願いします、私には事情がまだ詳しく飲み込めていないので」
ジョルティ「見た目通り真面目ちゃんだな、ノーティあんな子どうよ」
アミール「ええ……私も全く」
ノーティ「ちょっと待ってください、何かあの喧嘩の発端があるんじゃないんですか?」
ジョルティ「ノーティ無視?ねぇ無視?」
ノーティ「ジョルティさんには後で面白いことをしてあげますから」
アミール「発端ですか…?ううん、見たところ喧嘩をしているのは皆酔っている方のようでしたが……」
ジョルティ「ノーティ調子乗ってる?クサヤ投げるよ?」
ノーティ「お酒のせいですかね? 皆飲み慣れてないのかなあ? それとも何か?」
アミール「んー……ローナはいつも飲んでいるのでそんなことはないと思うんですが……」
ノーティ「ということも含めて報告するしかないですかね……」
アミール「もしかしたら何か、酔いやすいお酒だったのかも知れませんね」
アミール「はい、ではそんな感じで報告してきます」


ノーティ(お酒に混ぜものでもあったのかな……)


ノーティはまだ少々思案顔でしたが、アミールが管理局の窓口に話を通し、管理局がすぐに対応を始めることになりました。闘技場に詰めていた人々が喧嘩の制止のために動き出したしようです。闘技大会で見かけたような顔もありました。


喧嘩をしているのも酔っているだけで武闘派ではありません。彼らの出動で喧嘩は1,2時間程で収まったようでした。


管理局担当者「おかげ様で収まりました。何やら皆悪酔いしていたようで……例年はここまでにはならないんですがねぇ……」
ノーティ「何やら事件の香り——とかいって……気のせいかな?」
管理局担当者「事件……ですか?お酒に何か細工があったとか…?」
ノーティ「まさにその点を怪しんでいるのですが。そんなに簡単には行かないでしょうね?」


ジョルティ「ふぅん、例年と何か違う点とかなかったの?」
管理局担当者「ううん……違っていることといえば、お酒の種類が増えたことぐらいですかね……?これまではクローナ・ディアで作ったお酒だけでしたが、今年は輸入したものも使っていました」
管理局担当者「ローレライの涙というお酒ですね。これはラ・ヴィス経由で輸入されたブリージアのお酒でして。去年までは使っていませんでした」
ジョルティ「ちゃんぽんしまくってたパワーとクライブさんは問題外として、酒の種類か…?」
ノーティ「そのお酒及び混ざった時の効能に何か異変があったり……?」
管理局担当者「ですかね…?ちょっと一本調べてみることにします。一旦提供を止めるように言っておきますね」
ジョルティ「それがいいな」
ノーティ「この事件については我々も深追いしない方が吉かな……」
管理局担当者「とりあえず、今日の終わりまでは暫く見回りを残しておくことにします。ご協力感謝します」
ノーティ「こういったことは現地の人たちが詳しいでしょう」
ジョルティ「ここが産地ってなら話は別だけど、別の町から来たってならお手上げだな」


その後、管理局によってローレライの涙の提供が一時差止になりました。その効果かどうかは定かではしりませんが、その後、大きな喧嘩が起こることはありませんでした。


前夜祭の夜はこうして更けていきます−−夜遅くまで、街は眠ることはありませんでした。


ジョルティ「ノーティ、アーミルちゃんの連絡先聞いとかなくて平気?」
ノーティ「アミールさん、ね……」

彼らもまた、街の中で少し遅くまで過ごし、宿へと戻ったのでした。

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こちらは、2016/9/2に行ったオンラインセッションのリプレイです。トリシアのPLがいないということで、都市移動はせずにもう少し大都市を堪能する、といった形でお祭りシナリオとなりました。
……が、私もPLも皆お祭りのイメージが完全に縁日で固定されているため、なんだか見覚えのある前夜祭になってしまいました。……この症状は翌日の本祭にも発生することになります。
さて、そんな本祭については、もう暫くお待ち下さい。

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【参考サイト】
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