おはようございます、竜の君。段々と夏も終わりが近付いて来て、過ごしやすい季節になってきましたね。
最近は砂漠やら何やらと、随分暑い場所にいましたので、旅物語を読みに帰ってくるこの時が一番快適かも知れません。
さて、それでは今回は「武闘大会」に参加した彼らの物語をお聞かせしましょう--
第十二話「焦血の坩堝」
数名酔いつぶれながらも、何とか宿にたどり着いてたどり着いた彼らでしたが、ちゃんと翌日の朝には目を覚ましました。……唯一ノーティだけは目を覚ましませんでした。思い切り潰れていたのでまあ、仕方がないでしょうか……。(PL不参加)
~夏の月 19日~
〈コンディションチェック〉
パワー:8
クライブ:10(絶好調)
ティエ:9
トリシア:8
ジョルティ:12(絶好調)
あれだけ飲み放題していたクライブの体調が良さそうなのがどことなく納得行きませんが、まあ、そういう体質だということにしておきましょう……。
ジョルティ「今日はイベントとか何かあるんかー」
ティエ「明日あるってのは覚えてる」
ティエ「その参加締め切りは今日まで」
ティエ「闘技大会の参加登録ってどこですればいいんですかね?」
トリシア「闘技場イケバイインジャナイカナー」
ティエ「あー 闘技場ですか。 トラウマがなー」
トリシア「がなー」
彼らがそんな話をしていると、突然パワーが立ち上がりました。
パワー「砂漠に咲く花を探してきます。 探さないでください」
〈薬草取り〉
パワー:13(黒ガラン瓜入手)
パワー「のーていいいいいいい草とれたあああああうおおおお!!」
パワー「この草 くせぇ!!!」
パワー「草だけに!!」
程なくしてパワーは手にハーブを持って返ってきました。そして、二日酔いで倒れているであろうノーティの部屋に突撃し、あまり良くない臭いを放つそれを彼のハーブボトルに突っ込んできたようです。
ティエ「まあ、とりあえず闘技場に行きましょうか」
トリシア「ついてくー」
彼らは闘技大会への参加申し込みをするために、闘技場に向かうことにしたようです。まだ急ぐ時間ではないということで、馬車は使わず2時間ほど掛けて徒歩で向かって行きました。
闘技場に到着したのは9時半頃で、闘技場内はすでにそこそこの人が集まっていました。賭け闘技大会の賭け札窓口がもう開いているようです。
ティエ「おはようございます。季節大会の参加登録はここでいいですか?」
受付「どうも、こんにちは。ええ、こちらでできますよ」
ティエ「ではお願いします」
受付「それでは、こちらに必要事項をご記入下さい」
受付の担当者がティエに申し込み用紙を渡しました。申込用紙にはチーム名や参加者名を書く欄が用意されています。
ジョルティ「観客用の弁当とか無いの?」
ジョルティ「あと参加したら選手に弁当とか出る?」
受付「決勝まで残られた方には出ます!」
ジョルティ「参加賞じゃねーのかよそこは!!」
受付「参加費無料なものですから、そうすると食事目当ての人で溢れてしまいますので」
ジョルティ「あ、無料なんだ」
ジョルティ「で、売ってる方は?旨い弁当ないの?」
アリア:闘技場受付「もちろん売っているものであればございます」
ジョルティ「じゃあ一つください」
受付「あ、いえ、こちらで売っているわけではなく。あちらの売店で売っておりますので」
ジョルティ「ティエ参加申請しといて売店行って来るわ!!」
ティエ「はいはい」
パワー「名前が上手く書けない!」
ティエがジョルティの分も名前を書き、後は用紙を回して一人ひとり名前を書いていきます。ジョルティは売店に向かってお弁当を購入し、早速食べ始めていました。
ティエ「集合!チーム名どうしましょう?」
トリシア(アフロに咲く一輪の花チーム…)
ティエ(それいいな)
ティエ「まあ、適当に決めて書いておきましょう」
ティエはサラサラとチーム名の欄に「チームアフロ」と書き込みました。それで良いんですね……?
