情報収集をしている彼らの記録をしていたことで眠るのが少し遅くなってしまいましたが、今日も変わらない時間に鳴ったゴーン、ゴーンという鐘の音で目を覚ましました。
すでに皆起きているようで、身支度を済ませると1人2人と部屋から出てきます。
〈コンディションチェック-4日目・ロイヤルスイート〉
クライブ:11(絶好調)
ティエ:12(絶好調)
ノーティ;8
トリシア:10(絶好調)
ジョルティ:6
美味しい食事付きの素晴らしい部屋だったということもあり、割合皆体調は良さそうです。遅くまで探索をしていたノーティとジョルティだけは、皆に比べると平調という感じでした。(パワーは起きてきませんでした)
集まった皆はまずとりあえず、昨夜集めた情報を共有することにしたようです。
ジョルティ「チーズうめぇ……胃もたれした……」
ティエ「みんな集まったところで、カレンの部屋で手紙拾ったんですよ。ちょっとみんなで見ましょう」
ティエは皆の前で昨夜カレンの部屋の机から持ちだしていた封筒を開けました。中には一枚の便箋が入っています。便箋には小さな字で「お父様、間違っていたら叱って下さい。お母様、許して下さい」とだけ書かれていました。
ノーティ「それでは次はこちらの情報を。昨夜レイジャ氏とロイ氏からそれぞれ話を聞きました。カランド氏の生前の能力や、「死の魔法」の力の一端について予測しておきました」
クライブ「俺は……リンから話を聞いた。カレンのことが少し分かったが……それぐらいだな。屋上に足跡があったが……大したことではないだろう」
ジョルティ「ルーカスから話は聞いたけど、そこまで重要なことは分からんかったな。魔法とやらが暴走する可能性があるとかなんとか言ってたが」
情報収集の甲斐もあり、今日明日には対峙することになるであろうカランドやカレンについて、多少の情報が見えてきたようです。……これまでの旅で、最強の相手となることでしょう。いざとなれば私も手を貸さねばならないかも知れません。
――傍観に徹し続けるべきなのか、私はまだ迷いつつありますが――
さて、そんなこんなで情報共有を済ませると、彼らはまっすぐロビーへと向かいました。ロビーには机と椅子がいくつか並べられており、他の5人はすでに座って食事をとっていました。
ディラもレイジャの足元で食事にしているようです。ルーカスの鷲は見当たりませんでした。
ルーカス「おはようございます。お先に食事を頂いておりました。皆様も席についていただければ、食事が用意されますので、どうぞ」
クライブ「いただこう」
ルーカスが促すと、クライブはすぐに近くの席に座りました。するとどうしたことでしょう、使用人の詰め所の方から食事やコーヒーなどが乗ったお盆がひとりでに浮遊し、クライブの目の前の机に届きました。
ジョルティ「!?!?」
ロイ「僕の魔法です。以前魔法付与をしたものがあったので……。今日は朝からメイドに避難させていますので、このような形に。どちらかというと、こういった魔法の方が得意なんです。本来は」
この時のロイの言葉を聞いて、ラナがどこか複雑そうな顔をしていました。……それもそうでしょう。
<???:目標16>
クライブ:Critical
ティエ:10
ノーティ:9
トリシア:5
ジョルティ:6
クライブは、ラナの表情の動きから、ただ1人彼女の「真実」に辿り着いたようです。ラナと同じように、彼もまた複雑な表情を見せていました。
ジョルティ「クライブさん、あんまり女性の顔じろじろ見るもんじゃないすよ」
クライブ「いや……ふむ。なんでもない」
ラナ「どうかなさいましたか?」
ジョルティ「なに?惚れた?惚れたの?」
ジョルティ「ああいうのが好み?」
クライブ「さて、な」
ジョルティ「指輪に誓って?」
クライブ「……指輪のことはやめろ」
ジョルティ「へーい」
……ここで、ラナの真実について語るのはやや尚早の感があります。竜の君にも、もう少し後まで、お待ち頂ければ幸いです。
ラナとクライブが複雑な心情に思い巡らせている間に、他の旅人たちも着席し、同じように浮遊する朝食が飛んできました。……これも、高度な魔法付与ですね。
食事が届くとクライブをからかっていたジョルティももうどうでもよいとばかりに食事に集中し始めました。
程なくして食事が終わったのを見計らい、ルーカスが話を始めました。
ルーカス「お口に合いましたでしょうか」
ルーカス「……決行は、本日としたいと思います。昨日の夜、穢れの魔物が発生しなかったとロイが言っておりました。……嵐の前の静けさとでもいいましょうか……嫌な予感がします」
ルーカス「……皆様の準備ができ次第、塔の鍵を開きます」
ノーティ「私は儀式魔法をクライブさん・トリシアさん・ジョルティさんに掛けておきます」
<魔法発動判定:ラック・ラック・ラック>
ノーティ:11(成功)
ノーティの儀式魔法の発動が終わる頃には、10時頃となっていました。陽の光も高く「死」とは遠ざかっているような時間帯です。
ルーカス「ああ、すっかり忘れておりました。ご要求のありましたハーブを用意しておきました。あまり数はありませんが……」
ノーティ「それはありがたい」
ノーティは「王冠アサガオ・大鬼漆・釣鐘ツユクサ」を受け取りました。戦闘でも役に立つことでしょう。昨日の今日で用意できるのはさすがアージェントというところでしょうか。
ルーカス「そろそろ、準備はよろしいでしょうか?」
ノーティ4私は準備できています 皆さんは?」
ジョルティ「いいよ」
二つ返事で答えたジョルティの口はモゴモゴとしており、明らかに何か食べていました。
ティエ「のみこめ」
クライブ(わぁい)
ジョルティ「ウェーイ!!」
ルーカス「……承知しました。それでは、塔の前までお集まり下さい。鍵を開けます」
……そこそこ長い付き合いの私ですらまだ戸惑うジョルティの奇行を物ともしないのは只者ではありませんね?
……なんていうことは良いとして、彼らはルーカスに先導されて慰霊の塔の前に集まりました。ルーカスは懐から鍵束を取り出し、長らく封じられていた塔の鍵を開きます。
塔の中は窓があまりないためか、この時間でも薄暗い様子です。螺旋階段が上部に向かって伸びていますが、階段は横並びでも歩くことができるほど広いものでした。
少し急な階段ではありましたが、旅で慣らしてきた彼らにとっては大したことはないでしょう。
ジョルティ「ルーカスさん道案内宜しくね」
ジョルティから暗に「先に行け弾除け」というような思念が飛んでいるような気がします。
ルーカス「はい、勿論私達が先に参ります」
クライブ「さて、何が出てくるやら……」
剣の柄に手を添えながらそういうクライブの口元は、愉しげに微かに釣り上がっていました。……ここ最近の彼は戦闘の時だけ別人のようです。
ティエ(あれ?こんな殺人鬼キャラだっけ?)
