竜の君、只今戻りました。今回はなかなか大変でした……。
早速ですが、まずは旅物語を。その後で、少し相談したいことがあります。
第三十一話「漆黒の光」
~春の月 10日~
ツェイドの東の森と山を抜けると、その先には広い密林が待っていました。鍛冶屋で書いてもらった地図でこの事は分かっていたものの、山から見る限り果てしなく続くような密林です。
木々にも雪が被っており、その日もまた雪が降っていました。
そして、朝起きると、また密林の中から大きな咆哮が聞こえました。苦しみを訴えるような咆哮に、ペガサスだけでなく、他の動物たちもどことなく落ち着きを奪われているように見えました。
ジョルティ「ぬ。密林かぁ…」
トリシア「降り続いてるねー」
ティエ「止まない」
トリシア「なんかおかしな事が起こってるんだろうね~」
〈コンディションチェック〉
パワー:10(絶好調)
クライブ:9
ティエ:7
ノーティ:19(絶好調)
トリシア:12(絶好調)
ジョルティ:11(絶好調)
ルー:11(絶好調)
〈春の竜の加護〉
クライブ:14(絶好調)
ティエ:13(絶好調)
竜の君の加護のお陰で、皆一様に体調は良さそうでした。
ルー「今日から密林ですね……迷っちゃいそうです」
【六分儀:彷徨ルール】
砂漠・密林などの迷いやすい地形で適用
移動チェックの前に代表者が2d6でダイスロールをし、これが達成値となる
方向チェックに失敗した場合には達成値が半分になる(切り上げ)
合計達成値が目標に達した時に到達となり、移動が完了する
また、ダイスの結果によってイベントが発生する
〈彷徨チェック:代表者2d6〉
パワー:
6
【似たような景色】
白い雪と木々に鎖された密林は、どこまで行っても同じ景色に見える。
翌日彷徨達成値:-1
ジョルティ「密林は風景が分かりづらいからなー」
ノーティ「とりあえず薬草でも取りますか」
〈薬草取り:密林:目標12+1〉
パワー:4(失敗)
ノーティ:4(失敗)
ノーティ「草生えてない」
パワー「草一つはえてません」
ティエ「木は生えてるのになぁ」
山ほどではないものの、やはり密林においても生態系に乱れが生じているようで、通常よりも薬草が見つけにくそうなのは間違いありませんでした。
〈移動チェック:雪の密林:15〉
パワー:3(失敗)
クライブ:20
ティエ:17
ノーティ:15
トリシア:15
ジョルティ:15
ルー:Fumble
ジョルティ「密林はヘビが潜んでいる可能性が高いゾ? 足を切らないようにちゃんと棒で…」
ジョルティ「ってルーちゃん傷だらけ!」
ルー「うう……歩きにくい……枝で足切った……」
ジョルティ「密林は得意だが、周りを気にして歩くのは初めてだからな…ルーちゃん、俺の後ろからおいで」
ルー「はい…付いていきます」
ティエ「とりあえず治そう」
ノーティ「回復しましょう、ルーさん」
ルー「お願いします……」
パワー「舐めておけば治るぞ」
……実際、パワーは移動で困憊してもティエよりも体力がありそうなのですが。
〈ノーティ:呪文魔法「キュア・タッチ」・春魔法「キュア・プラス・プラス」→ルー〉
発動判定:16
回復量:10
ルー「だいぶ良くなった…と思います。ありがとうございます」
ノーティ「ええ、では行きましょう」
〈方向チェック:雪の密林:目標15〉
ティエ:16(サポート成功)
ノーティ:28
方向チェック成功 達成値減少なし
ジョルティ「よし、じゃあ食料調達をしてこよう」
パワー「動物!肉をよこせ!」
ジョルティ「おるかなー? おっし、本気だすぞー」
〈ジョルティ:春魔法「スプラウト」→ジョルティ・敏捷〉
発動判定:5
〈狩猟チェック:密林:12+1〉
パワー:7(失敗)
ジョルティ:17(包丁捌き:美味しい食料5獲得)
パワー「動物なんているわけないだろ!」
ジョルティ「食料は動物ばかりじゃないぞ。……ほら、新芽があった」
ルー「おーこんな中でもみつかるんですね」
スプラウトを使って全力で臨んだ甲斐もあり、ジョルティはいくつか食料を見つけてきました。
〈野営チェック:雪の密林:目標15〉
ノーティ:13(サポート成功)
トリシア:20
<野営チェック(ルー):雪の密林:目標15〉
クライブ:17(サポート成功)
ルー:17
ルー「なんとかなりました」
ジョルティ「やるねぇ」
ティエ「やるもんだなー」
クライブ「まあそろそろ調子も出てきただろう」
ルー「雪だと調子が良いんですよねぇ、何ででしょう」
トリシア「続いてるからねー、慣れたんじゃない?」
ノーティ「しかしこの環境が暫く続くとなると大変ですね」
ジョルティ「なんつーか、地形もそうだけど不自然な気候よな」
ルー「本当に、そろそろ春が来てくれないと…」
……本当に。しかし、昨日から聞こえる彼の咆哮は、この冬の問題と何か関係があるのでしょうか?