ティエ「これでお願いします」
受付「それでは、出場を登録致しました。明日、9時頃に闘技場正門前にお越し下さい」
受付「皆様のご健闘をお祈りしております」
こうして、明日の季節闘技大会への参加登録が終わりました。その頃、ちょうど闘技場では賭け闘技の一回戦が始まろうとしていました。
ティエ「今日はこの後もうやることありませんが……自由時間で良いですかね」
トリシア「良いんじゃない?」
ティエ「賭け闘技が始まりそうですけど、どうしましょうか……」
トリシア「ドウシヨウカナー」
トリシア「昨日いっぱいマケタシナー」
ジョルティ「明日の景気付けにいっとくかー」
トリシア「なんか怖いから図書館行ってくる」
パワー「全財産賭けるぞ!」
結局、トリシアは賭けには参加せずに図書館に向かい、クライブは観戦はするものの賭けには参加しないことにしたようです。他の三人が、賭け札の購入に向かいました。
【賭け闘技場のルール】
賭け闘技場では、A~Fまでの6チームの内、1チームに賭けることができます。
A~Fチームはそれぞれ実力差と人気差があり、勝率と倍率に違いがあります。
賭け金は端数が出なければ制限はなく、1日3試合行われます。
パワー「Aに500G!」
ジョルティ「Cに500G」
ティエ「あ、あの、ルール分かってます?」
ジョルティ「わかってない!」
パワー「50倍だぞ!Aが一番に決まってるぞ!」
ティエ「ま、まあ自分のお金なら止めませんけども……Fに1000Gで」
【第一試合】
そうそう昨日のようなどんでん返しが起こったりはしません。順当にFチームが勝ち進み、危なげなく勝利を収めました。
司会「Fチームの勝利!1.2倍返し!」
パワー「おしかったなー」
ジョルティ「おう、胴元に殴りこみに行こう」
クライブ「いや、順当だろ…」
ティエ「1200になったー」
ティエ「引き続きFに1000G」
ジョルティ「負けを取り返す!Aに200G」
パワー「使い切る!Aに60G!」
ティエ「ええ……」
マーチャントとして経済観念に優れたティエは二人の賭け方に明らかに引いていました。いや、マーチャントではない私からみても、その、破滅願望でもあるように見えましたが……。
【第二試合】
今回は先程の試合に比べると少々もつれたようでした。しかし、最終的にはFチームが差し切り、勝利を収めました。
受付「F勝利!1.2倍返し!」
ティエ(400モウケター)
ジョルティ「くっそ!運営許さん!」
パワー「もうお金がないぞ!」
クライブ「自滅じゃないか…」
ティエ「前回のこともあるので……最後はFに500Gで」
ジョルティ「小銭落ちてないかな」
【第三試合】
Fチームは先程の試合で兜の緒を締めなおしたのでしょうか、今度は怒涛の勢いで、向かう所敵なしという様子でした。危なげなく、Fチームが勝利を収めました。
司会「F勝利!1.2倍返し!」
ティエ(今回は事故もなく、500の儲け、と)
ティエ「あー 安定志向でよかったぁー」
司会「本日の賭け闘技はこれにて閉幕!ちなみに、Fチームは明日の季節闘技大会にも”フォース・クローナ”として出場されます!どうぞ明日のご声援もよろしくお願いします!」
ジョルティ「Fだけとか完全に操作されてるなーブーブー」
ジョルティ「Fチームは運営の犬、明日ぶっ潰す。俺顔オボエタ!!」
クライブ「操作してFが勝ってるんじゃ運営も儲けないだろ…」
言いがかりも甚だしいノーブルがいたものです。
さて、三人が賭けに興じている頃、トリシアは図書館で本を探していました。どうやら、料理の本や野営の本が目当てのようです。
〈本探し:敏捷+知力〉
トリシア:9
トリシアはそれほど迷うこともなく、蔵書から二冊の本を見つけて読書用の机へと持って行きました。
【『旅で楽しむ美味しい料理大全』 ライル・ディルナール著】
『旅で楽しむ美味しい料理大全』旅での料理はどうしても食材に乏しく、美味しい料理を作るのが難しいと思っていませんか?
確かに食材は行きあたりばったりなものになってしまいがちですが、「調味料」を上手く扱うことによって何倍にも美味しい料理を作ることができます。
例えば南の町、リーテでは多数のハーブを組み合わせた香辛料を利用し、どうしても生臭くなってしまいがちな肉や魚の料理を美味しくする工夫がされています。このように、旅の途上でもハーブなどを使いながら、味を工夫することで素材の味だけではない味の楽しみ方ができるでしょう。以下に、幾つかのレシピを紹介しておきます。
(下略)
トリシア「調味料ねえ……とりあえず、リーテの場所は覚えておこう。そんなに遠くないかな?」
トリシアは料理の本をささっと飛ばし読みしました。リーテはクローナ・ディアから東にある大河沿いの町のようです。遠からずして、行くことになるかもしれませんね。
トリシア「さて、次」
【『目指せキャンプマスター!旅の成功は野営の成功にあり!』 ビビット・ルーンバーグ著】
良い旅を楽しむためには、夜を安全に、快適に過ごせなければなりません!そのためには何が必要か?やはり適切な道具こそが欠かせないのです!市販のテントも1つ2つ手を加えることによって、より使いやすいテントにすることが出来ます。ここではそのコツをお教えします!