そのまま、ルーカス達アージェントの面々を先頭に塔を登っていきます。その途中、ゴーンという鐘の音が響きました。聞き慣れた鐘の音を響き渡らせる鐘楼を、それぞれが違った目で見つめていました。
ルーカスは目を細め、ロイとラナは戸惑いが残っているような目を見せています。……レイジャとリンの目からは、もう迷いのようなものは見られません。
それから数分程、ついに彼らは慰霊の塔の最上部へと辿り着きました。階段の終端には木製の装飾扉が鎮座しています。塔自体はそこまで古いものではないにも関わらず、まるで大昔からあるような雰囲気が扉から感じられました。
ルーカス「……ここが、カランド様とカレン様のいらっしゃる部屋です」
ルーカス「……入りましょう。準備は良いでしょうか?」
クライブ「……迷いは死を呼ぶ。そうと決めたら迷わないことだ……失うのが怖ければ、な」
ノーティ「よし、行きましょう」
ジョルティ(何か酔っぱらいが語ってる)
ティエ(あの殺人鬼酒臭い)
彼らの承諾を得て、ルーカスが扉に手を掛けると、鍵は掛かっておらず、そのままギィと蝶番の錆びた音と共に開かれました。
扉の向こうには、今が昼であることを忘れるような暗さの部屋が広がっています。黒いカーテンから漏れる微かな光で、辛うじて見えたのは大きなベッドと、その隣に佇む車椅子の女性だけでした。
こちらの存在に気付いた車椅子の女性が、錆びた車輪を鳴らしながらこちらに振り向きます。女性の肌は真っ白で、黒檀の髪は腰程まで伸びていました。……しかし、人間を逸脱しているような、そんな様子はありません。
ジョルティ「あれがカレンちゃん?まだご健在みたいね良かったね」
ジョルティがそう言ったのを全く聞いていないかのように、彼女は話し始めました。声はか細いにも関わらず、何故かはっきりと耳に届きます。
カレン「……ルーカス。領主の寝室に無断で入るとは無礼ですよ」
カレン「……それに、そんなに大勢で。何をしに参ったのですか」
ルーカス「……カランド様に、安らかな眠りを与えに参りました。できることならば、どうか自ら死の魔法をお解き下さい、カレン様」
ルーカスの問いかけに、カレンは全く返答する様子はありません。その返答の代わりとばかりに、塔の外からけたたましい音が鳴り響きました。沈殿した空気を引き裂くようなその音は、私にも聞き覚えがあります。これは、「アラート・ベルアラーム」の警告音に違いありません!警告音は明らかに四方八方から響き渡っています。
ロイ「……馬鹿な、こんな昼間に……!?」
ロイ「まずい、これは私の掛けた警戒魔法です。この音は……、穢れの魔物達が市街に向かっている……!」
ルーカス「……何故、市街に……!?」
ルーカス「……仕方が有りません。街の地理は私達の方が詳しい。急いで向かわなけれは間に合いません」
ノーティ「一昨日のあの数を処理できるのはロイさん達でなければできないことでしょう、よろしく頼みますよ!」
ジョルティ「チノリもあるしね」
リン「……全員で向かう必要はない。……レイジャ、ここは任せる。街は私達で何とかする」
レイジャ「……承知した。御恩を返す時です、カランド様」
ジョルティ「リンちゃあああああああああああああああん!!気をつけてね!!」
ジョルティ「ヴェルガさん頑張ってね!!」
ジョルティ「リンちゃあああああああああああああああん!!」
……もう何も言うまい。
ロイ「このような運びとなって申し訳ない、穢れを祓い次第戻ります!」
ロイとラナ、ルーカス、リンがそうして塔を大急ぎで下って行きました。この場には、旅人達とレイジャ、そしてカレンとベッドに眠る「彼」だけが残されています。
カレン「レイジャ……お父様への恩を仇で返すつもりなのですね」
カレン「……余所者まで巻き込み、このようなことを。……もう、皆も……あの頃のようには…‥」
カレン「……お父様。力を貸して下さい」
カレンがそう、ベッドの方に声を掛けると、長い眠りから彼が起き上がりました。体格の良い……「肖像画」に描かれていたのと全く変わらない彼が、カレンの前に立ち塞がります。
瞳が赤く光っていることを除けば、通常の人間と違いがあるようには見えませんでした。……彼は枕元にあった細剣を手に取り、意志を失った赤い瞳で彼らを捉えました。
ノーティ「肉体もあの肖像画のまま……!
やはりとんでもない代償を払っているに違いない……」
《戦闘開始》
慰霊の塔の部屋は、昨日宿泊したロイヤルスイートの部屋と大きな違いはないようです。広さも十分あり、戦闘に支障を来すことはないでしょう。
〈判明情報〉
ここで、先に、彼らが情報収集によって得たカランド・カレンに関する情報についても簡単に紹介しておきます。
【カランド・アージェント】
ステータス(レイジャの情報により判明)
HP46
MPなし 防護3(アンデッド)
〈穢れた剣〉(ロイの情報により判明)
カランドの攻撃が命中した際、体力・精神のチェックに失敗した場合に追加効果が発生する。
〈穢れた體〉(ロイの情報により判明)
カランドに攻撃を行った際、攻撃者のコンディションが1下がる。
【カレン・アージェント】
ステータス(リンの情報により判明)
HP23
MP46 魔法防護2
〈魂を繋ぐ鎖〉(ルーカスの情報により判明)
カランドのHPとカレンのMPは同期する。
〈???〉(カレンの手紙から判明)
カレンの戦闘不能時に発動する。
〈イニシアチブチェック〉
前 弓 ジョルティ Init13
HP30 MP10 Cond6 ラック
後 弓 トリシア Init10
HP24 MP8 Cond10 ラック
前 剣 レイジャ Init10
HP24 MP12 Cond8
後 竿 ティエ Init8
HP18 MP18 Cond12
前 剣 クライブ Init8
HP20 MP12 Cond11 ラック
前 剣 カランド Init8
HP46 MP0 Cond8
後 短 ノーティ Init7
HP17 MP13 Cond8
後 無 カレン Init5
HP23 MP46 Cond3
カレン「……私達の聖域を、このように侵したこと、後悔することです」
長い道のりの果てに辿り着いたこの場所で、不死者カランド・アージェントを巡る戦いの口火が切られました。初めに動いたのは、ジョルティです。
ジョルティは極限まで集中力を高め、カランドに向かって矢を放ちました。その矢は直接カランドに向かうものではなく、室内にある調度品に反射させて狙うというものでした。
ジョルティ-攻撃→カランド
命中判定:10(命中)
ダメージ:4(防護3)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
ジョルティの矢は命中しましたが、何か魔法的な障壁に阻まれ、十分なダメージを出せていないように見えました。アンデッドの持つ装甲とは、また別の力が働いているように思います。
次に、トリシアは状況を改めて把握するために、様子を見始めました。この状況に、まだ落ち着きをもって対応できていないと判断したのでしょう。
トリシア-様子見
イニシアチブ:12
レイジャ「……お久しぶりです。カランド様。……このような形ではなく、また会いたかった」
レイジャは小さな声でそう呟くと、剣を握り直しました。迷いを振り切るように、カランドへと切りかかります。
レイジャ-攻撃→カランド
命中判定:17(命中)
ダメージ:0(防護3)
〈意識の外〉:対象が単体の場合は2回攻撃
命中判定:8(命中)
ダメージ:5(防護3)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
ティエは前衛では命が危ないと判断し、後衛からサポートに徹することにしたようです。カランドの動きを鈍らせるため、釣り竿を使ってフェイントを行いました。
ティエ-フェイント→カランド
成功判定:12(成功)
イニシアチブ-1
〈穢れた體〉によりコンディション-1
クライブ「いくら悲しかろうが死は死。それだけは変えちゃいけない……それだけは」
自らの経験から、多くの死に触れたクライブは、死に関する特別な哲学を持っているように思えます。カレンに向けたものなのか、あるいは自分自身に向けたものなのか、そう呟きながら銀の剣の柄を強く握り攻撃を行います。