~春の月 11日~
〈コンディションチェック〉
パワー:9
クライブ:13(絶好調)
ティエ:10(絶好調)
ノーティ:9
トリシア:11(絶好調)
ジョルティ:12(絶好調)
ルー:13(絶好調)
ノーティ「万全を期すためにも、魔法を掛けておきましょうか…」
〈ノーティ:春魔法「ラック・ラック・ラック」→ノーティ・トリシア・ジョルティ〉
発動判定:8
〈彷徨チェック:代表者2d6〉
ジョルティ:8
【雪に隠れた街道】
雪に隠れていた街道が微かに見える。他の場所よりは歩きやすいようだ。
翌日彷徨達成値:+1
ジョルティ「こっちの方が歩きやすいぞ!」
ティエ「おー。でも雪積もってますけど」
ジョルティ「地盤が良ければ多少はマシ!」
〈薬草取り:密林:目標12+1〉
パワー:13(王乳エリクサー獲得)
ノーティ:14(王乳エリクサー獲得)
パワー「見つけたぞ! 頂きます!」
ティエ「まって、良い草だからまって。その辺の草食べていいから」
パワー「仕方ないな…」
ノーティ「いいのか……」
パワーはティエに言われたとおりに王乳エリクサーを渡して、近くの雑草を食み始めました。
……最早何も言いませんが。
〈移動チェック:雪の密林:目標15〉
パワー:12(失敗)
クライブ:20
ティエ:18
ノーティ:13(失敗)
トリシア:17
ジョルティ:23
ルー:13(失敗)
ノーティ「耐えてくれペガサス」
ジョルティ「雪で歩きにくいなら木の上を行けば良い!」
ティエ「わぁ、猿みたい」
ジョルティは木々の間をピョンピョンと移りながら移動していました。さすがは元々木々の間に暮らしていたジョルティだけのことはあります。
エレオノーラ《あなた、ここを歩くにはその鎧、重すぎるのではなくて?》
パワー「脱がんぞ!」
エレオノーラ《まあ良いですけれども……》
〈方向チェック:雪の密林:目標15〉
ティエ:15(サポート成功)
ノーティ:19
方向チェック成功 達成値半減なし
パワー「よし、飯の時間だ!」
ジョルティ「狩りにいくぞー」
〈狩猟チェック:密林:12+1〉
パワー:10(失敗)
ジョルティ:21(包丁捌き:美味しい食料9獲得)
パワー「何もいない!」
ジョルティ「そんなことないって」
パワー「いーやいないね!」
〈野営チェック:雪の密林:目標15〉
ノーティ:9(サポート成功)
トリシア:22
〈野営チェック(ルー):雪の密林:目標15〉
クライブ:5(サポート成功)
ルー:18
ジョルティ「食材余っちゃった…」
ティエ「ジャムにするには魔力がないですねぇ」
ジョルティ「仕方ない、お供えしておこう」
トリシア「何に?」
ジョルティ「えーと…森の竜?」
森の竜ではありませんが、後ほど頂いておくことにしましょう……。
ルー「今日もなんとかなりましたね」
トリシア「寝よ寝よ」
~春の月 12日~
天気は相変わらず、密林の中は凍えるほどの寒さでした。見渡せば枯れている草木も多く、厳しい環境がこの場所を襲っていることは容易に想像できました。
しかし……その一部は、どうやら寒さだけによって崩壊しているわけではないように見えました。枯死したものばかりではなく、腐食されているものも多かったためです。
〈コンディションチェック〉
パワー:7
クライブ:14(絶好調)
ティエ:8
ノーティ:19(絶好調)
トリシア:13(絶好調)
ジョルティ:15(絶好調)
ルー:11(絶好調)
〈春の竜の加護〉
ティエ:13(絶好調)
〈彷徨チェック:代表者2d6〉
ノーティ:10
【晴天】
吹き荒れていた風は止み、鬱蒼とした森の中に光が差し込み始めた。
天候変更:晴れ
パワー「いい天気だ草が美味い!」
〈薬草取り:密林:目標12+1〉
パワー:12(失敗)
ノーティ:17(王乳エリクサー獲得)
パワー「雑草が美味い!」
ノーティ「もう何でも良いじゃないですか」
パワー「美味ければなんでも良い」
〈移動チェック:晴れの密林:目標12〉
パワー:9(失敗)
クライブ:15
ティエ:11(失敗)
ノーティ:10(失敗)
トリシア:15
ジョルティ:13
ルー:10(失敗)
ジョルティ「ティエ晴れたのに歩きづらそうだな」
ティエ「ゴーグルの性能がいいですからねえ。雪の方が歩きやすいという変な感じでして」
ジョルティ「ゴーグル取ったら?」
ティエ「いえ、してるから調子が悪いというわけではなく」
〈方向チェック:晴れの密林:目標12〉
ティエ:18(サポート成功)
ノーティ:16
方向チェック成功 達成値半減なし
ティエ「山から方角が見えていただけあって、道は比較的分かりやすいですね」
ノーティ「ええ、恐らく迷わずに来ていることでしょう」
ジョルティ「よし、なら狩りだ狩り」
パワー「今日こそ取るぞ」
〈狩猟チェック:密林:目標12+1〉
パワー:4(失敗)
ジョルティ:14(包丁捌き:美味しい食料2獲得)
ジョルティ「お、おった」
ジョルティ「これは、カモっぽいな?」
クライブ「足りない分は保存食から出しておく。まだ60個弱あるな」
ティエ「やっぱり多かったかも知れませんね」
トリシア「足りないより良いんじゃない」
ティエ「その分特産品を積めたと思うと…」
ジョルティ「そんなことより卵とじにして飯だ!」
〈野営チェック:晴れの密林:目標12〉
ノーティ:
7(サポート成功)
トリシア:22
〈野営チェック(ルー):晴れの密林:目標12〉
クライブ:7(サポート成功)
ルー:9(失敗)