(下略)
トリシア「テントに手を……なるほどねえ」
トリシアはページを捲りながら、テントの改造について考えているようでした。もしかすると、次の旅の時にはより良いテントができているかもしれませんね。
トリシア「ま、こんなもんかな。2時間ぐらい経ったかー」
トリシアは読み終わった本を元の場所に戻し、図書館を後にしました。それから、歩いて商業街の方へと向かっていきます。商業街では、なにやら買い物をしているクライブとティエの姿がありました。
トリシア「壊れた高品質ライトアーマーなんか売ってませんかね」
クライブ「鎧か…まあ、気休めにはなるだろう」
防具屋「ああ、ちょうど下取りしたものがあるが……こんなものでいいか?」
トリシア「ついでに銀インゴットとかちょこちょこないっすかね」
防具屋「銀はウチにはないな。材料屋に行けば有ると思うぜ?」
トリシア「そっかー。じゃあその壊れた鎧は買うね」
防具屋「まいどあり」
トリシアは壊れた高品質な鎧を購入し、その足で材料店へと向かいました。様々な鉱石などが並んでいます。石炭もここで売られているようですね。
トリシア「銀インゴットとかない?」
材料屋「銀鉱石ならございますよ。炭鉱の副産物として多少取れますもので。使いみちが少ないので廉価で良いですよ」
トリシア「買っていきます」
材料屋「まいどありー」
トリシアは壊れた鎧と銀鉱石を抱えて、加工場へ向かいました。そこで、銀を使いながら鎧の修理をするようです。
〈修理〉
トリシア:18
トリシアは手際よく修理を行い、”銀の中古の高品質ライトアーマー”が完成しました。……どういう状態のものなのか、ちょっと想像しにくいかと思いますが……基本的には普通の鎧と遜色ない出来でしたよ。
ティエ「さてと、今日はこんな所ですかね。美味しいご飯でも食べに行きます?」
ジョルティ「はい、ティエがいまいい事言いました」
ジョルティ「ティエ、お前闘技場でだいぶ勝ってたよなぁ!?」
ティエ「二日合わせてマイナスですよ……」
ティエ「むしろ兄さん達チケットとってましたよね?」
ジョルティ「ああ、そういやパワーさんあれ持ってるじゃん」
トリシア「そういや私もホテルのチケットもらったっけ」
パワー「飯だ!」
クライブ「話が通じてるのか怪しい」
そうして、彼らは昨日の大食い大会でパワーが獲得した「パレス・クローナの食事券」使うことにしたようです。パレス・クローナは宿泊街にあるレストランで、街の風景を一望することが出来る美しいお店でした。
料理もこれまでに見たことがないような豪華なものが饗されます。究極の御馳走と呼ぶに相応しい料理を彼らは存分に楽しみました。
ジョルティ「海千山千古今東西の珍味、そして地域ごとの特産食材もさることながら、この食材に合わせた絶妙な調理の仕方!!ううううううううううまあああああああああああああいいいいいいいいいいいぞおおおおおおおおおおおおおおまるで細胞の一つ一つが喜んでいるようだ!!」
ウェイター「他のお客様もおりますので……」
……この料理で竜を食べることは忘れてくれないものですかねぇ……。
ジョルティ「でも、竜肉はないんすねぇ……やはり自分で狩るしか……」
……まあそう上手くは行きませんよねぇ……。ちぇっ。
食事を終えてレストランを後にすると、今度はトリシアが飲み比べ大会で獲得した「ホテル・ジェミニ」のチケットを使うために、そちらに移動しました。こちらも一般的な宿よりもかなりグレードが高く、居心地の良い部屋となっていました。
……そんな居心地の良い部屋で、ティエはミノーンビバークの魔法を皆に使っていました。結局、ふわふわなベッドを使うこともなくぶら下がって眠っていました。……本当に、本当にそっちの方が寝心地が良いのでしょうか……。まあ、ありがたく私がベッドで寝ましたけれども……。
そうして翌日、闘技大会当日の朝を迎えました。
~夏の月20日~
〈コンディションチェック〉
〈コンディションチェック〉
パワー:11(絶好調)
クライブ:14(絶好調)
ティエ:13(絶好調)
トリシア:12(絶好調)
ジョルティ:10(絶好調)
パワー「うおおおお薬草を取ってくるぞぉぉぉぉ!」
〈薬草取り:砂漠:目標12〉
パワー:5(失敗)
パワー「砂うめえ!!」
……という感じで、彼らは時間に合わせて闘技場に向かうことにしました。闘技場にはすでに他の参加者達が集まっている様子です。
ティエ「あ あれFチームじゃないですか!?」
トリシア「私の3000Gを亡き者にした奴らか!」
……勝っても負けても敵愾心を向けられるチームFの方々も大変ですね……。
チームF 1「僕達のファンかな?」
チームF 2「いやはやそこそこ有名だからね」
チームF 3「ハッハッハッハ」
……いや、別に同情はしなくて良さそうですね。
受付「参加者の皆様、お集まり頂きありがとうございます。まずはくじ引きで組み合わせを決定致します!」
受付「代表者の方はくじを引いて下さい!」
ティエ「アフロさんおねがいします」
ジョルティ「アフロさんFと当たるようにしてくれよ」
〈くじ引き:6面ダイス〉
パワー:6
受付「組み合わせが決定しました!」
パワー「勝ったな」
ティエ「何に……!?」
