2016/08/10

りゅうたまリプレイ 第八話「表裏一体の花」 【キャンペーン】

おはようございます、竜の君。暑い日が続きますが、お元気ですか?
前回はアージェントで依頼がある、と話を聞いた所までお話しましたね。それでは今回は、薬草と花探しの様子をお話しましょう。
ようやく、ゆっくりとアージェントの周囲を見て回れて、良い旅になりました。


第八話「表裏一体の





ノーティ「それで、依頼はどのような内容になりますか?」
受付「それでは、順に読み上げ致しますね」

『薬草探し』
依頼者: リック・ディクソン
妻の病篤く、随所の医者に掛かれども快くならず。音に聞く伝説の薬草、エリキシアの探索を求む。当方薬草に関して造形深ざらければ、薬効を以て真贋の確認をするより他になし。妻の命が助かるのならば、報酬には糸目を付けず。当家に伝わる宝石を以てこれに報ゆ。

『花束作り』
依頼者:ターナー・ディクソン
母様の病が重く、なかなか治る様子がありません。それどころか、ここ数日は悪化しているように思えます。薬草の探索は父様が依頼を出しておりましたので、私はお見舞いの花の探索をお願い致したいと思います。「赤」「黄」「青」「緑」「紫」の五色の花を集めて来てください。希少なものもあるため、難しければ四色でも構いません。あまり高額な報酬をお支払いすることはできませんが、どうかよろしくお願いいたします。


……受付の方は、何やら情感たっぷりで依頼を読み上げました。普通の人だと思っていたのに!

ノーティ「依頼は同じ家族からのもののようですね
受付はい。ターナーさんはリックさんのご息女です。別々に依頼を持ってこられまして……。
ノーティそれでは我々が両方とも受領させていただきます
受付本当ですか?ありがとうございます。
受付こちらが、ディクソンさんの家の住所になります。何かありましたらそちらに訪ねて頂ければ

そう言いながら受付の方は簡単な地図を渡してくれました。……手書きの。

コンディションチェック-1日目
クライブ:13(絶好調)
ノーティ:9
トリシア:10(絶好調)
ジョルティ:10(絶好調)

パワーは爆睡しておりどうも起きる気配がありませんが、ティエは暫くすれば起きてきそうです。他の皆は良い宿ということもあり、体調が良さそうですね。

トリシア「とりあえずエリキシアについて知ってそうな人を当たろう」
ノーティ「まずは、ロイさんあたりですかね」
クライブ「……塔の前で見たぞ」

とりあえず彼らはロイから話を聞くために、慰霊の塔の前の広場へと向かいました。クライブの言うとおりロイがおりました。……生活リズムがまだ戻っていないのでしょう、どうもかなり眠そうな様子です。

ノーティ「ロイさん、エリキシアという強力な薬草についてご存じないですか?
ロイエリキシア、また随分珍しい名前だね
ロイなんでも治せるという伝説の薬草だね。希少さから実在を疑われることもあるものだけど……実在しているよ
クライブ見た覚えは?
ロイ一度だけだね
ロイ見た目は釣鐘ツユクサに随分似ていたね。よく見ると葉の裏の色が違うんだけど、なかなか見分けがつかない
ロイ昔一度だけアージェントの近くでも見つかった話を聞いたけど……そっちの真贋は定かではないよ
クライブ昔ねどれほど昔やら
ロイ20年くらい前かな。その時は……確か街の北にある洞窟で見かけたと言ってたけど
ノーティ特に植生している地域に確たる情報はないというわけですね?
ロイまあ、共通しているのは人が寄り付かない場所、って所かな……?
ノーティ「なるほど、ありがとうございました」

トリシア「次はリンちゃんかなー。カレンちゃんの部屋にいるでしょ」

次に彼らはカレンの自室へと向かいました。トリシアの目論見通りリンはカレンの側で看病をしていました。

トリシア「やっはろー」
リン……何か用?
クライブすまんな、少々聞きたいことがある
トリシアカレンちゃんの様態が気になったりしたのとあと少し聞きたくて」
リン……相変わらず目は覚ましていないけれど、安定している
トリシアそっか
リン……聞きたいこと?