ルー「おっと、今日はちょっと失敗しちゃいました……」
ジョルティ「場所が場所だからな、仕方ないな」
ノーティ「気候の変動は難しいですね……」
ルー「ですね、流石にポールも立てにくく…」
クライブ「ま、数こなして慣れるしかあるまい」
皆が各々テントを張り、食事をしながら談笑していると、またもや密林中に響き渡るような咆哮が聞こえてきました。
まだ遠いようではありますが、密林に入る前よりも近付いているようでした。……あるいは、邂逅することになるかも知れません。
~春の月13日~
昨日に引き続き晴れており、天候は比較的良さそうでした。しかし、昨晩の咆哮のこともあり、安心して旅ができる環境とは言い難いでしょう。
〈コンディションチェック〉
パワー:10(絶好調)
クライブ:19(絶好調)
ティエ:8
ノーティ:13(絶好調)
トリシア:8
ジョルティ:12(絶好調)
ルー:8
〈春の竜の加護〉
ティエ:13(絶好調)
トリシア:13(絶好調)
ノーティ「今日も万一に備えておきましょう」
〈ノーティ:春魔法「ラック・ラック・ラック」→ノーティ・トリシア・ジョルティ〉
発動判定:9
〈彷徨チェック:代表者2d6〉
ティエ:5
【吹雪】
天候の状態が良くない。風が吹き荒れ雪が叩きつける。
天候変更:吹雪
テントを仕舞い出発しようというその時、突如として吹雪になりました。また、厳しい環境の中で歩くことになりそうです。
パワー「サムゥイ! でも草取る!」
〈薬草取り:密林:目標12+1〉
パワー:11(失敗)
ノーティ:5(失敗)
パワー「ない」
ノーティ「ありませんでした」
パワー(無言でノートィをちぎって食べる)
歩く喋るノート「痛いんだよぉ! やめろぉ!」
エレオノーラ(金属で良かったわ……)
〈移動チェック:吹雪の密林:目標16〉
パワー:10(失敗)
クライブ:14(失敗)
ティエ:24
ノーティ:12(失敗)
トリシア:21
ジョルティ:14(失敗)
ルー:9(失敗)
〈荷運びスキルによる振り直し〉
クライブ:11(失敗)
〈春の竜の加護〉
ノーティ:16
クライブ「……ッチ」
ティエ「雪はいいね!」
ジョルティ「雪が痛い! 顔が!」
エレオノーラ《やっぱり、鎧外した方が良いのではなくて?》
パワー「脱いでもどうせ疲れんだよ」
エレオノーラ《……それはそうかもしれませんけれども》
ノーティ「ある程度ハーブもありますし、ルーさんとクライブさんを回復させておきましょう」
〈ノーティ:治療→ルー〉
回復量:21
〈ノーティ:治療→クライブ〉
回復量:15
ルー「おお…すっかり体がよく…ありがとうございます」
クライブ「すまんな」
〈方向チェック:吹雪の密林:目標16〉
ティエ:22(サポート成功)
ノーティ:11(失敗)
〈ラック・ラック・ラックによる振り直し〉
ノーティ:29
方向チェック成功
達成値半減なし
皆、密林の環境にもある程度慣れた様子で歩を進めていました。しかし、私にはこの時から、すでに予感がありました。彷徨の主との邂逅の予感が。
昼も半ばを回った頃、深い雪の積もる深い森の中に、咆哮の主が鎮座していました。
腐った根のような6本の脚、全身には枯れ葉や枯れ蔦が巻きついています。長い首の先には、猛禽を思わせるような顔があるものの、嘴はなく、口もありません。
風雪に晒されたその巨躯は、さながら樹氷のようでもありました。
彼の姿を見たならば、皆も即座に理解することでしょう。
「”私達”の実在」を。「竜の存在」を。
「”私達”の実在」を。「竜の存在」を。
密林の竜は、全身を震わせるように幾度も吼えています。何かに訴えかけるように、何かに怯えるように、そして何かに怒りをぶつけるように。
皆の存在を認めた彼は、哀しそうな瞳で行くあてのない怒りをぶつけることしかできません。……やはり、思った通りのことが起こっていました。
この世界の記録を紐解くと、幾度か「野良竜」と呼ばれる存在が現れます。野良竜の存在は一部の人に知られており、例えばアージェントの不死化した領主が旅の途上で倒したと言っていたのも恐らく野良竜のことでしょう。
しかし、野良竜が、いわゆる伝説に登場する、私達「竜」と同一の存在であるとは、認識されていません。あくまでもモンスターの種類の一つとしての竜を知っているだけに過ぎないのです。実際、野良となった竜はその力が大幅に弱っており、元々の竜の力とは掛け離れてしまっている場合が殆どです。
……彼は違うようでした。怒りと悲しみに全身を蝕まれ、その咆哮を皆に向けているものの、野良竜とは違う、元々の竜の力を持ったまま、ここに存在していました。
ノーティ「……!」
ティエ「うわぁぁぁ 何だこれ!?」
トリシア(静かに喫煙中)
ジョルティ「竜!!! 遂に出会った……!」
ティエ「はー 実際見るのは初めてですねえ」
ルー「竜……!? 本当にいるの!?」
クライブ「の、ようだな」
ノーティ「これが……竜……!」
エレオノーラ《竜……ねぇ》
ジョルティ「食べるぞー!! いっぱい食べるぞー食べるぞー!!」
再三の咆哮と共に、彼の眼光が皆を捉えました。
〈戦闘開始〉
〈ラウンド1〉
【クライブ】
〈知見〉
判定:5(失敗)
クライブ「襲い掛かる気満々のようだ、やるしかあるまい」
〈攻撃→狂える密林の竜〉
命中判定:14
ダメージ:8(防護点5)
クライブ「…妙に硬いな」
ルー「攻撃……して良いんですかね……? いや、でも襲ってくるので……」