ジョルティ「アラン・ウェイクに話つけて変わってもらおう」
クライブ「どれだけ恨んでるんだ……」
受付「それでは、皆様時間まで待合室でお待ち下さい!第一試合は2時間後になります!」
トーナメント表の張り出しが終わり、参加者は皆待合室へと通されました。待合室は試合会場が見える窓がある部屋で、そこから大会の様子を伺うことができるようになっています。
とりあえず、第一試合が始まる2時間後まで、じっとしていることにしたようでした。そして--
司会者「レディースアンドジェントルマン!皆様お待たせしました!巻き上がる熱砂、照りつける太陽、それよりもずっと熱いのが今このクローナ・ディア・アリーナです!」
会場の中心で司会者が叫ぶと、観客席から大きな歓声が上がります。ほとんどの観客が立ち上がっており、その数は賭け闘技大会の時を遥かに上回っているようでした。
司会者「今年も各所から猛者が集まってくれました!前回優勝のシュヴァリエ・ルージュ!賭け闘技でお馴染みのフォース・クローナ!その他にも猛者ばかりが集結しております!」
司会者「それでは、早速参りましょう!今年の第一試合は、今回唯一、1人で参加登録をした勇者!アラン・ウェイク!!!VS闘技場の華!フォース・クローナだ!!!」
【闘技場予選ルール】
各チームのチームメンバーは、自分の能力値で最も高い数値でダイスを振ります。
ダイスの合計値がチームの点数となり、その点数を比較して高い方が勝利となります。
【一回戦第一試合】
アラン・ウェイクVSフォース・クローナ
アラン・ウェイク:1
フォース・クローナ:8
ジョルティ「なんであれで参加しようと思ったんだよ…」
司会者「やはり1人での参加は蛮勇だったかぁー!?フォースクローナ、悠々と第一試合を突破したぞぉ!」
司会者「次は第二試合!彼らは誰なのか?素性も何もみな不明!分かっているのはその髪型だけ!チームアフロォォォ! VS! ハンター稼業で鍛えた体は伊達じゃない!狩れるのは動物だけじゃないぞ!バンディアース!!」
ティエ「つつつつつ次の番ですよ」
クライブ「緊張しすぎだ」
トリシア「何とかなるなる」
ジョルティ「狩人仲間じゃん!」
【一回戦第二試合】
チームアフロVSバンディアス
チームアフロ:49
バンディアス:8
流石というか何というか、彼らは機敏かつ大胆な動きで試合を進めていきました。特別なことをするでもなく、基礎的な戦闘能力だけでバンディアスを下したように見えました。
司会者「何だこの強さは!!ダークホースここにありか!?素晴らしい実力を見せたチームアフロ、第一回戦を突破だぁ!」
クライブ「ま、こんなものか」
ジョルティ「弓は前衛で使うものだぞ」
試合を終えて、再び待合室に戻り、その後の試合の様子を見続けます。
司会者「この町の動力は俺達が支えている!炭鉱で鍛えた体は不屈の一言!ガルダ・フロンティアアアアズ!VS!美しいバラには棘がある!砂漠に咲くバラならなおさらだぁ!アンビシャス・ローズ!!」
【一回戦第三試合】
ガルダ・フロンティアーズVSアンビシャス・ローズ
ガルダ・フロンティアーズ:10
アンビシャス・ローズ:15
司会者「バラの棘には毒があるのか!!屈強な男たちを打ち破り、アンビシャス・ローズ第二回戦へ進出だぁ!!」
ティエ「初めて接戦でしたね」
クライブ「しかし、あまり強くはないな……」
彼らがこれまで戦ってきた相手を考えると、確かに闘技大会に出ている者達の動きはそれほど洗練されているわけではないようでした。
司会者「第一回戦もこれで最後!旅は初心者でも戦いはどうかな!?その実力を見せてやれ、クラン・ノーヴィス!!!VS真打は遅れて現れる、今回人気ナンバーワン!!!前回優勝、シュヴァリエ・ルージュがまた来てくれたぞ!!」
【一回戦第四試合】
クラン・ノーヴィスVSシュヴァリエ・ルージュ
クラン・ノーヴィス:13
シュヴァリエ・ルージュ:37
司会者「試合には負けたが大健闘!負けて悔い無し!!シュヴァリエルージュ、やはりここでは負けない!!」
クライブ「む……多少はできる奴らがいるようだな」
ジョルティ「でも、初心者チームも前回優勝者相手に大分がんばったな」
クライブ「うむ……だが、温存している可能性もある」
司会者「これにて第一回戦を終了します!第二回戦までに小休憩をはさみます!現在のトーナメント表はロビーでご確認下さい!」
ティエ「分かってはいますけど、一応見てきますね」
ここまでの試合を見たところ……彼らの相手となりうるのは、第四試合を勝ち抜いた「シュヴァリエ・ルージュ」だけでしょう。少々興味があるので、休憩の時間で彼らの待合室の方に顔を出してみることにしました。彼らの待合室は、我々の待合室とは逆サイドにありました。
待合室にはいると、男性女性がそれぞれ2人おりました。
最年長に見える色黒の男性は顔に赤い刺青の入った女性と窓際でアリーナの方を見ながら談笑しています。
若くゴーグルをした男性はソファで寝転がり、最年少と思われる眼鏡をした女性は何か本を読んでいるようでした。
私の旅人達程ではないものの、かなりバリエーション豊かな人達のようだと感じました。そして、やはり他の者達とは違うような、戦い慣れた体つきをしているようにも見えました。なるほど、これは苦戦するかもしれない、と彼らを見ながら思っていると……