クライブ-攻撃→カランド
命中判定:9(命中)
ダメージ:0(防護3)
〈ラック・ラック・ラック〉により振り直し
ダメージ:0(防護3)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
浅く入ったクライブの攻撃を見て、カレンは小さく笑っていました。
カレン「死の運命を背負っているのは、どちらなのかしらね?」
次に、ノーティは長期戦を見越して、ジョルティのサポートを行います。
ノーティ-エンハンスド・レッドハンド→ジョルティ
発動判定:7(成功)
ジョルティの命中+1
ノーティと同時に、カランドも動いていました。生気のない赤い瞳が、クライブの姿を捉えています。銀の細剣が、素早くクライブへと迫りました。
カランド-攻撃→クライブ
命中判定:16(成功)
ダメージ:5
〈穢れた剣〉
対抗:7(失敗)
効果:後列移動
クライブに命中したカランドの剣から、黒い穢れの力が吹き出しました。穢れの力は突風のようにクライブを吹き飛ばし、後列にいるノーティの隣まで移動させられてしまいました。
クライブ「ちっ……こんな役割ばっかりか……!」
……言われてみると確かに、クライブはどうも毎回酷い目に遭っている気がします。
カレン「お父様と私の邪魔をしないで……!部外者が……!」
カレンは激昂しているような様子ではありますが、長く塔の中で生活をしていたためか、あまり大きな声は出ていません。浅いながらもカランドに傷をつけたクライブに向けて手を伸ばし、何やら見慣れない魔法を放ちます。
カレン-〈二人きりの永遠〉
命中判定:7(失敗)
放たれた黒い波動はクライブの横を掠めて行きました。カレンが魔法を放ったことにより、カランドの穢れの力が俄に増したように思います。
〈ラウンド2〉
〈戦況変化〉
前 弓 ジョルティ Init13
HP30 MP5 Cond5 ラック レッドハンド
後 弓 トリシア Init12
HP24 MP8 Cond10 ラック
前 剣 レイジャ Init10
HP24 MP12 Cond7
後 竿 ティエ Init8
HP18 MP18 Cond11
後
剣 クライブ Init8 HP15
MP12 Cond10
前 剣 カランド Init7
HP37 MP0 Cond8 穢れ+1
後 短 ノーティ Init7
HP17 MP9
Cond8
後 無 カレン Init5
HP23 MP37 Cond3
次も、最初に動いたのはジョルティです。先ほどと同じように、集中力を高めつつオブジェクトを利用した射撃を行いました。エンハンスド・レッドハンドの効果もあり、より一層冴えた射撃がカランドに襲いかかります。
ジョルティ-攻撃→カランド
命中判定:11
ダメージ:9(防護2)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
先ほどと同じく、何かしらの魔法的な防御が矢の勢いを弱めました。しかし、先ほどよりも防御は薄くなっているようです。
予想外の大きなダメージに、カレンも微かに狼狽えている様子が見えます。
トリシアはまた、戦場の様子を見ています。安全を確保することを第一に考えているのかもしれません。
トリシア-様子見
イニシアチブ:9(変化なし)
レイジャ「……死して尚、衰えていない。恐ろしいお方だ」
レイジャもまた、カランドに向かって剣を振るいました。剣戟の中に、複雑な思いを感じさせます。
レイジャ-攻撃→カランド
命中判定:10(命中)
ダメージ6(防護2)
〈意識の外〉
命中判定:10(命中)
ダメージ:3(防護2)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
レイジャ「俺も、少しは上達しているでしょうか……」
続けざまに繰り出された2つの剣戟は、少なからずカランドに傷を付けました。
ティエは再び、サポートとして釣り竿によるフェイントを行います。
ティエ-フェイント→カランド
成功判定:8(成功)
カランドのイニシアチブ-1
〈穢れた體〉によりコンディション-1
クライブ「……ここは見に徹するか」
クライブは先ほどの攻撃で後列に吹き飛ばされてしまっているため、攻撃を行うことができません。傷もあるため、回復を受けてから前列に戻ることにしたようです。
クライブ-様子見
イニシアチブ:12
ジョルティ
「クライブさん、ちょっと俺体調悪くなってきたから早く帰ってきて」
クライブ「ちょっとだけ待ってろ」
ジョルティ「不思議と胃がムカムカする」
ノーティは傷付いたクライブをハーブを用いて治療しました。
ノーティ-治療→クライブ
回復量:10
クライブのHPが最大まで回復
カランドはあたりを睥睨し、今度はジョルティに視線を合わせました。鋭い銀の細剣がジョルティへと迫ります。
カランド-攻撃→ジョルティ
命中判定:14(命中)
ダメージ:2(防護1)
〈穢れた剣〉
対抗:6(失敗)
カランドの剣はジョルティに命中しました。しかし、ジョルティは鎧もあり、あまり大きなダメージを受けていません。剣から放たれた穢れもまた、何も起こすことなく放散しました。
ジョルティ「カランドさんなんか弱ってない?」
大きな傷を受けているカランドを見て、カレンはその場で目を閉じ、祈りを捧げ始めました。
カレン「お母様……私達のことをお護り下さい」
カレン-〈母の愛の幻影〉
回復判定:4
カランドのHP、カレンのMPが4回復
カレンのHPが3減少
〈ラウンド3〉
〈戦況変化〉
前 弓 ジョルティ
Init13 HP30 MP5 Cond4
ラック レッドハンド
後 剣 クライブ
Init12
HP20 MP12 Cond10
後 弓 トリシア
Init12 HP24 MP8 Cond10 ラック
前 剣 レイジャ
Init10 HP24 MP12 Cond6
後 竿 ティエ
Init8 HP18 MP18 Cond10
後 短 ノーティ
Init7 HP17 MP9 Cond8
前 剣 カランド
Init6
HP23 MP0 Cond8 穢れ+1
後 無 カレン
Init5 HP20
MP23 Cond3
ジョルティはまた、集中力を高め、周囲の調度品に反射させる形で矢を射ます。角度の変わった矢が、カランドへと襲いかかりました。
ジョルティ-攻撃→カランド
命中判定:16(命中)
ダメージ:2(防護2)
〈ラック・ラック・ラック〉により振り直し
ダメージ:1(防護2)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
ジョルティ(どこがラッキーだ!減ってんじゃねーか!)
ノーティから回復を受けたクライブは、再びカランドと剣を交わすべく、前線へと戻りました。
クライブ-移動→前列
トリシアはまだ、様子を見るのに徹しています。
トリシア-様子見
イニシアチブ:11(変化なし)
ジョルティ「メスゴリラがサボりすぎで吐きそうなんだけど!」
レイジャ「……もう一度、カランド様と旅がしたかった」
レイジャは、やはり遠き日の記憶に思いを馳せているようです。それでも尚、それだからこそ尚、カランドに向けて剣を振るいます。
レイジャ-攻撃→カランド
命中判定:4(失敗)
〈意識の外〉
命中判定:6(命中)
ダメージ:5(防護2)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
ティエもサポートの手を緩めることはありません。室内で釣り竿を振るうという、もうその画自体がちょっとしたフェイントになっている気がします。
ティエ-フェイント→カランド
成功判定:8(成功)
カランドのイニシアチブ-1
〈穢れた體〉によりコンディション-1
ノーティもここで、もう一度戦場を見渡すことにしたようです。
ノーティ-様子見
イニシアチブ:11
カランドはジョルティからまだ視線を逸らしていません。そのまま、先ほどと同じように細剣を振るいます。
カランド-攻撃→ジョルティ
