2016/06/28

ゲームプレイ感想:Dead by Daylight



総合点:35/100



+Pros

+面白い非対称対人コンセプト
+ユニークなシリアルキラー達

-Cons

-コンセプトとゲームデザインの齟齬
-対人ゲームにおけるレベルアップ性
-コミュニケーションの問題
-インタラクトが難しすぎる
-メガネ男がジーパンを下で履きすぎているのが腹立つ


総評

殺人鬼VS4人のサバイバーの命をかけた鬼ごっこゲーム
……といえば聞こえは良いのですが、このゲームの実態は少々違っています。
コンセプトは面白く、基本となる部分も面白いものだと思うのですが、ゲームコンセプトと実際のゲームデザインとの齟齬があり、「コンセプト通り」のゲームにならないのが大きな問題だと感じます。
では、個人的に問題があると思う部分について列挙します。これは2016/6/28段階でのものであり、それ以降のパッチで変更されている可能性もあります。

1.勝利条件
基本的な部分としては、サバイバーが出口に電力を送る発電機を規定数直し、出口を開けて脱出する、というものです。
しかし、このゲームの問題は「脱出すればサバイバーの勝利」「全員殺せば殺人鬼の勝利」……とはならないことです。
このゲームでの勝利条件は、双方ともに「規定のポイントを稼ぐこと」にあります。
サバイバーの場合は脱出を達成する他、発電機の修理や、殺人鬼の近くに一定時間滞在することでポイントが入ります。脱出するだけでは勝利のポイントに届きません。
対して殺人鬼の場合も、サバイバーを捕まえて生け贄にする他、それぞれのキャラごとのスキルを使用した回数などによってポイントが入ります。こちらも、もし4人殺害をしたとしても、勝利となりません。

その結果どういうことが起こるのかというと……
殺人鬼は捕らえたサバイバーを吊り下げたフックの目の前でスキルの発動を繰り返してポイントを稼ぐようになり
サバイバーは脱出経路が解放されたにも関わらずマップに残って、もう本来直す必要のない発電機を直したり、わざと殺人鬼の目の前に姿を表して逃げまわったりし始めることになります。

……単純に、捕まったら負け、捕まえたら勝ちではいけなかったのでしょうか……?もう逃げられるのに敢えてポイント稼ぎをしている様などは、極めて滑稽です。

このシステムは、初めて暫くは理解しにくいものです。その為、知らない内は「マナーの悪いプレイヤーが多い」とただそう感じます。……門戸が狭くなると、人口が減少するという対人ゲームにおける最大の問題が発生することになるため、極めて問題だと思います。
同じようにマナー問題が発生したゲームLord of Vermillion ARENAや、切断が多すぎて過疎化したゲームEvolveや、対抗馬が強すぎて生まれた時から過疎化していたゲームBattlebornなど、先人たちがその良い例です。

2.レベル制
このゲームはいわゆる非対称形の対人ゲームです。
この時点でもって、上手くバランスをとるのは非常に難しいものとなっているのは、先例(Evolve等)からしても明らかです。
しかしながら、このゲームはこのただでさえバランスを取るのが難しい非対称ゲームに於いて、キャラクターのレベルアップシステムを搭載しています。

繰り返しプレイをしている人は、当然ながら段々とマップを覚えていくなど、プレイヤースキルが向上していきます。
そして、さらに繰り返しプレイによって獲得したポイントによって、キャラクターが強化されます。
……このような構造は、現在のように人数が多い環境であればまだある程度許容できるかも知れませんが、少しでも人数が減ってくるとたやすくバランスを崩壊させるのではないでしょうか。
同じようなレベルの人とマッチングしないようになると……もう二度とバランスが取れないゲームになってしまうのではないでしょうか。……これも先例が示しているように。

3.発電機の修理システム
これは、もうそこそこいい年になっているオッサンの嘆きであって、このゲーム自体の根本的な問題ではないのですが……。
私の反射神経では発電機の修理中に発生するインタラクトが全く成功しません!
なんとかして下さい!?もうちょっと、もうちょっと条件を緩くして頂いても良いのではないでしょうか!?
こんなんじゃ俺、殺人鬼しかできなくなっちまうよ……!(勝てるわけではない)

4.コミュニケーションの問題
……気を取り直して、最後に、このゲームに於けるもう1つ重要な問題として「コミュニケーション」があります。
サバイバー側は脱出のために4人で協力をしなければならないという作りになっているものの、このゲームにはチャットは愚かラジオボタンすら存在していません。
つまり、各々の行動からしか、「味方」が何をしようとしているのか全く分からないということです。

これ自体は、「プレイの中で連携」を目指すエクスペリエンスとして、そこまで悪いものだとは思いません。
しかし問題なのは、この中に「意図的にフレンドとマッチングしようとする」勢力が存在している場合です。
基本としてコミュニケーションが取れないゲームの中で、例えば2人だけであってもボイスチャットで繋がっているようなことがあれば、どうなるでしょうか。
本来ならば僅かな情報を繋ぎあわせて殺人鬼の居場所を推測し、安全な行動を選択しなければならないサバイバー側ですが、もしリアルタイムで連絡を取れる人がいれば「殺人鬼こっちにいるよ」「OK発電機直すわ」で全てが崩壊します。

これならまだマシな方で、殺人鬼とサバイバーの1人がフレンドだった場合、「こっちにサバイバーいるわ」「OK狩るわ」が可能です。勿論ポイントも、2人いれば近くに滞在するだけで稼げるのですから、他全員を美味しく料理した後に部屋の隅っこでじっとしていれば両者勝利です。バカバカしいではありませんか。

今後、フレンドとのプレメイドマッチングを実装するとのことですが、これをする場合にはどのようにバランスを取るつもりなのでしょうか。
そのまま実装すれば鬼は圧倒的に不利となります。
しかし、鬼を強化したり、サバイバーを弱体化するようなことがあれば、今度は「ソロプレイヤー」が不利となります。
……ゲームデザインの根幹に関わる部分に、克服することが難しい問題が存在しているのではないでしょうか。

個人的にはパーティプレイ層には頑張って5人集めてプライベートマッチでやってもらうようにするとして、途中切断のペナルティを非常に重くし、かつ、マッチング画面で誰とマッチングしているのか全くわからない状態にしてしまうのが一番良いと思うのですが……。

総括すると、「5人集められないのならば、今のところはオススメできないゲーム」です。
私は友達いませんのでこの評価です。

こちらは、Steamレビューに投稿したものをそのまま流用しました。頑張って書いたからね!

追記(2016/9/4)
有料DLCとして、新殺人鬼「ナース」が配信されています。壁を抜けることができるというなかなかとんでもない能力を持っているとのこと。
有料DLCキラーとは有料DLCを持っている人しかマッチしない仕組みということなので、ナースと戦いたくないサバイバー専の方は導入しないという選択肢があるかと思います。
……アップデートの方向性が、どうにも望んでいるのと違っているので、まだ復帰はしていません。

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