2017/02/26

りゅうたまリプレイ 第三十三話 番外編「ルー・フィオーネの日記帳」 【キャンペーン】

冬の竜様。……久し振りに、旅物語を話すね。
……と言っても、ルーの日記なのだけれど……、本格的な旅物語は、もっと後になるから……少しでも、と思って。
ルーのことを知るのにも、良い機会だと思う。


第三十三話 番外編「ルー・フィオーネの日記帳」



〈春の月 17日〉
晴れ☀
昨日は色々なことがありすぎて、なかなか寝付けず……今日は少し寝不足でした。
皆さんが春の竜からの依頼を受けてフリーグゼルの調査を行うということだったので、同行することになりました。
私ではあまり役立てないとも思いましたが……私にも関わることですから、手をこまねいている訳にはいきません。
少しでも真相に近づくために、できる限り力を尽くそうと思いました。
市内放送によると、魔力が足りていなくて、時間によって魔力がか止まる場所があるそうでした。その場所も含めて、調査を行うことになりました。
魔晶研究所での話は難しく、私には少し理解できませんでしたが……何でも、別の場所で見た石材が使われているそうでした。
次に向かったのは情報屋さんです。情報屋のおじさん?お兄さんは色々なことを知っていて、街のことについて詳しく教えてくれました。……ティエさんが次々にテーブルにお金を並べ、矢継ぎ早に話させるようにしていたのにも驚きましたけど。
占いをしてもらったところ、図書館が重要な場所といっていました。(あとになって考えると、正しかったんですね)
それから、魔力が止まっている場所で話を聞いたり、工房で話を聞いたりしていると……1つ、不思議な事がありました。これまで、皆さんの使っていた魔法を見ていて思ったことなのですが……この街の魔力は、普通では考えられない程大量に使われていました。
……何か、普通ではない魔力源になっているものがあるのでは?と提案すると、皆さんは魔力網を辿っていくことを決めたようでした。
街が広い上に徒歩ということもあってかなり時間がかかってしまいそうだったのですが、トリシアさんは夜中まで調査を続けると言っていので、私も一緒にいくことにしました。途中で夕食を買って食べながら歩いていたのは、少しドキドキしました。
……結果的に、辿り着いたのは街の北東の図書館でした。金の鍵で図書館に侵入(もちろんいけないことですけど……)すると、地下に続く道がありました。それ以上は危ないというトリシアさんの判断で、一度宿に戻って休むことにしました。もう朝でしたが、頑張って日記だけ書いて、寝ることにしました。
……明日も良い日でありますように。

〈春の月 18日〉
雪❆
……思い切り寝過ごしました。目が覚めたらもう昼でした。ごめんなさい。
軽く食事だけ取って、すぐに昨日見つけた図書館の地下に向かうことにしました。金の鍵で、まっすぐ向かうことが出来たので、時間はかかりませんでした。
地下道はとても長く、先が見えないほど暗かったので少し怖かったです。……数時間歩いていると、広い部屋に出ました。
そこには、魔法や弾を飛ばしてくる装置があって……部屋に入った私達を襲ってきました。幸い、すぐにノーティさんとティエさん、それにトリシアさんが停止させてくれましたが、あんなものを見たのは初めてでした。
そこから更に奥に進むと、夢の中で見た皆さんのご遺体がありました。骨と服しか残っていませんでしたが……確かに彼らだったと思います。……それと、大きな檻の中に大きな竜が閉じ込められていました。
……大きな竜に近づくと、今度は全身に沢山の水晶がついた、人のようなものが現れて襲ってきました。……後で分かったことですが、彼らを骨に変えてしまったのは、この人のようでした。
皆さんのおかげで私達は大丈夫でしたが……黒い竜人もここで傷付いたようでした。ノーティさんがローリスで採った黄色いハルシャ菊を供えてくれたので、私も一緒にお祈りをしました。きっと、安らかに眠ってくれると、信じています。
海の竜を解き放ったことで、街の方は大パニックになっていましたが……これでよかったと思います。でも、まだ冬は終わっていませんでした。
……明日は、海の向こうに向かうことになりました。よい海路の日和になりますように。