命中判定:13(成功)
ダメージ:0(防護1)
〈穢れた剣〉
対抗:6(失敗)
カランドの剣の勢いは、明らかに弱まっていました。ジョルティの鎧すら貫くことができません。放たれた穢れは、カランド自身に吸収されました。何か、死の魔法にも陰りが見え始めたのかもしれません。
カレンは、目に見えて焦っているようです。再び目を閉じ、彼女にだけ見えているのかもしれない、母に祈りを捧げました。
カレン-〈母の愛の幻影〉
回復判定:12
カランドのHPとカレンのMP12回復
カレンのHP3減少
カレン「お母様……どうか微笑みを見せて……」
〈ラウンド4〉
〈戦況変化〉
前 弓 ジョルティ
Init13 HP30 MP5 Cond3
レッドハンド
前 剣 クライブ
Init12 HP20 MP12 Cond10
後 弓 トリシア
Init12 HP24 MP8 Cond10 ラック
後 短 ノーティ
Init11
HP17 MP9 Cond8
前 剣 レイジャ
Init10 HP24 MP12 Cond5
後 竿 ティエ
Init8 HP18 MP18
Cond9
前 剣 カランド
Init5
HP29 MP0 Cond8 穢れ+2
後 無 カレン
Init5 HP17
MP29 Cond3
ジョルティは体調の悪化が深刻になってきたこともあり、これ以上穢れを受けないように後列へと下がりました。
それと代わるように、戦場の把握に見切りをつけたトリシアが前列へと躍り出ます。
ジョルティ-移動→後列
トリシア-移動→前列
ノーティの治療により英気を取り戻したクライブは、柄を握る力を強めながらカランドに攻撃を行います。集中した瞳がカランドを捉えています。
クライブ-攻撃→カランド
命中判定:15(命中)
ダメージ:9(防護1)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
ノーティはカレンの方を見据え、じっくりとその魔法の能力を見極めます。
ノーティ-知見→カレン
判定:14(成功)
ノーティの目は、カレンの死の魔法の一端を捉えました。
〈二人きりの永遠〉
カランドに最後にダメージを与えた敵に対してd12魔法攻撃。
命中時は、同エリアの他の相手に対して2MPダメージ。
使用時、カランドの穢れが1つ上昇する。
レイジャ「……あの竜と戦った時のことを、今でもよく覚えています」
レイジャは度々登場した野良竜を倒したという逸話に思いを巡らせているようでした。不死者となったカランドに、全盛期のカランドにも迫るような剣戟を浴びせます。
レイジャ-攻撃→カランド
命中判定:14(命中)
ダメージ:7(防護1)
〈意識の外〉
命中判定:14(命中)
ダメージ:5(防護1)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
レイジャ「少しは、近づけただろうか……」
ティエもこれ以上カランドにフェイントを行う必要はないと判断し、カランドの穢れの力を見極めるべく目を凝らします。
ティエ-知見→カランド
判定:8(成功)
魔法に造詣はないティエですが、実際に発生している穢れから、その力を読み解くことに成功しました。
〈穢れた剣〉
攻撃命中時、対抗に負けたものはランダムで以下の効果を受ける。
1:毒8
2:大怪我8 3:病気8
4:だるい8 5:ハイ8
6:ショック8
7:追加魔法ダメージ5
8:イニシアティブ-1
9:MPダメージ5
10:カランドの穢れ+1
11:効果なし 12:後衛へ移動
カランドは後列に退いたジョルティから目線を切り、飛び出してきたトリシアに移しました。そして、歓迎とばかりに剣を振るいます。
カランド-攻撃→トリシア
命中判定:9(失敗)
トリシアは最低限の動きでその剣を避けます。戦場を見続けていたことが活きているようです。
カレンは再び母に祈りを捧げます。……この状態のことを、亡き母君はどのように思っているのでしょうか……。
カレン-〈母の愛の幻影〉
回復判定:9
カランドのHPとカレンのMPが9回復
カレンのHPが3減少
〈ラウンド5〉
〈戦況変化〉
後
弓 ジョルティ Init13
HP30 MP5 Cond3 レッドハンド
前 剣 クライブ Init12
HP20 MP6 Cond9
前
弓 トリシア Init12 HP24
MP8 Cond10 ラック
後 短 ノーティ Init11
HP17 MP9 Cond8
前 剣 レイジャ Init10
HP24 MP12 Cond4
後 竿 ティエ Init8
HP18 MP18 Cond9
前 剣 カランド Init5
HP17 MP0
Cond8 穢れ+2
後 無 カレン Init5
HP14 MP17
Cond3
ジョルティは後列に引き、体調を整えるために懐から取り出した食料を頬張りつつ、周囲を見渡し始めました。……彼なりのルーティーンのようなものなのかもしれませんね。
ジョルティ-様子見
イニシアチブ:5(変化なし)
前列に出たトリシアは、いよいよもって銀の矢を番え、弦を引き絞ります。
トリシア-攻撃→カランド
命中判定:2(失敗)
〈ラック・ラック・ラック〉により振り直し
命中判定:12(命中)
ダメージ:7(防護1)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
クライブは近くにあった燭台を蹴り飛ばし、カランドの気を引くようにしてから剣を振るいました。
クライブ-攻撃→カランド
命中判定:8(命中)
ダメージ:7(防護1)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
ノーティは弱ったカランドに止めをさすべく、攻撃に移ることにしたようです。左手に持った本が、シューティング・スターのページを示していました。
ノーティ-シューティング・スター→カランド
命中判定:13(命中)
ダメージ:1(防護1)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
ノーティ「足りませんか……」
レイジャ「……」
ジョルティ「後は任せたぞレイジャ、引導を渡してやれ」
ジョルティがマトモなことを言っているのに驚いている間に、レイジャは黙ってカランドへと剣を振るいます。
レイジャ-攻撃→カランド
命中判定:6(命中)
ダメージ:1(防護1)
〈意識の外〉
命中判定:8(命中)
ダメージ:0(防護1)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
ジョルティ「ん?ん?」
クライブ「……レイジャ?」
レイジャ「……まだ、迷いがあるのか……」
クライブ「迷いは死を呼ぶぞ……」
大方の予想に反して倒しきる事ができなかったレイジャは、微かにバツが悪そうな表情をしています。
ティエはここでもう一度周囲を見渡し、様子を見始めました。
ティエ-様子見
イニシアチブ:10
カランドは意思に応えるかのように、レイジャに視線を移します。在りし日には到底及ばないであろう、弱さを感じる剣でした。
カランド-攻撃→レイジャ
命中判定:13(命中)
ダメージ:3(防護2)
〈穢れた剣〉
対抗:9(失敗)
カランドの剣から放たれた穢れは、再びカランド自身へと吸収されていきました。魔法の逆流のようなものが発生しているように見えます。
カレンの表情は、もはや絶望的なものになっていました。必死に目を閉じ祈りを捧げようとしていますが、彼女にすら、母親の顔がもう見えなくなってしまっているのかも知れません。
カレン-〈母の愛の幻影〉
回復判定:4
カランドのHPとカレンのMPが4回復
カレンのHPが3減少
カレン「お母様の微笑みすら……もう見えない……」
……彼女自身、もう止まることができなくなっているのかも知れません。死の魔法を使っているつもりが、死の魔法に使われているような、そんな状態のように見えました。
〈ラウンド6〉
〈戦況変化〉
後 弓 ジョルティ Init13
HP30 MP5 Cond3 レッドハンド
前 剣 クライブ Init12