「おい」と背後から声がしました。私に話しかけているはずはないので一度目は気にしませんでしたが、そのままでいるともう一度同じ様に声がします。どうかしたのかと思って背後を振り返ると--
紅い短髪を逆立たせ、銀色の鎧を纏い、大きな槍を背に担いだ男性がそこに立っていました。目線は明らかにこちらの方を向いており、私に声をかけているとしか思えません。……はて?見えていないはずなのですが……恐る恐る返事をしてみることにしました。
「もしかして、私に話しかけていますか?」
すると、その男は頷き、「他に誰がいるのか」、と言います。あ、あれ?何故見えているのでしょうか?と少し戸惑いましたが……よく見るとその理由は明白でした。男の頭には、角があったのですから。
「ああ!もしかして、彼ら付きの竜人の方ですか。これは失礼しました、私はアリア、他のチームの旅人を見守っている緑の竜人です」
そう名乗ると、紅竜人の彼も「ラグナ」と名乗りました。話によると、彼も先ほどの試合を見ていて、相手になるのが私の旅人達だけだと思い、そちらを見に行っていたようです。
聞くに、紅竜人とその旅人達は、元々は東の果てにある街で軍人をしていたのだとか。何がしかの事情があり、皆で旅にでることにしたようです。その途上で立ち寄ったクローナ・ディアで、色々と調べ物をするために滞在しており、そのついでで春、夏と季節闘技大会に出場することにしたのだとか。
前回大会では圧倒的な力を見せて勝利を収めたと言います。ここで、「お互いの竜人は手を出さない」ことを約束し、私は戻ることにしました。なるほど、彼らも竜人付きとなれば、私の旅人達も苦戦することでしょう。良い試合になれば、お互いに大きな経験になるかも知れませんね。
そして時間は過ぎ、二回戦が始まりました。
司会者「第二回戦を開始します!第二回戦・第一試合はフォースクローナVSチームアフロ!」
ティエ「行きましょう」
ジョルティ「チームFか!あいつら絶対にゆるさんぞ!」
トリシア「3000Gの恨み!」
完全に八つ当たりの感がありますが、まあ、多分負けないでしょう……。
【二回戦第一試合】
フォースクローナVSアフロ
チームアフロ:39
フォース・クローナ:10
……予想通りというか何というか、彼らにとっては敵ではなかったようです。
司会者「やはり強い!やはり強いが何者なのか!?闘技場の華、フォース・クローナ手も足も出ない!!バラエティ豊かな戦士たちは第二回戦も悠々と抜けていったぁぁぁ!」
……何者なのかは正直私もまだよく分からないです。
司会者「第2回戦第2試合は美しいバラの棘!アンビシャス・ローズVS前回優勝シュヴァリエ・ルージュ!」
司会者の声と共に、先程待合室で見た面々が入ってきました。色黒の男・アルバは大鎧を纏い槍を持ち、刺青の女性・ローナは短剣を持ち、ゴーグルの男・ガルシャは剣と盾を持ち、眼鏡の女性・アミールは杖と呪文書を持っています。ラグナさんの姿はなかったため、恐らく待合室から見ているのでしょう。
【二回戦第二試合】
アンビシャス・ローズVSシュヴァリエ・ルージュ
アンビシャス・ローズ:12
シュヴァリエ・ルージュ:21
彼らは少々力を抜いているように見えました。ともすれば、決勝で当たる我々のために温存をしているのかも知れません。お互い、相手となるのはお互いだけ、と認識しているとすれば、負けられませんね。
司会者「やはり見せてくれた!シュヴァリエルージュ、赤い薔薇より尚赤い……!決勝進出だァ!」
司会者「決勝戦の前に一旦休憩をはさみます!夕方5時から、決勝戦を始めます!」
こうして、予選は終了し、残す所は決勝のみとなりました。
ジョルティ「ロケ弁!!じゃなくて弁当!!」
ティエ「わーい おひるごはんだー」
パワー「うまい!ハーブぐらいうまい!」
それから、決勝までにはおおよそ3時間程の時間がありましたが、彼らは特別なことをするでもなく、ゆっくりとその時間を過ごしました。私ももう一度ラグナさんの所に話をしに行こうかと思いましたが、やめておくことにしてその部屋で過ごしました。
そして3時間後……緑紅双方の旅人達がアリーナへと呼びだされます。
司会者「皆様お待たせしました!夏季大会もついに決勝戦!前回優勝のシュヴァリエ・ルージュを謎の旅人達チームアフロは破る事ができるのか!?」
ジョルティ「おう、なんだやんのかおら?」
アルバ「……どこの国の挨拶だ?まあいい、存分にやりあおうじゃないか」
クライブ「そうだな、お互い遠慮は無用といこうか」
ジョルティ「存分?言ったな?」
アルバ「ああ、存分だ。手加減は無用、こっちも手加減はせん」
【決勝戦】
アリーナは十分な広さがあり、横にも縦にも存分に拡がって戦うことができそうです。戦闘の邪魔になりそうなものもありません。実力と実力がぶつかり合うことになるでしょう。
〈ラウンド1〉
クライブ「さて、とりあえずは相手の具合を見るか……」
【クライブ】
〈知見→ローナ〉
6(成功)
〈攻撃→ガルシャ〉
命中判定:8(失敗)
ガルシャ「ヒュウ!盾がなかったら危なかったぜ!」
クライブ「ちっ…硬いな」
【ジョルティ】
〈知見→アミール〉
6(失敗)