〈春の月 19日〉
晴れ☀
今日は朝から、フリーグゼルの北にあると緑の竜人さんの言っていた入り江に向かうことになりました。金の鍵を使ってすぐに辿り着くことができました。仕組みは分かりませんが、便利すぎるような……。
入り江には確かに大きな船が泊まっていて、その整備をしているというクラウスさんという方が近くに住んでいました。東の島に行きたいという話をすると、すぐに協力してくれることになりました。なんでもクラウスさんもあの島に行きたかったのだとか……。
それから、クラウスさんに頼まれた買い出しをフリーグゼルでして、夕方頃にはもう一度入り江に戻りました。クラウスさんは戻ってくることが早いことに驚いていましたが、それについてはそれほど聞いてくることはありませんでした。細かいことは気にしない、というのが海の男なのでしょうか?
リーテから河の船には乗ったことがありましたが、海で船に乗るのは初めてで、内心かなりドキドキしていました。ただ、昨日解放した海の竜の協力もあってか、それほど揺れることはなく、体調を崩すこと無く乗ることができました。
時々クラウスさんからちょっとした頼まれ事をしたものの、忙しいということもなく、ゆったりとした船旅を楽しむことができました。
明日も良い日になりますように。

〈春の月 20日〉
晴れ☀
少し肌寒いものの、今日も晴れやかでいい天気でした。船上も相変わらずゆったりとして気持ちがよく、かなり長い間甲板にいたと思います。
もうすっかり波に乗っているということもあり、今日は特にクラウスさんから頼まれ事をすることありませんでした。
ティエさんの釣り竿を借りて皆で釣りをしました! さすがはパワーさんというべきでしょうか、見たことがないような大きな魚釣り上げていました。
私もチャレンジしましたが、残念ながら釣り上げることはできず……でも、またいつかやってみたいな、と思いました。
皆さんと分かれてリーテに戻る時には、釣り竿を買っていくことにしましょう。食料も入手できる上、楽しめるなら一石二鳥ですね!
今日は結局それぐらいしかやることもなく、皆さんで美味しく魚を食べた1日でした。
明日も良い日になりますように。

〈春の月 21日〉
晴れ☀
ついに、ついに東の島に到着しました。東の島はフリーグゼルから見て感じたよりもかなり小さなものでした。島の中心に高い山がありましたが、その他には特に何も見当たりません。
クラウスさんは周囲を見てくるといって船を出してしまいましたが、私は皆さんと一緒に山に登ることになりました。
山は小さいものの高く、かなり険しい道程で疲れてしまいましたが……山頂には、ついに探し求めていた冬の竜が待っていました。
冬の竜は、冬の竜人の傷を癒やすために冬を長引かせていたとのことでした。海が荒れてしまっていたことで、外の状況が分かっていなかったのだとか……。
冬の竜は皆さんの話を聞いてすぐに冬の力を納めてくれました。すると、今まで遅れていた春の息吹が一気に訪れ、一瞬にして春になったことを実感しました。
……でも、これだと冬の竜人の力は回復しないのだそうです。冬の竜が冬の竜人とともに旅をしてくれる旅人を探しているということだったので……立候補することにしました。
きっと、皆さんと彼らが私をここまで導いてくれたのは、こうするためだったんだと思います。冬の竜人は、ネーヴェさんと言うらしいです。白い肌に白い肌の美しい、小柄な女性でした。目が見えないとのことでしたが……手を取って歩けば、大丈夫だと思います。
……私も、皆さんの元を離れて、自分の旅を始める時が来ました。……きっと、その先にはまた違った景色が見えることでしょう。そんな景色を私の目を通して見ることができれば、ネーヴェさんもいつかその傷を癒やすことができるでしょう。
フリーグゼルに戻ったら、新しい旅の仲間を探すことにしようと思いました。
……新たな旅路が良いものになりますように。

……今回はここまで。どうだった、冬の竜様。ちゃんと、話せていた?
まだまだ、旅の楽しさを取り戻すことはできていないけど、きっと、ルーと一緒なら、歩いていけると思うの。
……だから、少しだけ長い目で見てね。今度は、きっと、最後まで旅について行ってみせるから。次の旅が、楽しみになれるように。

こちらは、第三十三話分のルーの日記です。
GMが個人的に毎回書いていた日記の集大成、という感じでしょうか。最初の頃はもっと天真爛漫な日記だった気がしますが、今回はルーが中心にいるシナリオだったこともあり、少しばかりシリアスな日記になってしまいました。
第二十一話で加入して以来、思ったより長い付き合いとなったルー・フィオーネともそろそろお別れです。彼女たちの旅も祝福に満ちた者になることを、ページの外側から祈っておきます。ある意味、私のPCのようなものですからね!


【参考サイト】



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