HP20 MP6 Cond8
前 弓 トリシア Init12
HP24 MP8 Cond9
後 短 ノーティ Init11
HP17 MP5
Cond7
後 竿 ティエ Init10
HP18 MP18 Cond9
前 剣 レイジャ Init10
HP24 MP12 Cond3
前 剣 カランド Init5
HP5 MP0
Cond8 穢れ+3
後 無 カレン Init5
HP11 MP5
Cond3
この戦いも、ついに終わりが見えてきたように思います。ジョルティはこれ以上の体調の悪化を避けるためでしょう、やはり相変わらず食事を続けています。……ルーティーンとか多分関係ないですね。
ジョルティ-様子見
イニシアチブ:5(変化なし)
トリシアはなんとかカランドの動きを止めようと矢を放ちました。
トリシア-攻撃→カランド
命中判定:3(失敗)
〈穢れた體〉によりコンディション-1
が、矢は命中することなく飛んでいってしまいました。
そして、ついにその時が訪れます。……クライブの剣が、カランドへと迫ります。
クライブ-攻撃→カランド
命中判定:7(命中)
ダメージ:9
〈穢れた體〉によりコンディション-1
クライブ 「灰に還れ・・・!」
ノーティ「これで終わる……?」
クライブの一撃を受けて、カランドはその場に倒れこみました。カランドと魔力の鎖で繋がっていたカレンもまた、車椅子の上で動きを止めたように見えました。
ティエ「いえ、恐らくカレンが動かなくなった時に何かあるはずです!」
カレン「お父様……」
カレンは、動かない体で、小さくか細い声を絞り出しました。
カレン「私は……間違っていたのでしょうか……お母様……」
小さな声に反応するように、倒れたカランドがゆっくりと立ち上がります。カレンは気が気を失ったことにより、カランドの魔力が制御を失っているようでした。
〈父に伝える最後の言葉〉
カレンの戦闘不能時に発動
カランドのHPを20まで回復させ、能力リミッターを解除する
〈放散する死の魔力〉
全員2d6分MP回復
クライブ:6回復
ティエ:減っていない
ノーティ:4回復
トリシア:減っていない
ジョルティ:7回復
レイジャ:減っていない
同時に、カレンを取り巻いていた魔法が周囲に放散していきます。全員がその魔力を取り込むことになりました。
ノーティは立ち上がったカランドに向けて、落ち着いて再び魔法を放ちました。
ノーティ-シューティング・スター→カランド
命中判定:9(失敗)
〈リーダースキルにより判定+1〉
命中判定:10(命中)
ダメージ:7
〈穢れた體〉によりコンディション-1
再び動き始めたカランドは、より一層赤い眼光を鋭くし、クライブへと襲いかかりました。剣の動きもまた、先ほどよりも鋭くなっているようです。
カランド-攻撃→クライブ
命中判定:11(失敗)
しかし、クライブもまたその剣閃を見切り、攻撃を回避します。レイジャはカランドの動きを見て、目を見開いていました。それでも、剣を握り直して攻撃を行います。
レイジャ「……この動きは、在りし日の……」
レイジャ-攻撃→カランド
命中判定:13
ダメージ:2
〈意識の外〉
命中判定:Fumble
〈穢れた體〉によりコンディション-1
レイジャ 「ッ!!??」
クライブ「……レイジャ?レイジャ?」
ジョルティ「動揺してんじゃん」
ノーティ(見なかったことにしてあげましょう)
再び動き出したカランドの素早さを見て、ティエは再び釣り竿でフェイントを行うことにしたようです。念入りに集中を重ねていました。
ティエ-フェイント→カランド
成功判定:12(成功)
カランドのイニシアチブ-1
〈穢れた體〉によりコンディション-1
〈ラウンド7〉
〈戦況変化〉
後 弓 ジョルティ
Init13 HP30 MP10
Cond3 レッドハンド
前 剣 クライブ
Init12 HP20 MP12
Cond7
前 弓 トリシア
Init12 HP24 MP8 Cond8
後 短 ノーティ
Init11 HP17 MP5
Cond6
後 竿 ティエ
Init10 HP18 MP9
Cond8
前 剣 レイジャ
Init10 HP24 MP12 Cond2
前 剣 カランド
Init9
HP11 MP0
Cond10 穢れ+3 制御解除
後 無 カレン
Init5 HP11 MP-4
Cond3 戦闘不能
ジョルティは体調不良に覚悟を決めたのか、再び攻撃を行うことに決めたようです。極限の集中で弓を引き絞りました。弓は前衛でも後衛でも攻撃できるので便利ですね。……ちょっと感覚が麻痺しているような?
ジョルティ-攻撃→カランド
命中判定:12(命中)
ダメージ:10
〈穢れた體〉によりコンディション-1
トリシアも、今度こそ止めを刺そうと集中をして攻撃を行います。
トリシア-攻撃→カランド
命中判定:12(命中)
ダメージ:5
〈穢れた體〉によりコンディション-1
トリシアの矢により、再びカランドがその場に倒れ伏しました。皆が警戒がちにその姿を見詰めます。
ノーティ「今度こそ……」
カランド「……済まないな、レイジャ」
カランドは一言だけそう呟き、もう二度と動くことはありませんでした。
《戦闘終了》
長く、永い戦いが終わりました。
クライブは強敵に黙祷を捧げ、ノーティは死の魔力の強大さに改めて感じ入っているようです。
ジョルティは度重なる穢れによって弱々しい足取りとなり、大きな損傷を受けなかったティエとトリシアも流石に疲労しているようでした。
レイジャ「……カランド様。御恩は果たしました」
レイジャがそう呟いて、倒れ伏したカランドの元に跪いたその瞬間――大きな音と共に、ベッドの後ろにあった窓が砕け散りました。そして、同時に白く光る矢が、一直線にカレンを目掛けて飛翔しているのが見えました。
――私のアウェイクンでも間に合わない、とそう思った瞬間、数瞬前まで黙祷をしていたクライブが目を見開き、飛来する白い矢を弾き飛ばしていました。
クライブ「……屋上の足跡は、こういうことか。クソが」
クライブ(付与魔法か……?いや、どうなんだ……まさか、な)
トリシア「レイジャ、どういうことだよ」
レイジャ「……そうか、ルーカスか……」
ジョルティ「やっぱりそういうことか。ルーカスの言動は腑に落ちない点が多かったもんな」
レイジャ「……まだ、やることがあるようだ。……もう少しだけ、手伝ってくれないか」
クライブ「……カレンはどうするんだ」
レイジャ「……ディラを置いて行く」
レイジャ「こいつなら、彼女を守る事はできる」
トリシア(さすディラ)
ジョルティ(偉ディラ)
ノーティ「……この身体から穢れを祓うことなどできるのでしょうか……?」
レイジャ「……それは、俺には分からん」
レイジャ「……しかし、リンに頼まれた。カレン様に死んでもらう訳にはいかない」
レイジャ「奴は、塔の下に待っているはずだ。始末を付けなければならない」
ジョルティ「レイジャ、心当たりはルーカスだけなのか?」
レイジャ「……ロイとラナは……ないと思いたいが……」
クライブ「さて、どうだろうな……」
レイジャ「……正直な所、断言はできん。ロイのことを思えば……」
トリシア「どっちにしろリンちゃんも危なげか」
ジョルティ「リンちゃんはヴェルガ居るから自衛は大丈夫でしょ、そもそも手にかけるメリットないし」
レイジャ「……外で何が起こっているのか、まだ分からない」
クライブ「ま、ここまできたんだ。最後までやるさ」
レイジャ「……すまん。ディラ、後は頼んだ」
レイジャの呼びかけに、ディラはワンと小さく返事をするように鳴きました。……どのような物語があれば、人間と犬の間にこれほどまでに強い絆が生まれるのでしょうか。彼らの物語にも、俄然興味が湧いてきました。
ジョルティ(アーカシコイナー)
トリシア(カシコイナー)
彼らはディラを残し、急いで塔を下りました。急勾配の階段に疲れた足を取られそうになりながらも、なんとか無事に塔を下りきります。
塔の前の広場には、ルーカスとロイ、ラナの3人が待っていました。リンの姿は見当たりませんが、その代わりにルーカスの部屋にいた大鷲が、大きな剣を足に持ってすぐ近くを旋回しています。