〈春魔法「スプラウト」→ジョルティ〉
発動判定:3(成功)
(敏捷が6ターンの間20に上昇)
ジョルティ「成功!俺の必殺技を見せてやる!」
ジョルティが何故魔法を学んでいるのかと思っていましたが……なるほど、このためだったのですね。
【ローナ】
ローナ「ふふ……お見せしましょう!我が秘術!見えないと思いますけれど!」
〈冬魔法「アブソリュート・ゼロ・クロック」→ローナ〉
発動判定:Critical
効果量:3ラウンド
ローナ「時よ凍り付け!」
ローナが短剣を持っていない方の手でパチンと指を鳴らしました。すると、途端に周囲の空気が凍りつくように動きを止めていきます。これは……時間を止める魔法です!止まった時の中では、術者以外は動くことができません。ただし、術者も魔法以外は使うことができないのですが……。
〈ラウンド2〉
【ローナ】
〈呪文魔法「ハヤブサ」→ガルシャ〉
発動判定:12(成功)
〈ラウンド3〉
【ローナ】
〈呪文魔法「ハヤブサ」→ローナ〉
発動判定:14(成功)
〈ラウンド4〉
ローナ「再び時は動き出す!」
ジョルティ「え?何か相手二人凄い動き良くなってない?」
ティエ「何か悪いことが起きている気がします……!」
ローナ「ふふ、面白いことが起こったのよ」
ティエ「なんとかしなければ!」
【ティエ】
〈秋魔法「グレイトフル・スケアクロウ」→前衛〉
発動判定:21(成功)
ティエの魔法により、どこかで見た覚えのあるカカシが前衛に召喚されました。ユニコーンハンター達が使っていた攻撃を吸い寄せる魔法ですが……その確率は半々と言った所なのでどの程度信用できるかは疑問があります。
【パワー】
〈攻撃→ガルシャ〉
命中判定:12
ダメージ:4(防護2)
パワー「うおー!」
ガルシャ「痛……くもない!」
【アルバ】
アルバ「誰もこっちを殴らないか…!こっちを見ろ!!」
〈防御〉
防護+1
庇うことが可能に
【アミール】
アミール「我々の本気を見せましょう!」
〈春魔法「スプラウト」→ガルシャ〉
発動判定:8(成功)
(体力が20に上昇)
【トリシア】
〈知見→アルバ〉
4(失敗)
〈様子見〉
11(イニシアチブ上昇)
【ガルシャ】
ガルシャ「さっきはやってくれたな!お返しだぜ!」
〈攻撃→パワー〉
命中判定:26
カカシ回避:2(失敗)
〈ハヤブサによる2回攻撃→パワー〉
命中判定:13
カカシ回避:1(失敗)
ガルシャ「チィッ なんだこのカカシ!?」
ジョルティ「なにあのカカシしゅごい」
トリシア「お稽古ですか?」
パワー「フン、ザコが」
ガルシャ「くっそ!」
〈ラウンド5〉
【クライブ】
〈知見→アミール〉
10(成功)
クライブ「見たところ、一番体力が低そうだな……」
〈攻撃→アミール〉
アルバ「待て!まずは俺が相手だ!」
クライブがアミールに攻撃をしようとすると、その間にアルバが割り込みました。
クライブ「ハッ!そっ首叩き落してくれる!!」
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:庇うよにり自動命中
ダメージ:0(防護4)
クライブの攻撃はアルバの大きく厚い鎧に弾かれ、損傷を与えることはできませんでした。
クライブ「ちっ…やはり硬いな…面倒な」
【ジョルティ】
〈知見→アルバ〉
11(成功)
ジョルティ「硬そう」
アルバ「貫いてみろ!」
ジョルティ「おっけー!でも後回しね!」
アルバ「!?」
〈攻撃→ガルシャ〉
命中判定:26
ダメージ:14(防護2)
ジョルティ「ズキュウウウウウウウウウン!!」
ガルシャ「うぉぉぉぉ!?やるなぁお前も!!」
ジョルティの矢はスプラウトの力もあり、極めて勢いが強まっていました。ガルシャに大きな傷を負わせています!
【ローナ】
ローナ「怖い怖い。私も自分の仕事をしなくっちゃね!」
〈攻撃→クライブ〉
命中判定:9(失敗)
〈ハヤブサによる2回攻撃→クライブ〉
命中判定:9(失敗)
クライブ「はぁっ!甘い甘い!」
ローナ「あれぇ!?おかしいなあ?」
ジョルティ「動きめっさ早いけど、完全に振り回されてるな」
【ティエ】
〈知見→ガルシャ〉
12(失敗)
〈火竜の歌:体力を消費する代わりに同エリアの味方の攻撃力を増強〉
16(成功)
アミール「歌……?」
ローナ「なんの歌かしら……?」
【トリシア】
〈知見→ガルシャ〉
10(失敗)
〈攻撃→アミール〉
命中判定:3(失敗)
トリシア「あるえー」
アミール「私でもそれぐらいなら避けられますよ!」
【パワー】
〈攻撃→ガルシャ〉
命中判定:14
ダメージ:4(防護2)
ガルシャ「案外速いな!!」
パワー「お前ちゃんとやらないとしんじゃうよ?」
【アルバ】
アルバ「已然守る!まずは俺を倒せ!」
〈防御〉
【アミール】
アミール「ガルシャさんが…ううん、どうしましょう…」
ガルシャ「俺のことは良い!」
アミール「分かりました、作戦通り行きます!」
〈春魔法「スプラウト」→ローナ〉
発動判定:14
(知力が20に上昇)
【ガルシャ】
ガルシャ「そろそろなんとかしなくちゃなあ!」
〈攻撃→パワー〉
命中判定:14
カカシ回避:2(失敗)
ガルシャ「またか!?」
ティエ(よしっ!)