ノーティ「気絶させるだけです」
ジョルティ「え?」
ノーティ「……ともかく、この場をなんとかしなければ」
【ルー】
〈攻撃→狂える密林の竜〉
命中判定:12
ダメージ:0(防護点5)
ルー「通らない…!」
クライブ「…ま、仕方あるまい」
本来であれば、竜は人が簡単に傷を付けられるような存在ではありません。
皆は長い旅を通して我らに近い力を手に入れていますが……。
【トリシア】
〈知見〉
判定:11(失敗)
〈攻撃→狂える密林の竜〉
命中判定:12
ダメージ:0(防護点5)
トリシア「硬い」
ジョルティ「俺の竜殺しの弓が早速役立つ時が来た……なんか刻印が光ってるな」
トリシア「あとで見せて」
【ティエ】
〈呪文魔法「オープン・ドラコニカ」→狂える密林の竜〉
発動判定:16
ティエはドラコニカを呼び出しましたが、ページを開きませんでした。
ティエ「アレ? こわれてる?」
ジョルティ「モンスターではないってことじゃねーか」
トリシア「モンスターじゃないの?」
ノーティ「載ってるはずもないでしょうね……」
ジョルティ「じゃああれは野良竜じゃねーって事か…どういうことだ?」
【狂える密林の竜】
〈狂える大密林〉
竜のレベル分の防護無視ダメージを全体に与える。
戦闘中3回までしか使用できない。
全員:11ダメージ
皆の周囲の木々が倒れ、各々を襲いました。木々は生きているように避けた先を追尾し、確実にその体を捉えています。……いざとなれば、私も出なければならないでしょうね。
トリシア「逃げたほうが良いのでは?」
ジョルティ「あっ、無理ー! これだめな奴だ」
ティエ「春魔法で全体回復して貰うしかないかな?」
ノーティ「全体回復は無理です。一人ずつしか回復できません」
【ノーティ】
〈知見〉
効果判定:16
狂える密林の竜
HP60
MP20 Init12 Cond12 Prot5
ノーティ「無理です。逃げましょう」
ジョルティ「まともに対峙して相手取れるもんじゃないぞこれ!!」
ノーティ「ヒーラーとして死ぬわけにはいきません……」
〈呪文魔法「キュア・タッチ」・春魔法「キュア・プラス・プラス」〉
発動判定:19
回復量:11
【ジョルティ】
ジョルティ(だが、せっかくの機会だ…もっと情報を…)
〈知見〉
判定:14
〈呪文魔法「セーフティ・ゼロ」→ジョルティ〉
発動判定:4
ジョルティ「とりあえず倒れるわけには…もっと見ておかないと」
【パワー】
パワー「殴らせろ!」
〈攻撃→狂える密林の竜〉
命中判定:16
ダメージ:10(防護点5)
〈攻撃(左手)→狂える密林の竜〉
命中判定:10(失敗)
ノーティ「戦闘を続ければ次に確実に気絶者が出ます! 逃げるなら今しかありません」
ジョルティ「一旦体制を立て直さないとまともに相手取れるもんじゃないぞ」
ティエ「逃げないと無理でしょうねぇ、一旦逃げましょう」
皆は狂える密林の竜に背を向けるように逃げようとしましたが、退路を塞ぐように木々が倒れ、遮られました。
逃げるには、まだ暫く時間が掛かりそうです。
ジョルティ「木が勝手に!? なんだこれ!!」
ノーティ「これはまずい状況ですね。とてもまずい」
パワー「なんとかなるだろ!」
ノーティ「次、さっきと同じ攻撃が来るだけでパワーさんも倒れますよ!」
クライブ「仕方ない、生き残ることを第一に動くか……」
トリシア「案外、なんとかなりそうな気もするけど、仕方ないね」
〈ラウンド2〉
【クライブ】
〈フェイント→狂える密林の竜〉
成功判定:23
イニシアチブ-1
【ルー】
クライブ「大事を取って下がっておけ」
ルー「はい、下がります!」
〈移動〉
前衛→後衛
【トリシア】
〈フェイント→狂える密林の竜〉
成功判定:11(失敗)
〈春の竜の加護〉
成功判定:13
イニシアチブ-1
【ティエ】
ティエ「安全策を試してみますが……」
〈秋魔法「アキノソラ」→狂える密林の竜〉
発動判定:4(失敗)
ティエ「ダメか……」
【ノーティ】
ノーティ「下がってきてくれたなら、一応安全策を取っておきましょう」
〈呪文魔法「セーフティ・ゼロ」→ルー〉
発動判定:14
<高速詠唱:呪文魔法「キュア・タッチ」・春魔法「キュア・プラス・プラス」・春魔法「キュア・プラス・エール」→パワー〉
発動判定:10
回復量:10
【ジョルティ】
ジョルティ「パワーさん、こっち!」
パワー「何だ! 飯か!?」
ジョルティ「違うけど!」
〈呪文魔法「セーフティ・ゼロ」→パワー〉
発動判定:8
【狂える密林の竜】
彼は、苦しそうに吼えています。咆哮に呼応するように、再び周囲の木々が動き、皆へと襲いかかりました。
〈狂える大密林〉
全員:11ダメージ
ルー「ぐぅ…」
ジョルティ「セーフティ・ゼロでなんとか耐えたが……」
【パワー】
パワー「うおおおおおおお!」
〈攻撃→狂える密林の竜〉
命中判定:Critical
ダメージ:7(防護点5)
〈攻撃(左手)→狂える密林の竜〉
命中判定:22
ダメージ:7(防護点5)
パワー「うおりゃあああああ!」
エレオノーラ《やればできるんですね》
パワー「見たか!」
パワーの両手の斧の攻撃を受け、彼は一際大きな咆哮を上げました。表皮を覆う葉や蔦の一部が崩れ落ちていきます。
崩れ落ちた葉の向こう側、胸の部分から、なにか黒い光のようなものが溢れているのが見えました。黒い光は、胸部に埋め込まれた「黒い宝玉」から発せられているようでした。
ノーティ「何とか耐えた……」
ノーティ「あれは……?
