兄と弟
レギュレーション:通常or戦国
時代設定:平安時代末期～鎌倉時代初期
シーン表:通常
PC数:4名
特記事項:対立するNPCがいるため、サブマスターがいると尚良い
タイプ:準協力型・シリアス寄り（？）
サイクル数:3サイクル
乱世において、血の繋がりは一種の呪いである。
治世を行う者はいつも、その座を脅かす者に怯えなければならない。自らの血族は、その中でも特に恐れるべき存在であった。
我が国においても、幾つもの「血族殺し」が歴史に登場する。跡継ぎ争いがその代表だが、そうではないものもあった。
源平合戦の後に起こった、源頼朝による実弟、義経の追討がその一つである。
史実に於いて－－義経は奥州に逃げ込み奥州藤原氏に一度は庇護を受けるも、結局は頼朝による圧力を受けた奥州藤原氏によって平泉に没した。
今回の物語は、義経の死の原因となった、頼朝による義経追討令から始まる。
血は、薄めても血の味がする。「兄と弟」であれば、尚の事。
乱世において、血の繋がりは一種の呪いである。
治世を行う者はいつも、その座を脅かす者に怯えなければならない。自らの血族は、その中でも特に恐れるべき存在であった。
我が国においても、幾つもの「血族殺し」が歴史に登場する。跡継ぎ争いがその代表だが、そうではないものもあった。
源平合戦の後に起こった、源頼朝による実弟、義経の追討がその一つである。
史実に於いて－－義経は奥州に逃げ込み奥州藤原氏に一度は庇護を受けるも、結局は頼朝による圧力を受けた奥州藤原氏によって平泉に没した。
今回の物語は、義経の死の原因となった、頼朝による義経追討令から始まる。
血は、薄めても血の味がする。「兄と弟」であれば、尚の事。
登場人物・プライズの情報
PC1
使命
貴方は、源頼朝から奥州藤原氏領に逃げ込んだ義経の討伐を依頼されている。義経を討伐することが使命である。
秘密
貴方は頼朝から依頼を受けたシノビである。
貴方の”本当の使命”は、手段を選ばず、義経の「存在を抹消」することである。
PC2
使命
貴方は、源頼朝から奥州藤原氏領に逃げ込んだ義経の討伐を依頼されている。義経を討伐することが使命である。
秘密
貴方は頼朝から依頼を受けたシノビである。
頼朝から、義経を国外に逃がすための船を用意されている。
貴方の”本当の使命”は、義経を国外へと逃がし、国内から「存在を抹消」することである。
プライズ”脱出船の符合”を頼朝に渡されている。
何らかの理由で国外へ逃亡させることが不可能になった場合、「義経を殺害すること」に使命が変更される。（功績点1）
プライズ:脱出船の符合
プライズ:脱出船の符合
効果
頼朝が義経の国外脱出用に用意した船を使用するために必要になる符合。
クライマックスフェイズ終了後にこのプライズの所有者と義経が生存している場合に使用を宣言することができる。
使用を宣言した場合、義経は国外に脱出し”存在が抹消”される。
PC3
使命
貴方は、源義経から自らを守ることを依頼されている。義経を守り抜くことが使命である。
秘密
貴方は本当は弁慶から依頼を受けたシノビである。
弁慶から、義経が妖魔であることを告げられている。その上で、完全に妖魔化する前であれば妖魔化を抑えることができるプライズ”鎮魔針”を渡されている。
貴方の”本当の使命”は、義経を完全に妖魔化させることなく、守り抜くことである。
義経が完全に妖魔化してしまった場合には、その最終的な原因を作った人物を倒すことが使命となる。（功績点1）
プライズ:鎮魔針
効果
妖魔化初期の相手に対して使用することによって、妖魔化の進行を抑える事ができる針。
沈静化の為には、間合３コスト１指定特技”針術”の攻撃忍法として、2回命中させる必要がある。
1回目の成功、あるいは命中しなかった場合、次プロット以降のPCはコスト１を支払うことで、このプライズを拾うことができる。（ラウンドを消費する必要はない）
2回目の成功をしたとき、妖魔は人間に戻って気絶し、その時点で戦闘から脱落する。（同じプロットの場合は行動後に脱落する）
このプライズの情報は、このプライズを取得した際に同時に取得される。効果の情報のみを受け渡す事もでき、情報共有も発生する。
PC4
使命
貴方は、源義経から自らを守ることを依頼されている。義経を守り抜くことが使命である。
秘密
貴方は義経から依頼を受けたシノビである。
義経から、義経が妖魔であることを告げられている。もし完全に妖魔化してしまった場合には、誰かを殺してしまう前に殺害することが”本当の使命”となる。
義経が完全に妖魔化していない場合は、表の使命「義経を守り抜くこと」が使命として維持される。
NPC:源頼朝
使命
義経を討伐し、自らの治世を完成させること
秘密
貴方は義経の尋常ならざる力を恐れている。
しかし、血を分けた弟でもあり、本当は殺したくはないとも思っている。
揺れ動く心から、PC1とPC2の２人のシノビに対してそれぞれ違った”本当の使命”を与えている。
NPC:源義経
使命
頼朝と和解し、頼朝の治世を見守ること
秘密
貴方は実は妖魔である。
深い怒りや悲しみに包まれた時、無意識の内に妖魔化してしまう。
妖魔化している間に義経が”奥義・不死身”を使用すると、”完全な妖魔”となる。
”完全な妖魔”となった場合、追加の特技と忍法を取得し、二度と人間の意識を取り戻すことはない。
NPC:弁慶
使命
義経を護り抜くこと