ノーティこれこれこういう事情でエリキシアという薬草を探しているのです、どうも病気をなんでも治せるとか
トリシア何かしってたりしないかな
リン……カレン様のために探しているの?多分薬草ではどうにもならないと思うけど……
トリシアそうなのかーでも知ってるなら何か教えてほしいな
リン……聞いたことない。ヴェルガはどう?
ヴェルガ我も知らないな。ロイあたりにはもう訊いたのだろう?それなら、ここで彼以上に詳しい者はいないと思うぞ
トリシアそうなのかーありがとー

クライブふむ、そうかところで、見舞いの花を持ってこようと思うのだがどうだろうか
リン……ありがとう。喜ぶと思う。この辺はいろいろな花があるから
ノーティそれは何よりです、特に「赤」「黄」「青」「緑」「紫」の色のものを探しているんですが
ノーティ他にも見舞いをしなければならない人がいるもので
リン……五色花ね。この辺では快気願いの色の組み合わせ
クライブ(そういう意味合いがあったのか

なるほど、そういう由来のある色の組み合わせだったのですね。花は古来より祈りのために使われてきました。この街にも、恐らくそのような歴史があるのでしょう。

リン赤と黄の花なら、どこでも見つかると思う。ありふれてるから。多分中庭にもある
リンでも、弱い花だから、保護しないとすぐしおれてしまう
リン多分、その辺のお店で専用の保護液が売ってる。そんなに高くない
リン青い花は……少し希少。水の上に咲く変わった花。良い香りがするのが特徴
リン街の外の池なんかを探すと見つかると思う
リン緑の花も希少。数も少ない上、色のせいで見つけにくい。こっちはちょっと独特な匂いがする
リン紫の花は……よく知らない。生えているのを見たことはないけど……。

ノーティ「えと、私の春魔法【エミナ・ノンノ】で「ありふれた一輪の小さな花を咲かせる」ことができるのですが……

ノーティは春魔法の使い手でしたね。今までエミナ・ノンノを使っている所は見たことがありませんでしたが。

リン赤と黄の花なら……多分手に入ると思う
ジョルティリンちゃんが好きな花も是非!!
リン「……良い香りの花が好き。私の鱗粉も花から作っている」
ジョルティ「青か……!100本持ってくる!!」
リン「……そんなにはいらない」

……そもそも、そんなには見つからないと思います。

トリシア「リンちゃん変なのに好かれたね」
ジョルティ「お前には言われたくないゾ」

この弓使い2人は仲が良いやら悪いやら分かりませんね。仲良く喧嘩しているように見えますが。

クライブ青は無理そうか?
ノーティ「もう少し詳しいことが分かればその青い花くらいなら咲かせることが出来そうですが……もっと情報がほしいですね
リン……紫以外の花なら、スケッチぐらいならできるけど
ノーティ本当ですか、是非お願いします
リン分かった。少し時間がかかる。後で受付に渡しておく
クライブすまないな、頼む
トリシア(絵、下手だったら面白い)

ノーティ次はレイジャ氏に話を聞きましょう。執務室にいますよね」

彼らはカレンの部屋を後にして、そのまま真っすぐ執務室へと向かいました。執務室からは何かを書いているような音が聞こえています。

クライブノックノック
レイジャ……どうぞ
クライブ執務中すまんが、少々聞きたいことがあってな
レイジャ何だ、お前たちか。どうした?

ジョルティディラ、干し肉食べるかー?
ディラワン!

……トリシアとジョルティはレイジャには目もくれず、隣に座っているディラにお熱です。……動物好きが感染している。いえ、良いことですけれども。

ーティ事情があってエリキシアという薬草を探しているのです、病気をなんでも治せるという……
レイジャ「エリキシア……すまんが、薬学には疎くてな。聞き覚えがないな
クライブ20年ほど前に見つかった希少な薬草らしいんだが、どうだ」
ノーティ釣鐘ツユクサという薬草に似ているらしいのですが、珍しいものらしいので話くらいは入っていませんか?
レイジャ……20年前……その頃はまだアージェントに来ていない
レイジャ「いや……すまんな、全く分からん」

ジョルティディラ、なんか知らない?
ディラ「ワン?」
ジョルティディラも知らないかー

トリシア紫と緑の花とかどっかでみかけたことない?
レイジャ緑の花……森で見かけることはあるな。特別注目したことはなかったが、あれがあるとディラが吠える。イヤな臭いがするらしい
レイジャ紫の花は……森で見かけたことはないな
トリシア洞窟とかに意外と咲いてたりしたの見たとか?
レイジャいや、そういうのではなくてだな……こちらは関係ないかもしれないが……
レイジャもうなくなってしまった店だが、昔食堂に紫の花が置いてあったのを見たな
レイジャ香辛料のように使われているようだったが……。
ノーティ森には用事があっていくのですか? もし近々行くことがあるなら緑の花を摘んできて欲しいのですが
レイジャ「残念だがご覧のとおり慣れない執務で忙しくてな、出歩くヒマがない。ゴレンの牢の方がまだ自由だった」

