2016/06/06

りゅうたまリプレイ 第三話後編「光麗の月」 【キャンペーン】

第三話後編「光麗の


不思議な月から一夜明けたその日、雨は上がっていました。その代わりに、太陽が強く照りつけていました。とはいえ、ずっとこの洞穴に留まっているわけにも行かないと、皆キャンプを片付け始めました。

〈コンディションチェック-3日目〉
パワー:11(絶好調)
クライブ:11(絶好調)
ティエ:7
ノーティ11(絶好調)
トリシア:4
ジョルティ:9

今日は3人ほど、やたら体調が良さそうでした。月の竜の加護でもあったのでしょうか?トリシアは相変わらずあまり体調が良く無さそうでしたが……。


ノーティ「トリシアさん、足、応急処置をしますよ」

〈応急処置:目標6
ノーティ:7

ノーティの応急処置によって、トリシアの足の怪我は快癒を見たようです。軽くその場で体を動かしながら確認をしていましたが、問題はなさそうでした。

トリシア「ありがとー」
ノーティ「いえ、ヒーラーですから。それでは、薬草を採りに行ってきます。パワーさん、行きましょう」
パワー「食えるものが近くにあるのか?」

〈薬草採り:岩場:目標8
パワー:6(失敗)
ノーティ:7(失敗)

ノーティ「有りませんね……」
パワー「無いじゃないか!」

2人とも、薬草を見つける事はできなかったようですね。この岩場ですから仕方がないことです。パワーは何やら天に向かって「10ダイス腐ってんぞ!」と叫んでいました。何のことでしょう?

〈移動チェック:暑い岩場:目標9
パワー:4(失敗)
クライブ:12
ティエ:10
ノーティ:6(失敗)
トリシア:6(失敗)
ジョルティ:12

直射日光が体力を奪ったのか、体力自慢のパワーすら夕方頃には疲れているようでした。いわんや、元々体力の無いノーティとトリシアであればをや。私も流石に疲れてきたので、途中からティエの馬に同乗していました。
相変わらずパワーが天に向かって「お前鉛仕込んだだろ!あああああ!」と吠えていました。……彼には何が見えているんでしょうか。

〈方向チェック:暑い岩場:目標9
ティエ:9(サポート成功)
ノーティ:11

ノーティ「今度は、間違っていないようですね」
ティエ「ええ、問題なさそうです」

歩き続けて夕方が近付いて来た頃、そろそろ野営でもしようかと考えていたその時、皆は目の前の岩肌に、光る鉱石が露出しているのを見つけました。西日に反射して、キラキラと輝いているように見えます。

〈見識判定:知力+知力:目標8
ノーティ:5(失敗)
ティエ:12

ノーティ「これは……いくつか鉱石に思い当たる節はあるのですが……ううむ」
ティエ「昔父が言っていたような……ああ、これは水晶ですね。……ただ、普通の水晶とは違うように見えます。市場に流せば、1000Gぐらいにはなるかと」

トリシア「取れるかな?」
クライブ「道具がないが……いけるか?」

皆はその水晶をなんとか掘り出そうと、専門の道具こそないものの各々力を尽くし始めました。

〈水晶採掘:体力+精神:全員の累積が36以上で成功〉
パワー:12
クライブ:11
ティエ:7
ノーティ:8
トリシア:9
ジョルティ:10

累積:57

皆が力を尽くした結果、水晶は綺麗に採掘することができたようです。岩肌から取り出された水晶は、全面から光を受け入れることによって更にキラキラと輝いていました。喜びながら、水晶を荷馬車に積み込もうとしたその瞬間、遥か上空から甲高い鳴き声が響き渡りました。

〈スカウト判定:目標8
トリシア:11(不意打ち阻止)

トリシアはその声にすぐさま反応し、咄嗟に身構えて皆に戦闘準備をするように伝えました。

〈見識判定:目標8
ノーティ:6(失敗)