いえ、それどころではありません」
ジョルティ「軽くなった分、高速移動とかしてこないよな!?」
ルー「な、なんだか苦しそうですよ…」
ジョルティ「大丈夫、俺も苦しい」
ティエ「私もです」
クライブ「全員苦しいな」
クライブ「しかし黒い宝玉…あれが原因か?」
ジョルティ「まともじゃないのは確かだな」
ノーティ「乗っ取られていたりするのでしょうか。とにかく今は逃げるのが先決かと」
ジョルティ「三十六計逃げるに如かず!」
クライブ「ま、今戦うにはだいぶ賭けになるな」
ティエ「逃げますか」
ルー「に、逃げるんですね!?」
クライブ「しかなかろうな」
パワー「行けるんじゃね?」
トリシア「安全策安全策」
皆は倒れた木々を超えて戦闘から離脱しました。
背後から、幾度も苦しそうな彼の咆哮が聞こえていましたが、無事に戦闘から離脱することができたようでした。
皆には安全な旅をして欲しいものですが……もしこのまま彼を放っておけば、大変なことになります。……その時は、直接お願いをするしかないでしょうね。
〈戦闘中断〉
ノーティ「何とか……」
ルー「あ、危なかった……」
ジョルティ「興奮して挑んたものの、あんなのと遭遇戦なんてやってられるかい!!」
ティエ「まぁ体力を回復させねばならぬ」
ジョルティ「こういう時はご飯やで!!」
パワー「飯!」
〈ジョルティ:呪文魔法「リュウサン」〉
発動判定:9
ティエ「野ざらしで食べるのも何ですし、コテージ出しますよ」
〈ティエ:呪文魔法「エニウェア・コテージ」〉
発動判定:12
ジョルティが魔法で作り出した豪華な食事を、ティエが魔法で作り出したコテージの中で食べたことで、皆体力が全回復しました。
……なんとも便利な魔法ですねぇ。
ジョルティ「生きた心地とはこの事か…美味かった…」
ティエ「おいしくは…良薬口に苦しということでしょうか」
ジョルティ「薬膳も多かったな」
パワー「じゃ、狩りに行くか」
ジョルティ「そうだな」
エレオノーラ《今食べたばっかりじゃありませんの?》
パワー「別腹別腹」
エレオノーラ《はあ……元気なのね》
〈狩猟チェック:密林:目標12+1〉
パワー:14(食料2獲得)
ジョルティ:17(包丁捌き:美味しい食料5獲得)
ジョルティ「普通の飯も欠かせない」
パワー「全部たべるぞー」
ノーティ「何にせよ、あの竜への対応は明日にしましょう。今日このまま再戦するのは厳しいです」
トリシア「疲れた疲れた」
〈野営チェック:吹雪の密林:目標16〉
ノーティ:6(サポート成功)
トリシア:15(失敗)
トリシア「これはまずい」
ティエ「手伝いますよ」
〈リーダースキルにより判定+1〉
トリシア:16
トリシア「助かったー」
ティエ「ちゃんと寝られないと明日困りますしね」
〈野営チェック(ルー):吹雪の密林:目標16〉
クライブ:16(サポート成功)
ルー:15(失敗)
ルー「……あれぇ」
クライブ「あんな事があった後だ、今日はコテージで寝ると良い」
ルー「はい……そうします」
それから、夜通し咆哮が聞こえていました。皆はこの後、彼のことをなんとかしてくれるでしょうか。……ジョルティが彼を食べようとすることについても、少し考えておかなければなりません。
今、そうされるわけにはいかないですから……。
~春の月 14日~
相変わらずの吹雪が木々の間を駆け巡っています。視界が悪い中に、やはり彼の咆哮が響き続けていました。
〈コンディションチェック〉
パワー:Critical
クライブ:17(絶好調)
ティエ:10(絶好調)
ノーティ:19(絶好調)
トリシア:13(絶好調)
ジョルティ:7
ルー:8
〈春の竜の加護〉
ジョルティ:13(絶好調)
ティエ「さて、例の竜…倒しますか?」
ノーティ「避けて通ることはそもそも可能なんでしょうか?」
ティエ「我々だから生きてましたけど、こっちに向かう人、最悪死にますよこれ討伐しないと」
クライブ「苦しんでたみたいだが、あの黒いの壊せば直るんじゃないか?」
ノーティ「狙って攻撃が……できるでしょうか。ダウンさせないと厳しいような気も……」
ジョルティ「何か悪い影響を受けている事は確かだろうが……。狙うなら矢や魔法じゃないと届かんな」
エレオノーラ《本当にあれが竜なんですか? もっとエレガントな存在だと思ってましたけど》
クライブ「まあ、何かひっついで暴れてるようだからな。そりゃ優雅でもなかろう」
エレオノーラ《なるほどねぇ》
クライブ「ま、今まで優雅といえるほどの技やらを持った奴なんぞ、そうそう遭遇していないからな。あんまり期待しないことだ」
ノーティ「エレガント……というか自然と共存するようなイメージでしたが、今回はその限りではないようですね」