レイジャ……紫の花には役に立てそうにないが、緑の花を探すのであればディラを貸すぞ

この一言を聞いて、明らかにトリシアとジョルティの表情が変わったようでした。……犬、良いですね。

クライブふむ、そうだな。折角だし借りさせてもらおうか。採取に向かう際にまた来る
ノーティその時はよろしくお願いします
レイジャ分かった。ディラにも言いつけておこう。お前達を噛まんようにもな
ディラ「ワン!」

ノーティ「あとは、ラナさんですかね」
ジョルティ「高いところが好きっぽいよ」
ノーティ「鐘楼ですかね」

彼らが鐘楼に登ると、鐘の横にラナが立っていました。どうも暇なようです。

ラナどうしました?
クライブ少々聞きたいことがあってな

クライブは今回の件について簡単に説明をしました。とりあえずエリキシアについて話を聞くことにしたようです。

ラナエリキシア……ですか。……数年前、元の私、まあ、生身の私が亡くなった時に、ロイが探してくれたと聞きましたが……。その頃のことは私はよく知りません
ラナ死ぬ2年以上前の記憶しか入ってないんですよね。残念ながら
ラナロイが言うには実在はしているということでしたが……私には分からないですね

ノーティなるほど……ところで紫色の花についてはご存じないですか? なんでも料理に添えたりするとか……
ラナ料理に使う紫の花……ああ、セラヴィのことですかね?
ラナあれは良い香りで、地域によっては確かに良く料理に使いますね
ノーティお見舞いに使うのもその花で間違いないでしょうか?
ラナああ、五色花は色だけしか決まりがないので、その花でも問題ないですよ
ノーティ採れる場所などご存じないですか?
ラナセラヴィはとても特殊な花でして、グレインという花とローシアという花を一緒に入れておくとできるんです
ノーティ一緒に……? 不思議なものですね、それらは見つかるものですか
ラナええ、グレインは少々珍しいですけど、ローシアはよく見ますよ
トリシアちなみにその2つの花の色はー?
ラナグレインは緑、ローシアは赤ですね
ノーティその赤い花はもしや中庭に咲いているものですか?
ラナええ、中庭にもありますね

ティエは話を聞きながら、花についての情報をメモにまとめているようです。……あれ?ティエいつのまに?

まとめが終わると、一通り話を聞き終わったということで受付に戻ることにしたようです。受付ではレイジャがディラと共に待っていました。

レイジャ言い聞かせておいた。俺の代わりを頼んだぞディラ
ディラワン!
ノーティありがとうございます、これで緑の花については……普通に鳴いてる
ティエもディラを撫で始めました。やはり感染しています!

受付レイシア様からスケッチを預かっております。どうぞ
ノーティどれどれ

リンのスケッチは、どれもかなり上手なものでした。淡い色合いですが、花の特徴が捉えられています。

トリシア画伯ではなかった
ジョルティ後で言い値で買おう
ジョルティいらないなら俺がタダで貰おう!!
トリシア10万な
ジョルティ「お前の枕に緑の花入れとくわ」
ノーティ別にスケッチを返す必要もないでしょうし、ジョルティさんが持っていても構いませんが……
ジョルティノーティ、干し肉食べる?
ノーティ「いや、干し肉はいいです」

トリシアはジョルティの話を聞いておらず、一心不乱にディラをもふもふしていました。レイジャの言うとおり、ディラはおとなしくしています。……後で私もしましょう。
……よーく聞くとトリシアがディラの耳元で、ジョルティだけは食べていいよ、と呟いていました。

ノーティこれを資料にして魔法も試してみましょうか。とりあえず中庭に行ってみましょう

彼らは昨日戦いを繰り広げた中庭に向かいました。幸いメタフィールドの中で戦っていたため、中庭は荒れていません。見るに、確かに赤い花と黄色い花が生えているようでした。

ノーティ薬草に関しては私の魔法で何とかすることは出来ませんが、水辺によらずとも済むかもしれないので青い花を咲かせてみましょうか?