ノーティも今のうちにこれが何者であるのかを判断しようと目を凝らしますが、逆光になっているせいで上手く見えず、判断することができませんでした。

飛来したのは、獣の体に鳥の翼を持つ、巨大なモンスターでした。どうやら、反射する水晶の光に惹かれて現れたようです。

《戦闘開始》

〈イニシアチブ判定〉
クライブ:13
ジョルティ:12
パワー:9
有翼獣:8
ティエ:8
トリシア:7
ノーティ:6

〈ラウンド1
クライブ、ジョルティ、パワーの3人は有翼獣の目の前に踊り出ました。他の3人は後列地留まっています。

クライブの剣は命中したものの、それほど大きなダメージを与える事が出来ません。

ジョルティの矢は飛んでいる獣に当てることが難しく、大きく外れました。

パワーが大きく跳躍して斧を振り下ろすと、有翼獣は先ほどよりも更に甲高い声を上げます。かなりの痛手を負わせたようです。

怒り狂った有翼獣は目の前のクライブに向けて連続で攻撃を行いましたが、クライブは完全に攻撃を見切った様子で避けました。

ティエは改めて有翼獣の情報を得ようと目を凝らします。
ティエ「これは、グリフォンですね!春は確か出産期で、活発だったはずです」
さらにその後、様子をみて落ち着きを取り戻しました。

トリシアもジョルティと同様、弓の攻撃を当てることができませんでした。

ノーティは落ち着いて魔法を詠唱し、シューティング・スターを当てましたが、グリフォンはあまり意に介していません。

〈ラウンド2
クライブ:13
ジョルティ:12
ティエ:12
パワー:9
グリフォン:8
トリシア:7
ノーティ:6

クライブは再びグリフォンに向かって剣を振るいました。今度はそこそこ良い当たりをして、グリフォンは大きな声を上げます。

動きが弱まっているとはいえ飛んでいるグリフォン相手ということもあり、ジョルティの矢は再び外れてしまいました。

ティエは落ち着きを取り戻したことで、グリフォンの目の前まで移動しました。

そして……再び跳び上がったパワーの振り下ろす斧が、グリフォンに命中しました。その瞬間、グリフォンは一際高い声を上げて、全く動かなくなりました。

《戦闘終了》

トリシア「はぎとれー!」
ジョルティ「めしだー!」

〈材料加工:目標8
トリシア:6(失敗)
ジョルティ:12

トリシアがグリフォンに近付こうとするよりも早く、ジョルティが見事な手腕でグリフォンの毛皮を剥ぎ取りました。リンギツネの物ほど希少ではないものの、この毛皮もある程度の価値があるものでしょう。
ジョルティはついでにグリフォンの肉も解体し、美味しそうな食料を2つ切り出しました。

ジョルティが加工を終えた頃、近くの洞窟から駆け寄ってくる女性の姿が見えました。
長い黒髪は、私と同じぐらいの長さでしょうか。ラフな格好をしていますが、腰には横笛らしきものを差しており、恐らくミンストレルではないかと思います。




グリフォンの鳴き声を聴いて慌てて飛び出して来たのか、倒れているグリフォンを見て速度を少し緩めていました。

女性「グリフォンを、倒したんですね。ということは、皆さんも旅人でしょうか?」
ティエ「ええ、そうです。あなたも……?」
女性「はい、あ、申し遅れました。私はニーナ・アメレール、旅の吟遊詩人をしております」

女性は駆け寄ったことで少し上がっていた息を整えながらそう名乗りました。

ティエ「これはご丁寧に。私達は6人で旅をしております」
ジョルティ「この肉は焼き鳥にするのがいいかな?タレでいい?2つ取れたから塩と半々にする?そっちのお嬢さんはどっちが好きかな?」
ニーナ「皆さんで一緒に旅をしていらっしゃるんですね。私もいつもは2人で旅をしているのですが、ここで探しているものがあって一人で残ることにしたんです。塩でお願いします」
ティエ(食うんだ)
クライブ(食うのか……)
ジョルティ「あいよ!締めたてを仕込むのがキモなんだよねぇ」
ノーティ「もうお一方はどちらへ?」
ニーナ「この探し物は私のわがままですので、先に行ってもらいました。恐らく、今頃ゴレンで待っていると思います。しかし、村の傍にグリフォンのような獰猛なモンスターがいるとは思っていませんでした……。もしよろしければ、私の野営にご一緒していただけませんか?準備はほぼできておりますので」

ニーナと名乗った女性は、そう言って小さく礼をしました。ニーナさんの物語を書いている竜人は、旅人が別れてしまってさぞ困っていることでしょう。近くにいないということは、竜人は恐らくゴレンの方に行っているんでしょうね。