ロイ「……皆さんの実力は、やはり確かだった」
ロイ「……僕は、カレン様を殺さなければならない。僕と同じ枷に囚われている彼女を、解放しなければならない」
ロイ「……リンには悪いが。そこを退いてくれ」
ロイが悲壮な声でそう絞り出した時、隣に佇むラナはそれ以上に悲壮な顔をしていました。その姿を見て、クライブはまっすぐラナの目を見つめ、声を上げました。
クライブ「……お前は人形のままでいいのか?考えることもせず。盲目に従うだけでいいのか」
ラナ「……貴方、私の事に気付いているのですね」
クライブ「気づいたのは今朝だが、な」
ノーティ「何かご存知なのですね?」
ラナ「……そうですか」
ティエ「????」
そこで初めて、ロイは「ラナの真実」を語り始めました。
ロイ「……彼女は、僕の作ったコッペリアだ」
ロイ「亡くなった姉を、精巧に模した人形だ」
クライブ「死人はよみがえらない。死んだ奴は死んだままだ。魔法使いの癖にそれも分からないのか?」
ロイ「……そんなことは知っている。僕はカレン様ほどの才能はなかった。死の魔法など、全く使えたものではない」
ロイ「……だから、そこを退いてくれ。"不幸にも"才能のあったカレン様も、解き放たなければならない」
クライブはもはや、死から目を背けたロイには、興味がなくなってしまったのかもしれません。視線を再びラナへと移し、またも問いかけます。
クライブ「ふん……お前はそれでいいのか? 従うままの、盲目な奴隷で?」
ラナ「私は……」
ラナ「私は……ロイの姉です」
ルーカス「……もう気が済んだでしょうか。幸い、私も彼と目的が一致している。そこを通して貰えますか、ギルネシア」
レイジャ「……お前の境遇のことは知っていたが……」
レイジャ「ロイ、カレン様はまだ生きている。死の枷も解き放った。お前とは違う。お前の尺度で勝手に判断をするな」
ノーティ「ロイさん、死の魔法は使えなくても、この状況で解呪だけでも何とかなりませんか」
ロイ「……解呪……か。呪い、呪いと言えるものが……」
ロイ「……ルーカス、少し考えさせてもらう」
ルーカス「……優柔不断なことですね。いいでしょう、元はといえば私だけで済ませるつもりだったことです」
ジョルティ「ルーカスやっぱりお前が黒幕か。胡散臭いと思っていたよ!」
レイジャ「……ルーカス、お前は別だ。お前は……力づくで、止めるしかないのだろう」
クライブ「他のものを巻き込んでまで何をなそうとしたのやら・・・大層な事だ」
トリシア「やっちゃうよ?やっちゃうよ?」
ジョルティ「黒幕断つべし」
《戦闘開始》
ロイとラナは、状況が変わるまで動く様子はありません。ルーカスの前の低空に哨戒飛行をしていた大鷲が降りてきました。
ルーカスはゆっくりと、銀で出来た弓に手をかけています。
ジョルティ「大鷲って食べれるよな?」
トリシア「食っちゃう?」
ジョルティ「でも肉食だから味はわからんな。食べてみたいね。グリフォン美味しかったし」
レイジャ「止せ、鷲には罪はない」
〈イニシアチブチェック〉
前 短 ティエ Init14
HP18 MP9 Cond8
前 剣 大鷲 Init10
HP?? MP?? Cond7
前 剣 レイジャ Init10
HP24 MP12 Cond2
後 弓 ルーカス Init8
HP?? MP?? Cond8
前 剣 クライブ Init8
HP20 MP12 Cond7
後 短 ノーティ Init8
HP17 MP5 Cond6
後 弓 トリシア
Init7 HP24 MP4 Cond7
後 弓 ジョルティ Init7
HP30 MP5 Cond2
〈ラウンド1〉
ティエは今回は短剣を持っているようです。体調の怪しい者が多いということもあり、前線で戦列に加わりました。まずは大鷲を退けようという判断でしょう。
ティエ-簡易知見→ルーカス
判定:9
ティエはルーカスの動きから、その体力などを見極めました。
ティエ-攻撃→大鷲
命中:Fumble
ルーカスの情報を手に入れた後、ティエは改めて大鷲へと短剣を振るいましたが、ちょうど鷲の持つ剣と触れ合ってしまい、短剣にヒビが入りました。
次に、大鷲は敵となっている皆をそれぞれ鋭い眼光で見て、クライブに攻撃をすることを決めたようです。剣を持ったまま飛びかかります。
大鷲-攻撃→クライブ
命中判定:9(成功)
ダメージ:4(防護1)
レイジャ「……前に出てこい、ルーカス……この鷲に罪はない」
薄々思ってはいましたが、このレイジャという男、動物には優しいようですね。とは言え、仕方がないとばかりに大鷲へと攻撃を行います。
レイジャ-攻撃→大鷲
命中判定:5(失敗)
ジョルティ「レイジャ君気が抜けてない?」
レイジャ「……チョコマカと……」
トリシア「レイジャそろそろそれフラグだって覚えようね」
ルーカス「……数を減らすのが、定石」
ルーカスは大鷲に続き、まずは戦力を削るためにクライブに向けて矢を番えました。
ルーカス-攻撃→クライブ
命中判定:13(命中)
ダメージ:9(防護1)
矢はクライブに命中した瞬間、白く輝きます。クライブは視界を奪われ、ルーカスに取っては狙いやすい的となりました。
〈月光〉
攻撃が命中した際、イニシアチブを1奪う
月光によりクライブのイニシアチブ-1、ルーカスのイニシアチブ+1
ノーティはまず、大鷲の方の情報を見極めようと目を凝らします。
ノーティ-簡易知見→大鷲
判定:10(成功)
情報を見極めた後、今度は自分の落ち着きを取り戻すべく戦場を見極めはじめました。
ノーティ-様子見
イニシアチブ:13
トリシアは大鷲ではなく、ルーカスの方に射線を合わせました。……トリシアも最近どうも動物好きのきらいがあります。
トリシア-攻撃→ルーカス
命中判定:8(失敗)
トリシアの矢は、間一髪でルーカスに命中せず後逸してしまいました。
クライブ「さて、こんだけ大事にしたんだ。ずいぶん大層なことなんだろうな?」
大鷲とルーカスから攻撃を受け、かなりの損傷を負っているクライブは、どこか楽しそうにも見えました。集中した剣戟が大鷲に向かいます。
クライブ-攻撃→大鷲
命中判定:14(命中)
ダメージ:2
クライブ 「浅いか……」
ジョルティも体調の悪さをなんとかおして体を動かし、ルーカスに矢を放ちます。まだ、冷静さを保っているようです。
ジョルティ-攻撃→ルーカス
命中判定:9(命中)
ダメージ:6(防護1)
〈ラウンド2〉
〈戦況変化〉
前 短 ティエ
Init14 HP18 MP9 Cond8
後 短 ノーティ
Init13
HP17 MP5 Cond6
前 剣 大鷲
Init10 HP13 MP10
Cond7
前 剣 レイジャ
Init10 HP24 MP12 Cond2
後 弓 ルーカス
Init9
HP22 MP26 Cond8
前 剣 クライブ
Init7
HP7 MP6 Cond7
後 弓 トリシア
Init7 HP24 MP4 Cond7
後 弓 ジョルティ
Init7 HP30 MP2
Cond2
ティエは壊れかけの頑丈な短剣を信じ、再び大鷲へと攻撃を行いました。
ティエ-攻撃→大鷲
命中判定:8(失敗)
が、素早い大鷲の動きに対応することができず、命中させることが叶いません。
大鷲は執拗にクライブを狙い攻撃を続けます。どうやら「当てやすい相手」を選んで攻撃をしているようですね……。
大鷲-攻撃→クライブ
命中判定:16(成功)
ダメージ:2(防護1)
レイジャは傍目から見ても明らかに苛ついているようです。大鷲に、本当は攻撃をしたくないのでしょう。
レイジャ-攻撃→大鷲
命中判定:8
レイジャ「このような体たらくでは……」
それが、剣筋にも現れているようでした。
ルーカスもまた、クライブに向けて攻撃を継続します。こちらはこちらで「最も倒せそうな相手」を選んでいるように思えました。
ルーカス-攻撃→クライブ
命中判定:13(命中)
ダメージ:7(防護1)
〈月光〉により、クライブのイニシアチブ-1、ルーカスのイニシアチブ+1
ルーカスの矢は適確にクライブを射抜きました。集中的に狙われて、大きな傷を負ったクライブはその場に膝を付き、そのまま気を失ってしまったようです。