ノーティは中庭の噴水がある池に手を当て、エミナ・ノンノの魔法を唱え始めました。

ノーティ-〈エミナ・ノンノ〉
判定:12

初めての魔法にも関わらず、全く問題なく青い花を咲かせることに成功しました。一輪だけですが、水面で咲く花からは確かに良い香りが漂っています。

ノーティうまくきましたね、カレンさんの為にも、もう一輪欲しいところでしょうが、どうします?
クライブ「どうしたものか…普通に咲いている可能性もあるにはあるが」
ノーティ「咲くことは確認できたので、帰ってからでも良さそうですね。この花もここに残しておいて、北の洞窟に向かってみましょうか」

〈コンディションチェック-寝坊〉
ティエ:14(絶好調)

ノーティ「とりあえず、天気予報でも聞きに行きましょうか」

天気予報は前にノーティが占ってもらった場所でやっているようでした。どうやら、天気予報と占いの両方を担当している方のようです。

占い師「向こう2日、天気は良さそうじゃな。雨が降る様子もなさそうじゃ
ノーティあなただったのか……
占い師「おお青年、儂の占いはどうじゃったかな。どうかな、もう一度。何かしたい所なのじゃろ?

ノーティこの街の今後について……この街が上手くいくか占ってもらえませんか

ノーティはそう言って、懐から10Gを取り出して占い師に渡しました。

占い師「……街の今後?旅人が変わったことを訊くね。…………混沌としたイメージが見えるが……遠からずして光が射すじゃろうな」
ノーティ「それは良かったです……ああ、良かった」

クライブ「ついでに、見つかるかどうかも占ってもらおう」

今度はクライブがお金を出します。

占い師「……薬草と花を探しているんじゃな?……ううむ、どうじゃろうな、花の方は比較的簡単に見つかりそうじゃが……薬草は難しいかも知れん。こちらも……暗い中に光り射すイメージが見えるな
占い師「……時には「思い切ったこと」をするのも1つの方法かも知れんぞ

ノーティ(発破かな?)
占い師(環境破壊はよしなされ)
クライブ(塔破壊か)
占い師(もう壊してもしょうがないじゃろ)

ノーティそれでは出発の準備はよろしいでしょうか……って、僕が聞くことではないですね
クライブどうするんだ、リーダー
ティエいいよね?
トリシアいいんじゃない
ジョルティ青い花一人一個ノルマね
ティエなにいってんだこいつ)

ティエ「今回も今後も使いそうですし、道すがらハーブボトルのまとめ買いでもしておきませんか?」
ノーティ「それは名案ですね。お願いします」

ティエ-春夏冬→ハーブボトル4
判定:12(40%割引)

クライブさて、買い物は終わったか?
ティエ「はい。では改めて出発しましょう」

彼らは準備を済ませると、街の東出口から外へ出て、森の北にあるという洞窟を目指して歩き始めました。今日は天気もよく、それでいて暑すぎもせず、なんとも気持ちの良い日和です。

ティエ「そうだ、この前ミンストレルとしての勉強をしまして。晴れの歌を覚えたのでちょっと試してみます」

ティエ-音楽(晴れの歌)→目標10
判定:5

ティエの歌は……その、なんというか個性的でした。……残念ながら皆の調子を良くすることはできなかったようです。慣れていないのですから、仕方がありませんね。



〈移動チェック:晴れの森:目標10
クライブ:18
ティエ:Fumble
ノーティ:7(失敗)
トリシア:11
ジョルティ:3(失敗)

歌うのに失敗したせいでしょうか、ティエはなんとも散々な歩きぶりでした。……その他にも2名ほどかなり歩き疲れているようです。

〈方向チェック:晴れの森:目標10
ティエ:8(サポート成功)
ノーティ:5(失敗)

ノーティも疲れがあってか、地図を見誤ってしまったようです。想定よりも距離を進むことができませんでした。まだ、洞窟は見えてきません。

クライブ「とりあえず、この辺で緑の花でも探してみるか」
ディラ「ワン!」

〈花探し:敏捷・知力:目標10
クライブ:15
ティエ:13
ノーティ:9(失敗)
トリシア:12
ジョルティ:10

ディラの助けもあり、彼らは4本の緑の花を見つけることに成功しました。……確かに独特な、というか有り体に言えば少々嫌な臭いがします。

ノーティ「これは……なんとも形容しがたい……」

特にディラは嫌そうな態度で、緑の花を持っている皆から少し距離をとっていました。

クライブ「まあ、狩りに出るとするか」
ジョルティ「ディラも手伝ってー」
ディラ「ワン!」

ディラも狩猟に出た彼らに同行していきました。どうも猟犬としても訓練されているようですね。……レイジャはただの動物好きではなく、ブリーダーなのやも。

〈狩猟::目標10:ディラにより取れる食料+1
クライブ:4(失敗)
ジョルティ:10(食料2つ獲得)