秘密
弁慶は義経の忠実な供であり、命に替えても義経を護るために行動する。
弁慶は義経が妖魔であり、制御できなくなることがあることを知っており、その為の対処法を誰かに与えている。
シナリオの流れ・マスターシーン
プロローグ
義経討伐組（PC1,2,頼朝)と、義経護衛組(PC3,4,義経,弁慶)は別々に導入を行います。
サイクル1においてはまだ合流していないため、別の組の相手に対して「シーン登場」の必要がある判定を行う事はできません。（情報判定はシーン登場の必要がないため、行うことができます）
逆に、頼朝のシーン登場はサイクル1の間にしか行うことかできませんので注意喚起をして下さい。
義経討伐組は鎌倉から奥州へ移動し、義経護衛組も奥州で立てこもります。
サイクル1終了後
義経討伐組と義経護衛組が同じ地域に入ります。
これ以降、全員に対してシーン登場の必要がある判定が行えるようになります。
ただし、頼朝は鎌倉に残っているため、シーン登場の必要がある判定を行うことは以降できません。
サイクル2終了後
義経護衛組が立てこもっている地に「奥州藤原氏に、義経討伐の圧力がかかっている」という報せがもたらされます。
義経は奥州藤原氏を通して頼朝に会談を申し込むも断られたと言っており、今後も交渉を続けるものの、いざという時には頼むというように頭を下げます。
サイクル3終了後
義経討伐組のことを奥州藤原氏が呼び出します。これから義経の襲撃を行うが、何か問題が起こるまでは後ろで控えているように告げます。
その後、奥州藤原氏が義経の立てこもっている場所に襲撃を行います。10人程の奥州藤原兵が押し寄せます。
弁慶はPC3,4に義経を連れて逃げるように言い、その場に残ります。義経とPC3,4はその場を離脱し、山奥の寺へと逃げ込みます。
クライマックスフェイズ
しばらく後、義経とPC3,4が逃げ込んだ場所へ、奥州藤原兵2人が襲撃に現れます。奥州藤原兵の1人は弁慶の首を持っています。
弁慶の死を目の当たりにした義経が、悲しみのあまり「妖魔化」し、そこに義経討伐組が踏み込んできて、戦闘開始となります。
義経は妖魔化して見境を失っているため、手当たり次第に攻撃します。生命力が0になった瞬間にに”奥義・不死身”を使用し、完全に妖魔化してしまいます。
完全に妖魔化した場合、義経は［言霊術］と［召喚術］の特技、及び［凶声］と［龍星群］の忍法を追加で取得し、妖術分野の生命力が回復します。
奥州藤原兵キャラクターシート
奥州藤原氏の軍勢は、義経を最優先で攻撃します。義経が鎮魔針によって戦闘脱落した場合、護衛組を優先して攻撃します。
彼らは「義経を殺害」するまで戦闘を継続します。鎮魔針による脱落では義経は死亡していないため、そのまま戦闘を継続し、「戦闘の勝者」を目指します。戦闘の勝者となった場合は、義経を殺害します。
サブマスターがいる場合は、奥州藤原兵の操作を頼むのが良いでしょう。そうでない場合は、奥州藤原兵の行動はランダムプロットとすることを推奨します。
なかなか無いとは思いますが、万が一NPCのみが戦闘に残る事態になった場合は、奥州藤原兵が負けたということで処理を省略して構いません。
ただし、戦闘に関してはある程度臨機応変に行って下さい。
エピローグ
義経が人間として生存している場合
義経は戦闘後に目を覚まします。
意思疎通を取ることができるため、後はお好みでどうぞ。(PC2の秘密上、PC2が生存していれば国外への逃亡を提案する形になるでしょう。それとなく誘導してあげて下さい）
この場合、全PCの使命が達成されたことになります。
完全に妖魔化した義経が死亡している場合
残念ながら、義経を守り抜くことはできませんでした。PC1,PC4以外の全員の使命は非達成となります。
完全に妖魔化した義経が生存している場合
使命の兼ね合い上、これは要するにPC全滅ENDです。完全に妖魔化した義経はPC達にトドメを刺すことはしませんが、奥州の地は解き放たれた彼によって甚大な被害を受けることになるでしょう。
……恐らくこの3パターンのいずれかになるかと思います。もし違ったパターンになった場合は、臨機応変に対応して下さい。
シナリオ作者から
こちらは、私が初めて作成した4人用のシノビガミシナリオです。
例によって例のごとく時代物になりました。きっと、今後もシノビガミのシナリオは時代物ばっかりになると思います。ただ、シリアスにやりきる必要はなく、シリアスな舞台でコミカルに楽しむのがシノビガミの魅力だと思っています。
実際、テストプレイの際には英国スパイと定年間近のオッサンと飛騨の工芸品が忍者をしていました。意味がわからない。
実際、テストプレイの際には英国スパイと定年間近のオッサンと飛騨の工芸品が忍者をしていました。意味がわからない。
一度、実際にテストプレイを行っています。その際に見つけた不具合などを修正してありますが、まだまだ不備があるかもしれません。
疑問点や感想など頂けると嬉しいです。
お察しの方も多いかと思いますが、「義経フビライハン説」をネタとしているシナリオです。
ちなみにテストプレイの際には、PC2が義経をポルトガルに逃したため、義経はポルトガルの英雄になりました。
それでは、ここのでお読み頂きありがとうございました！
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