トリシア「まかせる!」
ティエ「どうします?」
ジョルティ(焼き鳥のタレの仕込みをしている)
クライブ「……決定に従う」
ノーティ「罠などではないでしょうが、何か裏があると?」
ティエ「特に問題無さそうですけど、反対意見がなければ」
トリシア(一服中)

ティエ「ニーナさん、分かりました、私達も同行します」
ニーナ「ありがとうございます。それでは、こちらに準備してありますので……」

ジョルティ「トリシアさん、こんな感じでどうよ」
トリシア「うまい!」

結局、皆ニーナさんに着いて行くことにしたようです。ニーナさんの準備しているという野営には、薄く青い光を放つバリアのようなものが張られていました。中には、確かにもう少しで準備が終わりそうな野営道具が見えています。

クライブ「……狩猟に行ってくる」
ジョルティ「設営は任せたー」
トリシア「おう手伝ってくるから狩っておいで」

〈狩猟判定:岩場:目標8
クライブ:15(食料7
ジョルティ:12(食料4

〈野営サポート:目標5
トリシア:8

クライブとジョルティは、どこでこんなに見つけたのか、というほど大量の食料を持ち帰ってきました。どう考えても食べきれず残してしまう量です。グリフォンの焼き鳥(グリフォンって体の部分は獣でしたけど、焼き鳥で良いんでしょうか?)も有ることを考えると、ちょっと勿体無いですね。
トリシアの方もニーナさんが途中まで終わらせたキャンプの設営を手伝い、彼らが戻ってくる頃には設営が終わっていました。

ノーティ「ニーナさんのおかげもあって、今日は助かりましたね」
ニーナ「いえ、こちらこそ。グリフォン相手では一人ではどうしようもありませんから。私は夜に探し物をするので、皆さんはお休みになって下さい」

ニーナさんはそう言ってまた小さく礼をしました。探し物なら、夜より昼にやった方が良いと思うのですが……何か理由があるのでしょうか?

ノーティ「ニーナさん、よろしければその探し物に同行させて頂けませんでしょうか?」
ティエ「我々もお手伝いしますよ!
ニーナ「よろしいのですか?3日程探しても見つからず、途方にくれておりましたので……お手伝い頂けるなら願ってもないことです」
ジョルティ「まだ食べ足りないんじゃが……しょうがないにゃあ」
ティエ「ちなみに、何を探してるんですかー?」
ニーナ「探し物は……共明石という宝石です。月夜の夜にのみ、明るく輝くと言われています」
パワー(ムーンクリスタルパワー!メークアーップ!)

ニーナ「それでは、そろそろ出かけたいと思うのですが」
ティエ「行きましょう。お話は移動中にでも」

皆はニーナさんに付いて、野営から出ました。外は月夜とは程遠い漆黒で、前を見るのも覚束ないぐらいです。鳥の化身では特に全く何も見えないので、私も元の姿に戻ることにしました。
ジョルティがランタンを取り出そうとしていましたが、それよりも早く、ニーナさんが懐から一冊の本を取り出しました。
ニーナさんはその本を左手に持って開き、右手でページをなぞり始めます。すると、ページの中に光り輝く文字が浮かび上がり始めました。このような魔法の使い方は、私は見たことがありません。
ニーナ「我らの道を照らせ……ネームド・ムーン」

ニーナさんの声に呼応するように、空が急激に明るくなっていきました。上に目をやると、煌々と輝く満月が空に穴を穿っていました。……この魔法自体は、秋魔法の一種だったと記憶しています。……しかし、私がニーナさんから感じる季節は、冬でした。……どういうことなのでしょうか。

ノーティも同じく不思議に思ったのか、ニーナさんの持っている本に釘付けになっていました。

クライブはその瞬間、嫌な予感に駆られて咄嗟に昼に掘り出した水晶を隣にいたパワーの独特な髪の中に突っ込んでいました。物凄い素早さで、誰も気付いていないようでしたが……私の目でなければ見逃してしまう程の早業ですから仕方ありませんね。

そして、月明かりが私達のことも照らし始めました。するとその瞬間、パワーの頭の中から虹色の光が溢れ出しました。なるほど……あの水晶が、共明石だったということなのですね。