エレオノーラ《そうよね。春なのにこんな天気なのも関係してるのかしら?》
ジョルティ「あるかもな。なんにせよ脅威は排除しない事には先にも進めん…。黒いアレを狙うとして、最悪は殺す勢いで皆でもう一度挑むしか無いだろ」
ノーティ「……分かりました。作戦を立てます」
ジョルティ「俺に…任せてくれ…結界樹枝まだあったよな?」
ティエ「じゃぁとりあえずこのまえみたいにスプラウトを結界樹枝で。戦闘なのでもう一本つかってハヤブサもつける」
クライブ「ま、準備は任せる。どうせ俺やらパワーは殴るしか出来ないからな」
パワー「他に何もいらない!」
エレオノーラ《大丈夫なんですかこの人達……いや、私を嵌めてる人が一番不安なんですけど》
……大丈夫かどうかで言えば大丈夫ではないと思いますが、それでここまで乗り切ってきたのですから、確かな実力を持っていることは間違いありません。特にパワーは……戦闘に於いては随一の力を持っていることは確かでしょう。
ノーティ「大丈夫という言葉の定義にもよりますが一般的ではないでしょうね」
ジョルティ「エル、嫌になったら俺んとこ来なさい」
エレオノーラ《吐きかけられたら考えますわ》
ジョルティ「割りと容赦なくすぐ吐くと思うぞその人」
パワー「仕方ないな」
エレオノーラ《吐かなくてよろしい》
ノーティ「では、雪割草3つをマジックユーザー3人に。それから誰が結界樹枝で各種エンハンス魔法を使うかですが」
それから、彼を何とかするために、盛大な準備が行われました。結界樹枝を使い、スプラウト・ハヤブサ、さらにはセーフティゼロが皆に掛けられました。また、万全を期すためにラック・ラック・ラックの魔法も掛かりました。
その上でティエがリン・リラックス・オーケストラを使い、皆の消費した魔力もほぼ元通りになりました。これほどの準備をして望む戦いは、これまでも無かったことです。
ノーティ「これで準備は良いでしょう……ルーさんには待機していてもらいたいと思います。絶対戻ってきますから」
ルー「分かりました……頑張ってください……お昼ごはん、作っておきますね」
ノーティ「それでは……向かいますか」
万全の準備を整え、皆は再び彼の元へと向かいました。昨日よりも更に苦しげな咆哮が皆を迎えました。
〈戦闘再開〉
見たところ、彼の体力は回復していないようです。葉や蔦は剥がれたままで、胸部から発せられる黒い光が見えました。
〈ラウンド3〉
【ジョルティ】
ジョルティ「やったる!!」
ジョルティ「作戦の予定通りいくぞ!!」
ティエ「おー」
〈攻撃→黒い宝玉〉
命中判定:18
ダメージ:11
〈ハヤブサによる2回攻撃〉
命中判定:15
ダメージ:21
ジョルティが渾身の力で放った2発の矢は黒い宝玉を見事に捉えました。黒い宝玉はその衝撃によって彼の体から外れ、ポトリとその場に落ちました。
すると、次第に穏やかな空気が取り戻されていきます。彼の動きも止まり、怒りと悲しみを発露させたような咆哮も止みました。
そして、その巨体をその場に横たえるようにして気を失ったようでした。
クライブ「…拍子抜けというか準備がだいぶ無駄になったな」
ノーティ「用心に越したことはありません
結界樹枝に関しては……また高山へ行く機会があれば……」
ティエ「大都市ですし、フリーグゼルにハーブやさんがあれば良いんですけどねぇ」
〈戦闘終了〉
クライブ「どれ…死んではいないな?」
クライブが倒れ込んだ彼の体を覗き込みました。クライブの目からみても、命が喪われていない事は分かったようでした。
クライブ「とりあえず生きてはいるな」
ノーティ「気絶した竜など見るのは初めてですね。じっくり観察させて頂きましょう」
〈知見〉
ノーティ:16
ティエ:8
クライブ:10
パワー:4(失敗)
密林の竜はその体表を葉や蔦によって覆われているものの、その内部は他の生物と同じように肉体を持っていることがわかりました。しかし、他のどのような生物にも見られないようなものです。
ノーティ「恐らくはこの密林を守る竜……とすれば、どうしてあのような暴走を?
あの悲しげで怒り狂った声は?」
ティエ「食べられそうにないですし…」
ノーティ「乗っ取られていたのであれば、理性を取り戻している可能性はありますね」
ジョルティ「ねぇ、尻尾の先っちょだけ切っていい? ねぇ。食べれるって」
クライブ「なら、さっさと起こすに限るな。コイツがやらかす前に」
クライブ「パワー! ソレ抑えておけ!」
パワー「え、何で!? 食べる方がいいのに!」
クライブ「そうだった……この場合は使えないな」
ジョルティ「特殊な調理すれば食えそうだもん」
ティエ「ノーティはやく応急処置してー!」
ノーティ「ええと、後で起こしますか?