クライブ「クソが……」
ルーカス「まずは一人……」
トリシアは、渾身の集中と力を込めて、ルーカスに向けて弓を引き絞りました。
トリシア-攻撃→ルーカス
命中判定:13(成功)
ダメージ:12
〈絆〉
戦闘中に1度だけ、飼い主へのダメージを無効化する。
完璧に見えたトリシアの矢の軌道でしたが、大鷲の目が光ったかと思った次の瞬間、急激に方向を変え、目の前の地面へと突き刺さりました。……ディラが使っていたのと同じ力でしょう。
トリシア「くそっ」
ジョルティも再び、ルーカスに向けて矢を放ちます。集中をして放たれた矢でしたが……
ジョルティ-攻撃→ルーカス
命中判定:6(失敗)
残念ながら、矢は惜しくも外れてしまいました。……戦闘を続けるほど冷静になっていく能力には、恐ろしいものがありますね……。
〈ラウンド3〉
〈戦況変化〉
前 短
ティエ Init14 HP18 MP9
Cond8
後 短
ノーティ Init13 HP17 MP5
Cond6
後 弓
ルーカス Init10
HP22 MP26 Cond8
前 剣
大鷲 Init10 HP13 MP10
Cond7
前 剣
レイジャ Init10 HP24 MP12
Cond2
前 剣
クライブ Init6
HP-2 MP6 Cond7 気絶
後 弓
トリシア Init7 HP24 MP2
Cond7
後 弓
ジョルティ Init7 HP30
MP1 Cond2
クライブが倒れたことで、数的有利が少し失われてしまいました。ティエもなんとか数を減らそうと、短剣を大鷲に向けて振るいます。
ティエ-攻撃→大鷲
命中判定:13(命中)
ダメージ:5
ノーティは皆が使ったことによってなくなりつつあった利用できそうなオブジェクトがないか、周囲を見渡しました。近くにあった石を見つけ、皆の手が届く場所へと動かします。
ノーティ-オブジェクト探し
ルーカス「……止めを刺しておくか」
一瞬の逡巡の後、ルーカスが取った行動は、私にとっても、他の旅人達にとっても、全く想定していないものでした。……ルーカスは倒れ気絶しているクライブに矢を向けています。
ルーカス-攻撃→クライブ
命中判定:3(失敗)
しかし、放たれた矢はクライブには命中せず、その横の地面に突き刺さりました。ルーカスは不思議そうに弓を見ながら、調整不足を疑っているようでした。
大鷲もまた、ルーカスに続くようにクライブへと攻撃します。……もしかすると、私が手を貸さなければならないかもしれません。
大鷲-攻撃→クライブ
命中判定:12
ダメージ:3(防護1)
レイジャは大鷲の動きを止めるべく、剣をしっかりと握り直して攻撃を行いました。
レイジャ-攻撃→大鷲
命中判定:6(失敗)
……しかし、やはり当たりません。
レイジャ「……面目ない」
トリシアもルーカスを狙うのは止め、今度は大鷲の方に照準を移します。このままでは、クライブが危ないと判断をしたのでしょう。
トリシア-攻撃→大鷲
命中判定:8(失敗)
しかし、素早い動きの鷲に矢を当てるというのは、いかにトリシアといえ至難の業のようです。そこで、ジョルティはて本を見せてやるとばかりに、同じく鷲に向けて攻撃を行いました。
ジョルティ-攻撃→大鷲
命中判定:11(命中)
ダメージ:11
射抜かれた大鷲は、後ろまで大きく吹き飛ばされました。もう、戦闘に復帰することはできないでしょう。
ジョルティ「どうだトリシア」
トリシア「はいはいすごいすごい」
ルーカス「……よくやった、カレッゾ」
地に落ちた大鷲を見て、ルーカスは聞こえないほどの声で、そう呟きました。そして、前衛がいなくなったルーカスは一歩前へと進み出ます。
〈ラウンド4〉
〈戦況変化〉
前 短 ティエ
Init14 HP18 MP9
Cond8
後 短 ノーティ
Init13 HP17 MP5
Cond6
前
弓 ルーカス Init10
HP22 MP26 Cond8
前 剣 大鷲
Init10 HP-3 MP10
Cond7 気絶
前 剣 レイジャ
Init10 HP24 MP12
Cond2
前 剣 クライブ
Init6 HP-5
MP6 Cond7 気絶
後 弓 トリシア
Init7 HP24 MP1
Cond7
後 弓 ジョルティ
Init7 HP30 MP1
Cond2
ティエはこれ以上クライブを傷付けないために、クライブの前に飛び出して防御を固めました。これで、ルーカスの矢をかばう事ができるでしょう。
ティエ-防御
ノーティもクライブの傷を癒やすために、鞄からハーブを取り出しながら前列へと移動します。
ノーティ-移動→前列
ルーカスはクライブを狙って矢を放ちましたが、立ちはだかっているティエに命中しました。
ルーカス-攻撃→クライブ
〈ティエがかばう〉
ダメージ:5(防護2)
〈月光〉により、ティエのイニシアチブ-1、ルーカスのイニシアチブ+1
ルーカス「……ふむ、こうなっては仕方ないですか……」
レイジャ「……観念しろルーカス」
ついに射程に捉えたルーカスに、レイジャは鋭い目を向けています。……そして、その刃がルーカスに襲いかかりました。
レイジャ-攻撃→ルーカス
命中判定:Critical
ダメージ:11(防護1)
ジョルティ「人間にはホント容赦ねーな」
レイジャ「……人間の方が当てやすいな」
……やっぱりただの動物好きなのではないでしょうか……?
トリシアは再び矢尻をルーカスに向けて引き絞ります。どこか、疲れが出ているように見えました。
トリシア-攻撃→ルーカス
命中判定:10(失敗)
しかし、力が篭もりすぎたのか、矢はルーカスの真横を掠めていきました。
ジョルティも集中しつつルーカスに攻撃を行いましたが……
ジョルティ-攻撃→ルーカス
命中判定:10(失敗)
こちらも、命中しませんでした。
〈ラウンド5〉
〈戦況変化〉
前 短 ティエ Init13
HP13 MP9
Cond8
前
短 ノーティ Init13 HP17
MP5 Cond6
前 弓 ルーカス Init11
HP11
MP26 Cond8
前 剣 大鷲 Init10
HP-3 MP10 Cond7 気絶
前 剣 レイジャ Init10
HP24 MP12 Cond2
前 剣 クライブ Init6
HP-5 MP6 Cond7 気絶
後 弓 トリシア Init7
HP24 MP1 Cond7
後 弓 ジョルティ Init7
HP30 MP1 Cond2
ティエは射られつつも体勢を変えることなく、クライブの前に立ちはだかっています。
ティエ-防御
前列に出たノーティは、準備していたハーブでクライブのことを回復させます。
ノーティ-治療→クライブ
回復量:5
クライブは致命傷から遠ざかりましたが、まだ目を覚ましてはいません。
ルーカスはまたクライブに攻撃をしましたが、ティエに阻まれます。
ルーカス-攻撃→クライブ
〈ティエによるかばう〉
ダメージ:0(防護2)
〈月光〉により、ティエのイニシアチブ-1、ルーカスのイニシアチブ+1
ルーカス「……仲間思いなことだな」
レイジャ「……そろそろ静かにしろ」
レイジャは先ほどの攻撃が上手く決まったこともあり、同じようにルーカスを仕留めようと剣を強く握りました。が……
レイジャ-攻撃→ルーカス
命中判定:Fumble
レイジャ「……何なのだ俺は……」
ジョルティ「安定しないね」
トリシアはルーカスの動きを見て、作戦を変更したようです。まずは動きを鈍らせて、然る後に攻撃を行う方針のようです。
トリシア-フェイント→ルーカス
成功判定:12(成功)
ルーカスのイニシアチブ-1
ルーカス「小賢しい……」
ジョルティもトリシアに倣うように、ルーカスの動きを封じるような方向へと矢を放ちました。
ジョルティ-フェイント→ルーカス
成功判定:12(成功)
ルーカスのイニシアチブ-1
ルーカス「鬱陶しい……!」
〈ラウンド6〉
〈戦況変化〉
前 短 ティエ Init12
HP13 MP9 Cond8
前 短 ノーティ Init13
HP17 MP5 Cond6
前 弓 ルーカス
Init10
HP11 MP26 Cond8
前 剣 大鷲 Init10