ニーナ「その……髪が光っているようですが……?」
ティエ「本当だ!?」
トリシア「なんだこのアフロ」
ジョルティ(夜も深まるFEVER NIGHT!弾けるBEAT!高鳴るHEARTHo!
ノーティ「不思議な人だとは思っていましたが……こんな人でしたっけ……?」
ニーナ「不思議なこともありますね……この光は、聞いていた共明石の光とよく似ています」
クライブ「不思議なこともあったもんだな」
ニーナ「でも……光っているのは頭ですもんね……」

ニーナさんは訝しげにパワーのことを見ているものの、それ以上は何もしません。クライブはその様子をバツが悪そうな顔で見ていました。

クライブ「いや……すまん、アフロに石を突っ込んだ」

クライブはそう言いながら、パワーの頭から共明石と思われる水晶を取り出しました。取り出された水晶は、さらに強く月光を浴びたことで、より一層輝きを強めました。月明かりと共明石の光で、夜の闇は完全に取り払われているように思えました。これほどの美しい光景は、なかなか見られるものではありません。竜の君にも見せてあげたかったものです。

ニーナ「この光……!これは間違いなく共明石……!?皆さん、これもどこで?」
ティエ「そこで」

皆がいたのは丁度グリフォンと戦う前に共明石を掘り出した場所だったので、ティエはその場を指さしました。採掘跡にまだ共明石の破片が残っているかとも思いましたが、全く光のようなものは見えません。

ニーナ「ここに……いえ、でもこう深く埋まっていたのでは、どちらにせよ私では手に入れる事ができなかったでしょうね。……不躾なお願いではありますが、共明石を譲って頂けませんでしょうか。……出せるものはそれほどありませんが、私の出せるものであれば……」
ノーティ「そもそも、この石は一体何なのです?」
ジョルティ「食べたら美味しい?」
ニーナ「共明石は、私の故郷に伝わる宝石です。月夜の晩にのみ光輝くとされていて、私の村はその光を寄す処にして発展したと伝わっています。……現在の村には、もう遺っていません。私の父も、祖父も、それを追い求めて旅をしましたが、見つけ出す事はできませんでした」

ノーティ「なるほど……ちなみに、そちらの本は?」
ニーナ「この本ですか?これは私の家に伝わっている[名月の光証]という物です。私は冬の季節しか感じることができませんが……この本の力で月を映し出すことができるんです」

ノーティ「……どうでしょうか、皆さん。共明石は、我々が持っていても役に立つものではなさそう……ですね?」
ティエ「使える使えないで言えば、使えないな」
クライブ「まあ、所持金の半分ぐらいで手を打っていいんじゃないか?」
ニーナ「路銀は、ほとんどありません。この旅の準備のためにほとんど使ってしまいました。……もし、興味があるのであれば、名月の光証をお譲りします。この本は、共明石を見つけるために託されたものですから、これで手にできるなら、もう必要はありません」
クライブ「……ノーティがその本を扱えるなら、それで良いんじゃないか?」
ノーティ「私が更に魔法をマスターすれば、これは役に立つ日が来ると確信があります」
ジョルティ「良いんじゃない?あと、美味しい食料とか持ってない?」
ニーナ「宜しいのですか……?食料は、ゴレンに着けばご用意出できるかと思います。旅の伴がファーマーですので」

結局、皆は共明石とニーナさんの持つ名月の光証を交換することで決めたようです。ついでに、町についた時の食料もちゃっかり約束に加えていたようですが。
話し合いが成立したことで、クライブはニーナさんに共明石を、ニーナさんはノーティに名月の光証を手渡しました。すると、煌々と夜を照らしていた月は瞬時に消え去り、夜に闇が戻ってきました。

ノーティ「有り難く受け取ります」
ニーナ「こちらも……本当にありがとうございました」

そして皆は、野営へと戻って行きました。少し時間は遅くなりましたが、ちょっとした満足感を感じながら眠りに就くことができました。

共明石探しで夜遅くまで起きていたため、皆が起きるのも普段より少し遅めでした。私もそうですが……。とは言っても、ゴレンまではもうそう遠くありません。道に迷うことがなければ、夜になる前には到着できるぐらいの距離です。茹だるような暑さも引き、歩きやすそうな天候になっていました。