今までの経験上、竜は人間と意思疎通が出来るようですが」
トリシア「ノーラちゃん竜と会話できたりしないの」
エレオノーラ《気絶してなければ話せるとは思いますけど……。皆さんも話せるのではなくて?》
トリシア「散々吠えてた竜が何か意味のあるような事言ってたりしてたのかなとか」
エレオノーラ《いえ…それは分かりませんわ。普通に吠えているようにしか聞こえませんでしたが》
トリシア「一緒かぁ」
ジョルティ「どの辺りを頂くのが良いかなぁ」
〈ジョルティ:知見〉
判定:7
主にジョルティが騒いでいる間に、ティエは転がり落ちた黒い宝玉を遠巻きに観察していました。
竜の胸にあった時には黒い光を放っていましたが、もう光は放たれていません。
ティエ「なんだろう? 掛かってた使役的な魔法が溶けた?」
ティエ「しかし……直接触りたくはないですね。先に竜の方をなんとかしますか」
ジョルティ「食べれるぅー?」
トリシア「あんまり弄るとバチあたりそう」
ジョルティはそこで、皆との会話もそこそこに、痺れを切らしたように懐から解体ナイフを取り出しました。
ジョルティ「師匠…俺とうとう辿り着いたよ…ここまで来たよ…!!」
ジョルティが密林の竜にナイフを突き立てようとしています。
……彼の目的であることは分かりますが、今、この密林から彼の力が失われるべきではないでしょう。……恐ろしい災いが降りかかるかも知れません。
ならば……仕方がありません。こうするしか、ないでしょうね。
〈アウェイクン-竜の守護〉
ジョルティの解体ナイフを遮るように、私は遂に彼らの前に竜の姿を顕すことになりました。サンドラで人の姿では会いましたが、この姿を見せるのは初めてのことです。
薄緑の鱗を纏う小型の竜・アリアの翼がジョルティの刃を代わりに受け止めます。傷こそついたものの、刃は深く通ることはありませんでした。
ティエ「2体目!?」
ジョルティ「何だ!?」
トリシア「どこかで……見たことがあるような気がする」
クライブ「敵か?」
「……今、その竜を食べるのは止めてください。この竜の力は、この森に欠かせないものなのです」
私は本当は、この姿で発する声があまり好きではありません。どう頑張っても厳かになってしまって、可愛らしさがないのです。
ノーティ「……これも竜の声でしょうか」
「いずれ……皆の旅が終わった時、必ず私の肉を分け与えましょう。今回は、それで見逃して貰えないでしょうか」
ジョルティ「尻尾ぐらいいいかなって…」
トリシア「ええ…」
ジョルティ「まじでか」
「この竜は今、とても弱っています。今、その一部を取り去れば、森にどのようなことが起こるか分かりません」
ジョルティ「ちなみに、美味しいの? また生えてくる? ごめんね、込み入った話してる時に、大事な事だからさ」
トリシア「やっぱり竜食べるってとんでもねーことなんじゃないの」
ジョルティ「確かにそれはそう思う」
「……竜は竜を食べませんから。それは分かりません。尻尾ぐらいなら生えてくるかもしれませんが……」
嘘です。トカゲじゃないんですから、切った尻尾が再生したりはしません。
トリシア「食べ物じゃないって教えてくれてるぞジョルティ」
「……今、この竜を加工するにしても、確実ではないでしょう。それなら、いつか必ず私が肉を与える方が、確実ではありませんか?」
ジョルティ「おう、この世界には重要らしいからな。命までは獲らないさ。わかった。取引に応じる」
ジョルティはそう言って、解体ナイフを懐に仕舞いました。話が通じて良かった……。
ノーティ「起こして大丈夫でしょうか?」
「密林の竜を起こせば、おそらく皆さんからは見えなくなるでしょう。他の竜と同じように。危害を加えることも、最早ないでしょう。彼には、その力を養う時間が必要です」
トリシア「その理屈だと人に見えなくするように起こしたほうがいいのでは」
ノーティ「この密林に必要な存在であることでしょう、起こしましょうか?」
「……程なくして、起きると思います。そのままにしていても、問題はないでしょう」
ジョルティ「この黒い塊に心当たりは?」
ティエ「この宝玉ってなにか知ってますかー!?」
ティエ「おっとかぶった」
「……分かりません。しかし、何か魔法に関係する気を感じます。触れない方が良いでしょう」
ティエ「珍しいから竜にさわってもいいですか!」
「……問題ないとは思いますけど……。密林の木を触っているのと変わりませんよ、多分」
密林の竜の手触りが密林の木と同じなら、私達の手触りは春と同じなのでしょうか? そのように暖かな存在であれれば、嬉しいのですが。
ジョルティ「俺も触っとこ」
ティエ「確かに木だな」
「……それでは、皆の旅の幸運を願っています。…分かってくれて、良かったです、ジョルティ」
〈アウェイクン解除〉
こうして私は元の竜人の姿へと戻りました。ここでは竜人の姿は皆には見えないので、急に消えたように見えたことでしょうね。
ノーティ「行ってしまいましたね……では、去りましょうか」
まあいるんですけどもね!
ティエ(緑の方にも触っておけばよかった)
トリシア「あの緑の竜は密林に直接関係ある感じの竜ではなさそうだったね」
ジョルティ「親戚とか?」
トリシアは、やはりどこか私について鋭いような気がします。……まあ、もはや私の存在が気付かれた所で、特に問題があるわけではないのですが。
ティエ「まぁなんか旅が終わったらジョルティの所に来るらしいから、そのとき触らせて貰おう」
ノーティ「肉を分け与えるという話はさておいても、再会がそう遠くなさそうな口ぶりでしたね」
ジョルティ「今から調理法考えないとなウヘヘ」
……あんな約束して良かったのかとちょっとばかり不安になりましたが、竜人に二言はありません。……少しぐらいなら大丈夫ですよね?
ノーティ「とりあえずルーさんのところへ戻らなければ」
トリシア「何故かジョルティが食べる気まんまんってのも知ってたしなぁ。今日どっかでずっと見てたんかな」
トリシアが鋭いというより……私が不用意すぎたかしら?