ディラの助けもあり、ジョルティはこの近辺に生息しているアージェントウサギを2羽捕まえてきました。その頃、残ったトリシア達は野営の準備に取り掛かっています。

〈野営チェック:晴れの森:目標10
ティエ:9(サポート成功)
トリシア:12

野営地の設営には無事成功し、ジョルティ達が戻ってきた頃にはすぐにでも寝られるような状態になっていました。ディラは野営の外で眠り、夜の内に起き出して自分の食料を調達していたようです。

静かな森の夜が過ぎていきました。とはいえ、薬草探しには人命も関わっているのでそうゆっくりもしていられないのですが。

〈コンディションチェック-2日目〉
クライブ:15(絶好調)
ティエ:10(絶好調)
ノーティ:7
トリシア:6
ジョルティ:3

ジョルティ「もう帰りたい」
ノーティ「らしくないですね」
ジョルティ「花粉が痛い」
クライブ「森生まれだろ、どうしてたんだ」

〈薬草取り::目標10
ノーティ:10(成功)

ノーティにとっては久々の薬草取りでしたが、月下ノ雪割草を手に入れてきました。

ティエ「今日こそ、今日こそはちゃんと歌を……」

ティエ-音楽(晴れの歌):目標10
判定:8(失敗)

ティエの歌は昨日よりは幾分良かったものの、まだまだ彼らの調子を良くするには至りません。少しずつ、練習を重ねていくことが重要ですね。

〈移動チェック:晴れの森: 目標10
クライブ:17
ティエ:12
ノーティ:10
トリシア:17
ジョルティ:9(失敗)

ジョルティ「ディラ……おぶって……」
ディラ「ワンワン!!」

ジョルティはどうもかなり参っているようですね。ディラもさすがにジョルティを乗せていくつもりはないようです。……彼、本当に森生まれなんでしょうか?

ノーティ「今日は道に迷わないようにせねば」

ノーティ-アローコンパス
判定:Fumble

ノーティ「!?」
クライブ「そういう日もある。俺が手伝おう」

〈方向チェック:晴れの森:目標10
クライブ:6(サポート成功)
ノーティ:11

魔法には失敗したものの、今日は道に迷うことなく進むことができました。昼過ぎ頃に、小さな洞窟の入口があるのを見つけました。この入口は地下の方向へ向かっており、少し入ればかなり暗くなっていることが分かります。

クライブ「……周囲の安全を確保しよう」

〈動物探し::目標10
クライブ:14
ジョルティ:8(失敗)

ジョルティ「こっちは特に何も見つからないなー。クライブさんの方はー?」
クライブ「ん…何かあるな」

クライブが周囲の動物の痕跡を追うと、そう遠くない場所に小さな池があるのを見つけました。池の周囲には動物たちが集まっており、池の中には青い花が咲いているのが見えます。花は4輪あるようでした。

ティエ「あーこれが青い花」

ジョルティよし、1個残して全部取るぞ!!
ジョルティみんながんばれ!!
クライブ一輪で十分だろう…
ジョルティ断る!!
ノーティでは、ジョルティさん1輪だけは残して好きな数持ってください
ジョルティ「……2個にしとこう」

結局ジョルティは2輪だけ青い花を摘み、ノーティに渡しました。ノーティはそれをボトルの中に入れます。

ティエ「これで、青が3つに緑が4つですか。では、洞窟に行きますか」

洞窟に入ることを決めると、ジョルティがランタンを付け準備をしました。洞窟は狭いものの、まっすぐと伸びているため迷いそうにはありません。
1時間ほど行くと、開けた場所に到着しました。その場所は地下であるにも関わらず、ほのかに光が差し込んでいます。目が暗闇に慣れてしまっていたせいで、ティエは少々眩しそうにしていました。
光があたっている部分には草も生えており、ちらほらとハーブらしきものがあるのも見えます。

ノーティ「とりあえずハーブを詳しく見てみましょう」

ノーティは光のあたっている部分に近づき、それぞれのハーブを詳しく見始めました。中には釣鐘ツユクサのようなハーブが2つ生えています。葉の裏を見ると、緑のものと白のものがありました。

ノーティ「ええと、確か釣鐘ツユクサの葉の色は……」

ノーティ-職業知識(ヒーラー)
判定:15

ノーティ「緑でしたね。つまり、この白いのが……」
クライブ「エリキシアか」

ノーティはさらに、本来は砂漠に生えているはずの「黒ガラン瓜」も見つけました。……緑の花以上に嫌な臭いがするハーブですね。

ノーティ「不思議な場所もあるものですね。とりあえず、全て採っておきましょう」
クライブ「…ディラが凄まじく嫌がりそうだな」
ディラ「グルルルルル」

トリシア「なにか出てきそうな場所だけど」
ノーティ「辺りに気配は感じられませんね」
クライブ「若干物足りないが…ま、何もないならそれに越したことはなかろう」
ノーティ「では、薬草探しの目的は果たしたということですね」
ディラ「ワン!」
トリシア「わん」