HP-3 MP10 Cond7 気絶
前 剣 レイジャ Init10
HP24 MP12 Cond2
後 弓 トリシア Init7
HP24 MP1 Cond7
後 弓 ジョルティ Init7
HP30 MP1 Cond2
前 剣 クライブ Init6
HP0 MP6 Cond7 気絶
ノーティはクライブを起き上がらせるべく、再びハーブを用いて治療を試みます。
ノーティ-治療→クライブ
回復量:10
ノーティの治療のかいもあり、クライブは目を覚まし、周囲を見回します。
クライブ「気絶していたか……助かった」
ノーティ「無事で良かった」
ティエもまた、トリシア達と同じように移動先を塞ぐようにルーカスに向けて短剣を向けます。
ティエ-フェイント→ルーカス
成功判定:9(成功)
ルーカスのイニシアチブ-1
かなりルーカスの動きが鈍った所で、今度こそとばかりにレイジャが剣を向けます。
レイジャ-攻撃→ルーカス
命中判定:8(失敗)
が、またもや剣は命中しませんでした。
ルーカス「鈍りましたね、ギルネシア」
ジョルティ「連戦だから仕方ないけどね」
ルーカスはティエがクライブの前から離れたのを見て、再びクライブを気絶させるべく矢を放ちました。
ルーカス-攻撃→クライブ
命中判定:8(命中)
ダメージ:1(防護1)
〈月光〉により、クライブのイニシアチブ-1、ルーカスのイニシアチブ+1
トリシアはルーカスの行動を縛るのはもう十分と考えたようです。地面を蹴りあげて砂埃を立て、その中からルーカスを狙って矢を放ちました。
トリシア-攻撃→ルーカス
命中判定:15(命中)
ダメージ:1(防護1)
ジョルティも同じく、ルーカスを倒すべく矢を放ちました。鋭い矢が、ルーカスに向かって飛んでいきます。
ジョルティ-攻撃→ルーカス
命中判定:11(命中)
ダメージ:2(防護1)
クライブ「さて、随分とやってくれたようだな……死ねえ!!!」
立ち上がったクライブは、これまでに見たことがないような鋭い眼光でルーカスを捉えていました。……剣閃の鋭さもまた、それに倣うものです。
クライブ-攻撃→ルーカス
命中判定:18(命中)
ダメージ:8(防護1)
ルーカス「死に損ないめぇ……!」
ルーカスに剣を叩きつけたクライブは、荒い息を押し殺しているようでした。ルーカスは苦しそうな目でクライブを睨みつけながら、その場に倒れこみました。
ルーカス「……こうなる、か……」
クライブ「……レイジャ、みんな後は任せた……俺は少し休む」
そして、その場に倒れこんでしまいました。意識はあるようですが、身動きが取れないような状態のようです。
レイジャ「……まだ、迷っているのかロイ」
ロイ「……分かった」
ロイ「投降しよう」
ロイ「迷いがある者より、迷いのない者の選択が優先されるべきだ」
クライブ「……お前は生きている。ラナも生きている。今は、それだけでいいじゃないか」
ジョルティ「お姉ちゃんは?」
ラナ「……私は、ロイがそうするなら」
《戦闘終了》
レイジャ「……手間をかけた。この男は責任をもって処罰する」
ジョルティ「処罰云々も領地内のお仕事だから任せる」
レイジャ「ところで……ロイ、リンはどうした」
トリシア「それな」
ロイ「僕達はリンには何もしていない。あの合図に合わせて市街に出たきりだ」
ロイ「……市街にいるはずの穢れの魔物を探していることだろう」
レイジャ「……なら、良い」
レイジャ「……お前達、少しこの場を頼む。カレン様とディラを連れてこなければ」
ジョルティ「じゃあ俺リンちゃん探しに行くうううううううううううううう!!」
……ジョルティは奇声を上げながら街の方へと走り去って行きました。どこにそんな体力が。
レイジャは素早く再び塔を上り、ディラと共にカレンを抱きかかえて戻ってきました。彼らはその間にルーカスを捕縛しており、レイジャはカレンを今はもう使われていないカレンの私室へと運んだ後、ルーカスを館の地下にある牢へと運んでいきました。それから、今後のことを話し合うためにロビーへと集まります。
……リンも、街中を奔走しているところをジョルティに呼び止められ、ロビーに戻ってきました。あの広い街中でよく出会えたものです。
ノーティ「穢れはどうなるんでしょう?
魔法をかけた対象がいなくなった今、魔法契約も解除されるという認識で良いのでしょうか……」
ロイ「専門ではないが……カランド様が動かなくなった以上、カレン様からの魔法は解けていると見て良いかと思う」
ロイ「……見たところ、カレン様自体に何か変調があるようには見えない……まあ、僕の知るカレン様は車椅子などではなかったが……」
ノーティ「それならば魔物の脅威も去ったと考えることにしましょう、今はそれしかないです」
ロイ「……まだ暫くは寝ずの番をしよう。少なくともカレン様が目を覚ますまでは」
トリシア「殺さなくてよかったんじゃない」
ロイ「……そうだな。感謝せねば……」
ラナ「……私も、カレン様が目を覚ませばお役御免でしょう」
トリシア「そうなの?」
ラナ「……ロイ次第ですが。ロイは本当は強い子ですから」
クライブ「ロイに任せるんじゃなくて、自分で考えてみたらいいんじゃないか」
ラナ「ふふ、そうは行きません。私はコッペリアですから。決定権は持ちませんので」
ジョルティ「そうなの?」
ラナ「そうなんですよ?」
トリシア「ソウナノカー」
ロイ「……まだ考える時間がいる」
クライブ「それも含めて考えてみるといい……事は終わった。考える時間もあるだろう」
ジョルティ「やれるならやりゃーいいじゃん?」
リン「…‥私からも感謝する。カレン様が生きていて、良かった。」
レイジャ「……とかく、助かった」
ジョルティ「レイジャもお疲れ」
レイジャ「この後のことは、こちらが対処しよう。これ以上、手を煩わせる訳にはいかない」
レイジャ「……すべてが終わったら、リンとともにゴレンの縛に就く。それまでは見逃しておいてくれ」
レイジャ「ともかく、今日はまだ何もできまい」
レイジャ「……もう一晩、泊まっていくと良い」
ジョルティ「せやね、俺も一旦帰って胃薬飲んで寝たい」
クライブ「そうだな、色々と疲れた……好意に甘えてまずは戻ろう」
ノーティ「これからが大変だと思いますが、あなた方なら為せるはずです。私がいうのも何ですが……」
そうして、彼らは昨夜泊まっていた部屋へと戻っていったのでした。
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……カランド・アージェントを巡る冒険は、このような形で幕を下ろしました。彼らの力がなければ、きっとカレン・アージェントは亡き者にされていたことでしょう。
……これが、どのような結末に繋がるのか、今の私には、いえ、竜の君にさえ分かりません。――それでも、彼らの介入は、きっとこの街を良い方向に向かわせてくれるのではないかと、私はそう思います。
私も、アージェントの旅を通じて色々と考えさせられる部分がありました。……それを整理するためにも、「ルーカス」が何故このような道を歩むことになったのか、その足跡を辿る必要があるでしょう。
旅人の彼らの物語とは直接は関係ありませんが……これは、物語の読み手たる竜人の責任だと思います。宜しければ……竜の君もお付き合い下さい。
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こちらは、2016/7/2にプレイしたオンラインセッションのリプレイです。
第4話から続く「アージェントシナリオ」の集大成ということもあり、非常に長大な内容となってしまいました。PLからは「この規模のシナリオはしばらくやりたくない!」とも言われてしまいました。……反省します。
ということもあって、今後はまたしばらく小さなシナリオに戻ります。……が、その前に、次回は「番外編」として、ルーカスとその周囲の者達の背景と、旅人達への報酬がどうなったのか、ということについてご紹介します。
それでは、またしばらくお待ち下されば幸いです。
【参考サイト】
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