〈コンディションチェック:4日目〉
パワー:6
クライブ:7
ティエ:5
ノーティ:7
トリシア:6
ジョルティ:7
ニーナ:6

ノーティ「少し遅くなりましたが、薬草を採るぐらいの時間はありますよね」

〈薬草採り:岩場:目標8
ノーティ:9(キョジンノテノヒラ入手)

〈移動チェック:晴れの岩場:目標8
パワー:8
クライブ:10
ティエ:9
ノーティ:8
トリシア:8
ジョルティ:10
ニーナ:6(失敗)

ニーナ「……もう慣れたと思っていたのですが……」

〈方向チェック:晴れの岩場:目標8
ニーナ「サポートしますね」
ノーティ「助かります」

ニーナ:10(サポート成功)
ノーティ:18

ニーナさんのサポートもあり、皆道に迷う事無く移動できているようでした。ただ、行程を半分程過ぎた所で、周囲の環境に異常が起こりました。
皆の周囲の岩肌が、大きく揺れ動いたのです。よく見ると、大岩の下には鋭い眼光があり、こちらを見据えていました。
ノーティも程なくしてそれに気付き、その眼光の主が何者であるのか記憶を辿り始めました。

〈見識判定:目標5
ノーティ:15

ノーティ「これは……岩喰らいですね。岩に擬態する大きな蜥蜴のような生物……言ってる場合じゃありませんね」

ノーティがモンスターの情報を話していると、岩喰らいが動き出し、皆に近付いて来ました。穏便に済ませる事はできそうにありません。……ちなみにこの時、パワーは端の方でぐっすり寝ていました。PL寝落ち)

《戦闘開始》

〈イニシアチブ判定〉
ティエ:12
ニーナ:11
トリシア:10
ノーティ:9
ジョルティ:7
岩喰らい:5
クライブ:5

〈ラウンド1
ティエは前線に立ち、岩喰らいに向けて短剣を振るいました。命中させることはできたものの、短剣の威力では岩喰らいの硬い装甲をほとんど貫くことができません。

次にニーナさんは冬の魔法「キャッチ・ア・ウィンドイーヴィル」を使い、岩喰らいに病気を与えました。

続いてトリシアは弓を放ち、装甲の隙間に命中させ、ある程度のダメージを与える事ができたようです。

ノーティは遠くから「シューティング・スター」により、岩喰らいの体を直接焼くことに成功しました。
ジョルティもトリシアと同じく弓を放ちましたが、こちらは装甲に弾かれてしまい、ダメージを与える事ができません。

岩喰らいは目に付いたという理由からでしょうか、ジョルティに向かって突進しましたが、動きは遅く、全く命中しそうにもありませんでした。

そしてここまで、岩喰らいの動きと装甲をよく見ていたクライブが、的確に装甲の隙間に剣を突き刺します。岩喰らいは目を細め、苦しんでいるような様子を見せていました。

〈ラウンド2
ティエは再び短剣で岩喰らいへと攻撃を行います。それほど大きなダメージを与えることはできなかったものの、岩くらいはかなり苦しんでいる様子でした。

ニーナさんはトリシアの弓に、冬魔法である「デザイアー・アイスソード」を使い、その攻撃力を増加させます。

トリシアはその補助を受け、青白く光る矢を放ちます。矢は装甲を貫き、その向こう側に冷たく鋭い一撃を加えることに成功しました。

ノーティは止めを刺そうと「シューティング・スター」を唱えますが、集中が途切れてしまったためか、発動に失敗してしまったようです。

最後は、ジョルティの放った矢が、見事分厚い装甲の向こう側にある岩喰らいの急所に命中し、岩喰らいは動かなくなりました。

《戦闘終了》

彼らは、思った以上に成長しているようです。私の見る所では、昨日のグリフォンも、この岩喰らいも、そこまで弱い相手ではありません。しかし、彼らは全く苦戦する様子もなく、これを退けました。

ジョルティ「さあ、調理の時間だ!」

〈材料加工:目標8
トリシア:3(失敗)
ジョルティ:12

ジョルティ(上手く装甲を避けながら捌く)
ジョルティ「思った通り、岩の下は柔らかいみたいね」(ジュルリ)
ノーティ(食べるのか……)
ニーナ(それでも硬そうですけど……)