ガルシャ「だれだこんなもの持ち込んだ奴!」
パワー「素振りなら家でやれよなー」
ガルシャ「畜生言いたい放題言いやがって!」
〈ハヤブサによる2回攻撃→パワー〉
命中判定:24
カカシ回避:3(成功)
ダメージ:4
ガルシャ「うおりゃあ!やっと通った!」
パワー「でも痛くないぞ!」
〈ラウンド6〉
【クライブ】
クライブ「さて…見えていないのは残り一人、あの不審者か」
〈知見→ガルシャ〉
10(失敗)
ガルシャ(さっきから皆に見られている気がする)
クライブ(実力が分からんな……まあいい、切り替えていくか)
〈攻撃→アミール〉
アルバ「まだそっちを狙うか!こっちを狙え!」
アルバが再び間に入り、クライブの攻撃を庇いました。
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:庇うにより自動命中
ダメージ:6(防護4)
アルバ「良い太刀筋だな!!」
【ジョルティ】
ジョルティ「よーし、おにいさん貫いちゃうぞー」
〈攻撃→ガルシャ〉
命中判定:7(失敗)
ガルシャ「あったら無いなあ!」
ジョルティ「まだ魔力運用がちょっと…」
【ローナ】
ローナ「私全く役に立ってないわ!頑張らないと…!」
〈攻撃→クライブ〉
命中判定:11(失敗)
〈ハヤブサによる2回攻撃→クライブ〉
命中判定:13(失敗)
ローナ「あ、あれぇ…?」
クライブ「はっは!いくら速かろうと振り回されてりゃ意味がないぞ!」
【ティエ】
〈知見→ガルシャ〉
5(失敗)
〈呪文魔法「シューティング・スター」→ローナ〉
命中判定:16
ダメージ:11
ローナ「あっついなあ!」
【トリシア】
〈知見→ガルシャ〉
13(成功)
トリシア「あいつ死にかけじゃない?」
〈攻撃→アミール〉
命中判定:7
ダメージ:10(防護1)
アルバ「アミール!」
アミール「くぅっ……!」
【パワー】
パワー「うおおおおお!!」
〈攻撃→ガルシャ〉
命中判定:19
ダメージ:13(防護2)
ガルシャ「うぉぉぉ!?」
ガルシャ「後は任せたァ!」
アルバ「くっ……ガルシャ!!ええい!打って出る!」
ガルシャがパワーの一撃に倒れ、これまで防御一辺倒だったアルバが前進しました。
【アルバ】
〈攻撃→パワー〉
命中判定:12
カカシ回避:2(失敗)
アルバ「ええい!鬱陶しい!」
ティエ(イエス!イエス!)
【アミール】
アミール「私も打って出ます!」
〈春魔法「カグヤ・レイランス」→ジョルティ〉
命中判定:15
カカシ回避:1(失敗)
アミール「カカシが魔法を吸った!?」
〈ラウンド7〉
【クライブ】
クライブ「さて…ここは潰せるところから潰していく…!」
〈攻撃→アミール〉
命中判定:19
ダメージ:6(防護1)
クライブ「ぜいやぁ!」
アミール「くっ…!」
アルバ「アミール……!」
【ジョルティ】
ジョルティ「次はアルバさんの番だよぉー」
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:11
ダメージ:0(防護3)
アルバ「効かないなぁ!」
ジョルティ「魔力が切れたああああああああああああああ!!」
【ローナ】
ローナ「ええーい!そろそろ当たって!」
〈攻撃→クライブ〉
命中判定:24
カカシ回避:4(成功)
ダメージ:4(防護1)
〈ハヤブサによる2回攻撃→クライブ〉
命中判定:16
カカシ回避:2(失敗)
ローナ「チィ!一発目だけかっ!」
クライブ「はっ!いい攻撃だがまだまだ浅い!」
【ティエ】
〈呪文魔法「シューティング・スター」→ローナ〉
命中判定:9
ダメージ:4
ローナ「熱いなあ……!」
【トリシア】
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:9
ダメージ:0(防護3)
アルバ「鎧は信用できるな!」
【パワー】
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:7
ダメージ:6(防護3)
パワー「おりゃー」
アルバ「やるなデカいの!」
【アルバ】
アルバ「ならばお返しだ!」
〈攻撃→パワー〉
命中判定:5(失敗)
アルバ「っと、手が滑った!」
〈ラウンド8〉
【クライブ】
クライブ「堅実に潰してく…!」
〈攻撃→ローナ〉
命中判定:20
ダメージ:9(防護1)
ローナ「やるわね…!」
クライブ「ちっ…もう少しだったか…!」
【ジョルティ】
ジョルティ「こっちも試してみよう」
〈春魔法「カグヤ・レイランス」→ローナ〉
命中判定:10
ダメージ:3
ローナ「足元っ!?」
ローナは足元から飛び出した光る筍に貫かれ、その場に倒れました。
アルバ「ローナまでも……!くっ……!」
【ティエ】
ティエ「これならあの魔法がいける……!前に出ます!」
〈移動→前衛〉
ティエは、何か試したい魔法があるようですね。普段はあまり前衛に出ることがない彼が前に出ました。
【トリシア】
トリシア「なら様子見ー」
〈様子見〉
10(変化なし)
【パワー】
パワー「死にたいらしいな!」
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:17
ダメージ:6(防護3)
【アルバ】
アルバ「こっちからも行くぞ!」
〈攻撃→パワー〉
命中判定:13
カカシ回避:2(失敗)
アルバ「くっ……!邪魔だカカシ……!」
〈ラウンド9〉
【クライブ】
クライブ「…まあ、倒せるなら倒しにいっておくか」
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:8
ダメージ:1(防護3)
クライブ「あっさいなぁ…!」
【ジョルティ】
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:10
ダメージ:5(防護3)
【ティエ】
ティエ「よし……!いきます!」
〈秋魔法「ラィ」→アルバ〉
命中判定:18
ラィ……それは秋の持つ「植物を枯れさせる」力を応用した魔法です。その力は生物の生命力を大幅に奪い……途端に倒れる寸前にまで追い込むことができるのです!