ジョルティ「早く帰ろう」
ティエ「帰りましょう」

そうして彼らは洞窟を後にして、アージェントに戻ることにしました。

……さて、帰り道もまあ、特に何も起こりませんでしたので--

〈ブレス発動:ミライ〉
時間をスキップさせる

--まあ、このような形で。道に慣れていたこともあり、1日でアージェントまで帰り着く事ができました。

ノーティ「それでは、赤と黄色の花を採るために保護液を購入していきましょうか」
ティエ「そうですねー」

アージェントに戻ると、彼らはまず近くにある雑貨屋に入り、それらしいものがないかを探し始めました。

雑貨屋「花の保護液をお探しかな?今なら保護液5本分と、専用容器、併せて100Gだよ!」
ティエ「おっちゃんそれちょうだーい」
雑貨屋「まいどありー。まだ若いぞー」
ティエ「アリガトーオニイチャーン」

無事、保護液を購入することができました。それから、赤と黄の花、それに中庭に残したままになっている青の花を回収するために、館の中庭へと戻って行きました。

ノーティ「さてと、それでは緑の花2本だけをボトルに残して赤い花を入れて……色が変わる時間を待つ間に赤と黄色の花に保護液を使ってと……」

ノーティが緑と赤の花を一緒のボトルに入れると、両方の花が微かに発光し始めました。ノーティはその反応について、ノートに書き記しています。
そうしている内に1時間程が経過すると、緑の花はすっかり紫色に変わっていました。ボトルを開けると、緑の花の嫌な臭いは消えて、すっかり良い匂い……というよりは美味しそうな匂いがしました。

ジョルティ「ジュルリ」
ノーティ「なるほど、こうして食事に使っていたわけですね。手間の掛かることで」
トリシア「じゃあ届けにいこっかー」

諸々の準備が終わった頃、そこにラナがやってきました。

ラナあら、みなさんお揃いで
ノーティこれはこれはこれは

ラナが到着するや否や、トリシアが突然ラナの胸に手を伸ばして揉み始めました。……揉み始めました!?いや、何をしているのでしょうか!?口が悪いだけで常識的だと思っていたのに彼女まで!?

トリシア「おっ、柔らかい」
ラナ「これでも感覚がある作りなのでやめて下さいね?」
ノーティ「おっじゃないですよ ほぼ犯罪ですよ」
ジョルティほぼなんだ
クライブ「普通に犯罪なんだよなあ」

ラナ「やっぱり変わった人たちですねぇ」
ラナ「いや、私の胸のことなんて良いんですよ。花束を作っているとお聞きしましたので、そのままというのも味気ないかと思いまして。花束の包みを用意しておきました。よろしければお使い下さい」
ノーティ「それはそれは

ラナはそう言って包みを渡して、未だに胸を揉み続けているトリシアの頭に軽く手を置き、去って行きました。

トリシア「じゃ、改めていこっか」
ノーティ「そうですね、ディクソン家に向かいましょう。受付で馬車を借りましょう」

手に入った5色の花をまとめて花束として、中庭からロビーへと向かいました。受付の女性が持っている花束を見て話しかけてきます。

受付「依頼の件ですね?ディクソン家に向かうなら、馬車を手配しますよ」
ノーティ「お願いします」

暫くすると、領主の館の階段前に馬車が到着しました。御者席には迎賓館の管理人が座っています。

管理人「どうぞ、お乗り下さい」
トリシア「おっちゃんディクソン家までー」
管理人「場所は分かりますのでお任せを」
クライブ「随分あちこちに引っ張りだこだな」
管理人「本職が暇ですからね」

馬車が走りだすと、それほど時間をかけることもなく、西街にある一軒の邸宅の前に到着しました。邸宅には大きな門があり、前庭には噴水や、グリフォンの形をした石像などが置かれています。

ノーティ(普通の住宅街の方には、依頼を出すのも難しいのでしょうか……)

彼らが門の前に到着すると、門番が声をかけてきました。

門番「依頼を受けてくださった方ですね。どうぞ、主人がお待ちです」

門番は門を開けて、彼らを中へと招き入れました。前庭を通り、家に到着すると、扉の前で身なりの良い男性が待っていました。

リックおお……君達が依頼を受けてくれたという方々ですね。私は依頼主のリック・ディクソンと申します

ジョルティ-礼儀作法(対抗)
ジョルティ:3
リック:19

ジョルティおう、お も て な しの準備は出来てるか!?
ジョルティ依頼こなしてきたぞ!!