ジョルティが岩喰らいを捌くと、「頑丈な保存食」となりました。どういうものなのか、私にはよく分かりません。……歯が欠けそうなので、遠慮したい所です。

岩喰らいを倒すと、目的のゴレンまではもう特に障害はありませんでした。淡々と歩き続けるだけで、ゴレンへと到着することができました。

ゴレンは、聞いていた通り大きな鉱山がある町です。町中には鉱山で取れた銀を打つような音が至る所から響いています。

ニーナ「ここまで、一緒に来ていただいてありがとうございました。……もちろん、共明石のことも。私達はまだしばらくこの町にいる予定ですので、もし用事があれば、お呼びください」

ニーナさんもそう言って、知り合いが待っているという宿へと帰って行きました。皆もこれで一段落という感じで、町の中を見て回りながら宿を探し始めました。

私は……恐らくゴレンにいるであろう、ニーナさん達の旅物語を記している竜人を探してみることにしました。竜人のよしみです、私達と供にいた時の話を、教えてあげようと思ったからです。

ニーナさん達に着いて行ってみると、宿の中にはやはり竜人がおりました。彼女は蒼竜で、水晶の首飾りを下げていました。なるほど、2人だけで旅を続けられているのは、この水晶の加護によるものだったのだな、と一人合点をして、話しかけてみることにしました。

初めまして、蒼竜のお方。私はニーナさんと同行してきた旅人達の旅物語を書いている緑竜のアリアと申します。あなたは……リーズさん、ですか。
ええ、ニーナさんがそちらのもう1人の方と別れて行動していると言っていましたので、もしかすると旅物語を書いている竜人が困っているのではないかと思いまして、道中の話をしに参りました。
と言っても、私達がニーナさんと出会ったのは2日前のことですから、その前の3日のことまでは分かりませんが……それでもよろしければ。
――それでは、私達と、ニーナさんの物語をお聞かせします。

第三話「荒涼の地、光麗の月」 了

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こうして、彼らはカナセからゴレンへと無事到着することができました。月を巡る物語は、私も初めて聞いたことで、驚いてしまったものです。
……どうしたのですか、竜の君?何か腹の虫の居所が悪そうですが……ああ、私が旅物語を他の人に先に聞かせたことが気に食わないのですか?
もう、そんな小さなこと気にするものではありませんよ。そこそこ、面白いお話だったでしょう?機嫌を直して下さいな。
……仕方のない竜の君です、分かりました、それでは、次は取っておきの旅物語を作ってまいりましょう。もちろん、最初にお聞かせしますよ、我が竜の君。

【MVP:ジョルティ】
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こちらは、2016/6/3に行ったオンラインセッションのリプレイです。
今回は長くなってしまったため前後編と分けました、今後も恐らく長くなるため前後編に分けますが、一週間あたり1シナリオになるかと思います。
今回も途中でパワーのPLが寝落ちしてしまっていたこともあり、長くなりすぎている、という懸念がありました。
次回分はすでにプレイが終わっていますので近々執筆致しますが、それ以降は週に1シナリオとなるかと思います。
今回は、色々と反省する所がありました。中でも戦闘が全く盛り上がりの無い一方的なものになってしまったことは、今後の大きな課題だと感じました。
その為、次回のシナリオでは、戦闘をメインに据えてもう少し「歯ごたえ」のある戦闘を目指しました。そちらの方も、お楽しみにして頂ければと思います。
それでは、また次回お会いできれば幸いです。


【参考サイト】

2 件のコメント:

  1. リプレイのアップお疲れ様です。相変わらず緑竜の語り口が情緒に溢れていて良いムードですね。
    旅人が出会うときには、こんな風に竜人同士のやり取りもあるんでしょうか。想像すると楽しくなります。
    このキャンペーンの旅路と旅人の成長を楽しみにしながら、次の物語をゆっくりとお待ちしています。

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    1. お読み頂き&コメント頂きありがとうございます!
      竜人同士の会話は、リプレイ執筆時に即興で取り入れたものですが、今後も機会があれば取り入れていきたいな、と思っています。
      実際のプレイではほぼ存在感のない竜人なので、ここでアピールしています。
      今後も、拙いながらもリプレイの執筆をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

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