ノーティ「竜なら見ずとも分かるのでは?」
トリシア「食べたい食べたい言いながら戦ってたしな」
トリシア「ほんとひくわー」
ジョルティ「やめろよぉ!」
ノーティ「どういった不思議な力を持っていても不思議ではないですから……心くらい読めるかもしれません」
ティエ「戻るにしても、この黒い宝玉、どうしましょう」
クライブ「触らない方が良いとなると……仕方ない、任せろ」
クライブは黒い宝玉を2本の剣で器用に挟み込んで木箱に入れ、木箱ごと動物に積み込みました。
クライブ「まあ、とりあえず持って帰るぞ。箱に入れときゃどうにかなるだろう」
ティエ「売れそうにもないですし、役に立つかは分からないですけどねぇ」
こうして、皆はルーの待つキャンプまで戻りました。ルーは言っていたとおり、昼食を作って待っていました。
ルー「おかえりなさい!」
ジョルティ「ただいま」
トリシア「ただいまー」
ルー「無事でよかったです……」
ジョルティ「竜の肉ゲットならず。予約はした」
ノーティ「この通り無事です
竜は宝玉に乗っ取られていたような風でした」
ルー「予約……? なんだか不思議なことがあったんですねぇ」
ジョルティ「うむ」
ルー「とりあえず、ご飯にしましょう。疲れましたよね!」
ノーティ「これはありがたい」
トリシア「わーいルーちゃんの手料理だー」
ティエ「わー! ありがとうございます」
ルー「材料は保存食ですけどね……!」
ノーティ「疲れた身体に染み渡りますね……」
クライブ(今回は鍵は特に反応しなかったな……そこまで面倒なものではないのか?)
密林の竜が正常になったせいでしょうか、この先の密林の道はかなり通りやすくなっているように思えます。もはや、フリーグゼルまでの間に皆の障害になるものもないでしょう。
〈ブレス発動:ミライ〉
それから2日程密林の中を歩き、皆は遂に東の果ての大都市、フリーグゼルの門前に辿り着きました。未だ雪止まぬ、春の月16日の昼のことでした。
第三十一話「漆黒の光」 完
こうして、彼らはついにフリーグゼルへと到着したのでした。
彼らがついに、密林の竜と私と、本当の意味での邂逅を遂げることになりました。半信半疑だった竜の実在が、彼らの中で確信に変わったことでしょう。
しかし……密林の竜の問題を解決しても、結局まだ春は来ていないようです。そこで、竜の君、最初に言っていた相談なのですが……私が、直接冬の竜と会ってきても良いでしょうか?
フリーグゼルからなら、冬の竜の居場所も遠くないはずです。一度、話を聞いておきたいと思います。
【MVP:パワー・ジョルティ】
【ルー・フィオーネの日記】
〈春の月10日〉
雪❆
今日から、密林に入ることになりました。
見渡す限り雪と木ばかりで、またっく見分けが付きません。ずっと同じ道を歩いているような錯覚がありました。
そんな風に周囲に気を取られていたせいで、思い切り木々で手足を切ってしまい、かなり痛い思いをしました……よそ見はいけませんね。治してもらえたものの、まだ少し痛みがあります。
明日は注意して、良い日になりますように。
〈春の月11日〉
雪❆
今日もまた密林の中を歩いています。ジョルティさんが見つけた雪の下の街道のお陰で、少しだけ歩きやすかったように思いました。
こんな環境の中でもしっかり食料を確保してくる辺り、ハンターとしての嗅覚がとても優れているのだと感じました。私には難しそうです……。
だんだん雪にも慣れてきてしまっていますが、そろそろ暖かくなって欲しいですね。
明日も良い日になりますように。
〈春の月12日〉
晴れ☀
今日は久しぶりに晴れていて、少しだけ暖かくなりました。まだまだ春の暖かさではありませんが、この調子なら比較的歩きやすそうです。
と思っていたのですが……雪に慣れてしまっていたせいか、かえって歩きにくく、結局疲れてしまいました。まだまだ精進が必要ですね……。
その日の夜、またあの咆哮が聞こえてきました。森に入る前よりも、近付いているようでした。恐ろしいことが起こらなければ良いのですが……。
明日も良い日になりますように。
〈春の月13日〉
昨日とは打って変わって、急激に天気が悪化していました。
いえ、天気なんてどうでも良いですね…今日は、私のまだ長くもない人生の中で、一番驚いた日になりました。
……竜が、本当にいたのです。それも、私達の前に立ちはだかるように。
皆さんと一緒になんとか逃げることができましたが……1人で旅をしていれば、絶対に助からなかったでしょう。
……竜は、結局お伽噺の中だけの存在だと思っていました。でも、本当にいるなんて……。
〈春の月14日〉
吹雪❆ミ
一日経って、少しだけ落ち着き、昨日の事を思い出して震えました。
皆さんと一緒だったとしても、死んでいてもおかしくなかったのですから……。旅が少しだけ、怖くなってしまいました。
……でも、皆さんはそこまで恐れてはいないようでした。他の旅人達の安全のために、あの竜を何とかすると、準備を整えて行ってしまいました。
……私にできることは、料理を作って待つことぐらいしかありません。……強くならないといけませんね。
〈春の月16日〉
1日、日記を書くのを忘れていました。竜との出逢いに比べると、それほど大きなことも起こらず、相変わらず疲れながら雪の密林を歩いてきただけでした。
そして、ようやく、私の目的地、フリーグゼルへと到着しました。
(続く)
レベルアップ!
こちらは、2016/12/10に行ったオンラインセッションのリプレイです。
ついに訪れた、竜との邂逅シナリオとなりました。そして、少々予定とは違ったものの、アリアのアウェイクンも初めて使用することになりました。
初めて使うアウェイクンは竜の守護にしようと決めていたのですが、随分遅くなったものです。
ようやく、第十三話から都合二十話弱に渡って追い求めてきた、フリーグゼルへと到着しました。このフリーグゼルから、彼らの旅物語はどのように終わりのページへ進んでいくのでしょうか。
私にもまだ分かりません。それでは、次なる旅物語をお待ち下さい。今度は、少し遅くなると思います。
【参考サイト】
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