前の旅のノーブルごっこの方がまだマシなのが飛び出しています。……この人はやっぱり大丈夫ではない。明らかに依頼主の男性も狼狽えています。

リック「……ええ、ありがとうございます
ジョルティ疲れてんだよぉ!こっちは!!美味しいご飯食べたいんだよぉ!!

ノーティこれが本物との差、ですかね……
トリシアなんだこれ

リック妻はこちらの寝室で休んでおりますので、こちらにお願いします。……お静かに願います
ノーティジョルティさんは引いて頂いて……我々が対応します

リックはジョルティへの対応もそこそこに、彼らを妻の病床へと案内しました。

リック妻はベッドで眠っています。息が弱い用に見えますが、苦しんでいるような様子はあまりありません。……薬草を、お使いいただけますか?
ノーティ間に合ったと捉えてよいでしょう……それでは

ノーティ-治療→病床の妻
判定:8

ノーティは採取してきたエリキシアと思しき薬草を病床の妻へと飲ませました。すぐに何か様子の変化があるようには見えません。

ノーティ「さて、どうでしょうか……」
リック「エリキシアの効果は遅効性と聞いております。……治りましたら、こちらから報酬をお渡しに参ります。この度は、真にありがとうございました」

リックはそう言って治療をしたノーティと、見守っていた他の旅人達に礼をしました。するとその時、部屋のドアを開けて少女が入ってきました。年の頃は12.3といったところに見えます。こちらの少女も身なりがよく、彼らを見て丁寧に礼をしました

ターナーお父様の依頼を聞いて頂いて、ありがとうございました。もう1つの依頼を出しました、娘のターナーと申します
ターナー……花束の方も、お持ち頂けたのですね。エリキシアは難しいと思って出した依頼だったのですが……どちらもこなして頂けるとは、本当にありがとうございます
ノーティとんでもない、旅人の役目を果たしたに過ぎません
ターナーいえ、普通にできることではありません。花束はこちらにお願いします。私が後ほど活けますので

ティエ(これが本物のノーブルか)

ターナー私の方の依頼はこれで達成して頂けましたので……この場で報酬をお支払いします。あまり多くなくて申し訳ないのですが……

ノーティ娘さんから頂くわけには!)
クライブ(お、ノーティが何か葛藤してる)

ターナーは報酬として、2500Ḡ程入っていそうな袋をノーティに渡しました。ノーティはその袋の重みを確認して、他の皆に小さな声で話しかけます。

ノーティこんなに頂けるわけ……
ティエ「この後のことを考えてお金はあっても困らないんだよなあ……」
トリシア「依頼には報酬を、ちゃんと考えてしっかり教育されてる娘さんだよ。貰うことが誠意だと思うよ」
ジョルティ「貰えるものは貰っとけよ、旅人だぞ俺ら」
クライブ「好きにしたらいい、俺はどちらでも構わん」

リックいつのまに、娘も依頼を出していたのですね。父として、把握しておりませんでした。……改めまして、ありがとうございます
リックエリキシアに快気願いの五色花、両方あれば妻もきっと良くなります
ノーティ我々もそれを願っております

リック……そちらも、娘として考えた報酬だと思います。どうぞお納め下さい
リックそれでは、妻の容体が回復しましたら報酬を持って改めて参ります。この度は真にありがとうございました
ノーティこちらこそ。失礼致します

ターナーからの報酬を受け取り、彼らはディクソン家を去り、館へと戻りました。自分たちの部屋に戻る前に、もう1つの花束を手にカレンの部屋へと向かいます。

ノーティ「五色花を作ってきました。どうぞ」
リン「……ありがとう。花束、感謝する。カレンもきっと良くなるはず」
ジョルティ「こっちはリンちゃんに」

ジョルティはリンに個人的に青い花を手渡します。

リン「……本当に持ってきたのね。良い香り……こちらも感謝する」

そうして、彼らはカレンの部屋を出て、館の自分の部屋へと戻りました。受付の方によると、アージェントに滞在する間はこちらの部屋を使って良いとのことでした。希望なら迎賓館などに移ることもできるそうです。