(アルバのHPが1に変化)
アルバ「ぐぅ……!?何だ、力が入らんぞ……!」
【トリシア】
トリシア「最後はもらったー」
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:14
ダメージ:5
アルバ「無念……!」
〈戦闘終了〉
アルバが倒れた所で、季節闘技大会の決勝戦は終わりを告げました。シュヴァリエ・ルージュの遥か後方から、ラグナさんがこちらを見て微かに笑いました。
司会者「勝負あり…!!前回優勝、シュヴァリエ・ルージュはチームアフロの奇略に惑わされたか!!為す術がなく倒れたァ!」
司会者「第127回 クローナ・ディア季節闘技大会!優勝はチームアフロ!!」
司会者「ここで、優勝チームに話を聞いてみたいと思います!壇上へどうぞ!」
司会者に呼ばれ、彼らが表彰台へと上がりました。
ジョルティ「うぇーい!」
司会者「いやはや、素晴らしい作戦でした!シュヴァリエ・ルージュをあれほど簡単にいなしてしまうとは!強さの秘訣はなんでしょうか!」
ジョルティ「旅の経験ですかねぇ」
ティエ「みんなががんばってくれました!」
ティエ(カカシだよなあ)
クライブ(カカシだろうなあ…)
カカシでしょうねぇ……。
司会者「なるほど!やはり旅は素晴らしいものですね!」
司会者「それでは、優勝賞品の贈呈です!」
司会者「協賛のレンディル商会様から、特性の兜「グラディエーター・ヘルム」!」
司会者「さらに、副賞として4000Gを進呈致します!」
司会者「これにて、今季の季節闘技は終了となります!また秋にお会いしましょう!!」
【グラディエーター・ヘルム】
頭防具
敵フロントエリアに踏み込める
賞品を受け取り、闘技大会は終了しました。彼らは祝杯を上げるために、ジョルティが大食い大会で得たチケットを使うために、バル「クロン」へと向かったのでした。
第十二話「焦血の坩堝」 完
こうして、彼らは闘技大会で優勝したのでした。
紅竜人の方とも会えて、個人的にはなかなか楽しかったのですが……いえ、分かります、言いたいことは分かります。
ちょっとカカシが強すぎて全く緊張感がないというか……とは言え、我が竜の君は春の竜ですし、秋魔法に手は出せませんよね……。
リーズさんが秋の竜の担当だったはずなので……今度話を通しておこうかと思います。
【MVP:パワー】
こちらは、2016/8/28に行ったオンラインセッションのリプレイです。
シュヴァリエ・ルージュの面々は旅人作成ルールに則って作成しました。しかし、薄々感づいてはいたのですが……このゲーム、魔法をフル活用するととんでもなくバランスが吹っ飛んでしまいますね……。
ということで、以後はグレイトフル・スケアクロウを初めとして、あまりにもバランスが悪いものについては適宜六分儀修正を行うことにしました。
(ユニコーンハンター戦もあわせて、グレイトフル・スケアクロウの攻撃吸収率が8割近いのですが……?)
【六分儀:グレイトフル・スケアクロウの弱体化】
グレイトフル・スケアクロウは、単体を指定して使用する魔法に変更する。
以降、カカシはその対象に対する攻撃のみを庇う。
前列が1人しかいない場合、使用できない。
それでは、次回をお待ち下さい。
追記
闘技大会に出場していた「アラン・ウェイク」がXBOXのゲームに出てくるキャラ名とピッタリ一致している、とリプレイを読んだノーティのPLに指摘されました。……完全にマグレカブりです。その場のノリで名前を決めたのですが……。まあ、重要人物でもありませんので、改名は致しません。
【参考サイト】
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