それから、2日ほど皆はゆっくりとアージェントでの生活を楽しみました。すると、その日の昼頃にロビーにリックが訪れます

リック「皆さん……あのエリキシアは、本物だったのですね。あれから2日、妻の様子がすっかり良くなりました。これまで、エリキシアと呼ばれるものは全て偽物でしたので……正直驚きました。本当に、ありがとうございます」
トリシア(疑われていた)
ノーティ「お役に立てて何よりです」

リック……こちらはお約束の報酬です。妻の命のことを思うと報いきれるものではありませんが、どうぞお受取り下さい

リックはそう言うと、高級そうなケースに入った紫色の宝石を彼らに手渡しました。綺麗にカットされた宝石は、周囲の光をキラキラと反射させています。

ティエ-職業知識(マーチャント)
判定:10

ティエ(これは……かなり高価なものですね。1Gは下りませんよ。……そうそう扱ってくれる場所もありそうではないですけど……)

リック「4代前に、当時のアージェント伯から下賜されたものです。妻の命に報いられるものではありませんが……」
ノーティ(奥さんの命は家宝より重いということか)

リック……それと、もう1
リック「この度の働き、誠にありがとうございます。……今回の件を受けて、皆様を「アージェント予備騎士」に推挙させて頂きたいと思うのですが……」
トリシア「それは?」
リック「……それほど大きな意味があるものではありませんが、アージェントとして外部の方に与える勲章のようなものです」
トリシア「ありがとうございます」
ジョルティ(あまりいらないなあ)
ティエ(アージェント御用達、って看板につけていいだろうか?)
クライブ(騎士…騎士か。適当に戦いふっかけるための理由付けにはなるか?)

トリシア「ありがたく頂戴致します」
ノーティ「ありがたく頂戴致します」

ノーティはいつもどおりですが、最近はトリシアも随分人によっては人当たりが良くなったというか、丁寧になりましたね。……いや、突然胸を揉み始めたりもするので安心はできませんが。

リックわかりました。それでは皆さん推挙しておきます。……改めてこの度はありがとうございます。私はこれで失礼致します

こうして、改めて礼をするとリックは館を去って行きました。それから、皆で受け取った宝石を眺めます。

〈特殊知識(マジック):知力・知力:目標10
ティエ:6(失敗)
ノーティ:8(失敗)

魔法の見識があるティエとノーティはその宝石から不思議な感覚を覚えましたが、それが何者かは分かりませんでした。

〈教養知識:目標10
ジョルティ:7(失敗)
トリシア:11

トリシアには、その宝石に見覚えがありました。……紫の宝石には、魔法を引き寄せる力がある--

第八話「表裏一体の」 了


と、今回はこのような話となりました。戦闘もなく、終始穏やかな雰囲気で、とても落ち着いていられたので良かったです。……特に私は、今回の「薬草探し」は失敗しても大丈夫だということが薄々分かっておりましたので。
……彼の妻は、病気ではありませんでした。彼らの持っていた紫の宝石が、カレンの放つ死の魔法を引き寄せてしまったために起こった「巻き込み事故」のようなものです。
すでにカレンの魔法は解かれていましたから、本当は彼らが何もしなくとも、助かっていたということですね。……まあ、野暮なことは言いません。結果的に、皆が幸せになる道を選ぶことができました。

さて、次回の旅ですが……実は、少しやってみたいことがありまして。この前、蒼竜人のリーズさんに会いましてね……

【MVP:ノーティ】

こちらは、2016/7/31に行ったオンラインセッションのリプレイです。ようやく少しずつ執筆が追いついてきました。
今回は、キャンペーンでは初めての「無戦闘」回でした。どうしても戦闘をすると長引いてしまうことが多いので、必ず入れるのではなく、随所随所で入れていく、という方針に変えた回でもあります。
今後も、PLの負担と相談しながら、セッションの方向性を変えていきたいなあ、と思う所存です。というわけで、次回ももう暫くお待ち下さい。



【参考サイト】

2 件のコメント:

  1. 長編シナリオから早速の執筆、お疲れ様です。
    戦闘無しでも旅歩きをメインにしてシナリオが出来るのがりゅうたまの特徴でもありますね。
    各花の詳細や紫の花の作り方など、丁寧な設定がしっかり引き立つ内容ですね。
    そして最後の種明かしもお見事。

    次は何やら変わった事をする様子なので、楽しみにお待ちしております。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。かなり間が空いてしまったので、盆休みを使って連続して書きました。
      戦闘がないと微妙かなあ、と最初は思っていたのですが、PLからの評判も悪くないため、今後は上手く使っていきたいところですね!
      次回は変わった話となりますが、その前に現在の旅人達のステータスを公開する番外編を挟むかもしれません!

      削除

ご意見・ご感想、お待ちしております。