また、その空洞から、そこはかとなく熱い空気が漂ってきているのを感じました--。
トリシア「ちょっと熱いね」
ティエ「火だったりして?」
更にトリシアには、その空洞の方からガリガリというような、何かの音が聞こえてきました。その音は継続的に、複数聞こえているようでした。
第三十四話 第二部「七つの旅-夏/火の海の亡霊」
トリシア「なにかきこえた」
トリシア「皆聞こえないかい」
〈動物探し:目標8〉
クライブ:8
ジョルティ:12
ジョルティとクライブは、今歩いている道からその空洞に向けて足跡が続いている事に気が付きました。しかし、それ以外には特に生物の痕跡は見られません。少なくともこの場所から見える範囲には、他に何もありません。
ジョルティ「人間の足跡は残ってるな」
ノーティ「誰かが焚き火でもしているのでしょうか?」
クライブ「ま。考えても仕方あるまい。いくか」
ティエ「足跡たどっていきますか」
トリシア「足跡は全部空洞の方に続いてるの?」
ジョルティ「そうだな、来た道に繋がってるものはないみたいだ」
トリシア「そっかー」
クライブ「先に行くぞ」
クライブが足早に空洞の方へと進んでいきます。ティエがそれに続く形で追いかけ、他の皆もその後に続きました。
程なくして空洞に入ると、明かりと熱の理由はすぐにわかりました。その場所は浮かんだような大きな岩場となっており、その遥か下には溶岩が流れています。その溶岩が、周囲を照らし、周囲を熱していることは明らかでした。
トリシア「あつそう」
トリシア「ちょっとジョルティ降りて触ってみて」
ジョルティ「死ねって言ってる?」
トリシア「焼きジョルティもいいかなって?」
空洞はなかなかの広さがあり、岩場も足場自体はしっかりとしているようです。確かに熱く、じっとりと汗が浮かんでくるほどでした。
足跡はその岩場の中央方向に続いており、その空洞の岩場の中央には、見たことのある4人がひざまずいている姿が見えました。シュヴァリエ・ルージュ、ラグナさんの旅人達です。
彼らはガリガリと、地面の何かを掘り返すように手を動かしています。その指は血塗れになっており、どうにも正気であるようには感じられません。一心不乱に、素手で地面を掘り返そうと試みています。
ティエ(こわっ)
ジョルティ「なにやってんのあいつら…」
ティエ「声をかけるか戸惑う」
トリシア「うわあ…彼らやばくない」
クライブ「ひっぱたけばなおるんじゃねーの」
パワー「野生化したか? 俺も混ざろうかな」
トリシア「ラグナさんどうすりゃいいの、これ」
トリシア「あれが彼らの日常なのならわたしたちにはどうにも…」
ラグナさんはトリシアの言葉に「そんなことはないのだが…」と地面に書き込んでいました。
〈察知:敏捷+精神:目標10〉
パワー:8(失敗)
クライブ:11
ティエ:7(失敗)
ノーティ:16
トリシア:10
ジョルティ:12
パワーとティエ以外の皆は、狂気的に地面を掘っている彼らの向こう側に、半透明の黒いローブを被った影のようなものが浮かんでいるのが見えました。
トリシア「なんかあっちに更になんかいる」
ジョルティ「透けてなーい?」
ノーティ「あの黒い影は?
ローブを被っているようですが……」
ティエ「え? ん? あー… ほんとだ!」
トリシア「操られてる・・?」
トリシア「そういや大昔リンちゃんこんな事してたよね」
クライブ「そんなこともあったな」
トリシア「ジョルティあれリンちゃんかもよ」
ジョルティ「リンちゃんに会いたい」
トリシア「そこのローブ姿のやつきっとリンちゃんだからあっておいで」
ジョルティ「絶対違うぞ」
トリシア「わたしもそう思うけど、ほら、試しにね?」
ティエ「……とりあえず魔物の可能性を考慮して、ドラコニカで見てみましょうか」
〈ティエ:呪文魔法「オープンドラコニカ」→黒いローブの影〉
発動判定:18
ティエのドラコニカが、ページを捲っていきます。
ティエ「あらめずらしい。最近めっきり働くなくなっていたドラゴニカが働いてる」
【エルダーリッチ】
〈アンデッド〉
自らを不死化する魔法を使った魔術師の成れの果て。理性が失われており、力と富を求めることにのみ執心している。力と富への執着を捨てた「セレブ」とは違い、純粋にその執着に取り憑かれることによって強化された「リッチ」である。
トリシア「リンちゃんもんすたーだったの?」
ジョルティ「違うって言ってるでしょ殴るぞ」
トリシア「ぼうりょくはんたい」
2人がそんな風にじゃれ合っていると、突如としてそのエルダーリッチがこちらの方を向きました。どうやら、ティエの使用した魔力に反応しているようです。
そして、エルダーリッチは静かにその腕を挙げ、皆の方を指差しました。すると、地面に爪を立てていたシュヴァリエ・ルージュの4人がゆらりと立ち上がり、各々武器を取り戦闘態勢に入りました。
〈戦闘開始〉
周囲を溶岩に囲まれているような地形であり、熱さこそ感じるものの、短時間の戦闘であればそれほど問題が起こることもないでしょう。
足場も確かであるため、落ちることもなさそうです。
トリシア「まあここで彼らぶったおしても私らきっと悪くない」
クライブ「死ななきゃ問題ないだろ」
ジョルティ「ノーティ君、ウィンター:アーリーモーニングで解呪出来ねーのあれ?」
ノーティ「ええと……魔法効果を消すことで正気に戻せないかということですね?」
ジョルティ「そうそれ」
ノーティ「そうですねえ、少なくとも前に出て試さないことには分かりませんが……ちょっと怖いな……」
ジョルティ「……そうだ、あいつアンデットだったな。弓を持ち替えておこう。ティエのおかげで間に合った」
ティエ「それはなにより」
ジョルティが普段担いでいる竜殺しの弓から銀の弓に持ち替え、戦闘が始まりました。
〈ラウンド1〉
【ティエ】
ティエ「とりあえず、効くかは分かりませんが試してみますか」
〈秋魔法「ショウリョウウマ」→エルダーリッチ〉
発動判定:Critical
ティエ「なんかうまくいった!」
エルダーリッチはティエの魔法に対して、咄嗟に自らも魔力を放って対抗をしようと試みました。
〈スキル発動:魔法相殺:知力+精神の対抗ロールで魔法発動の無効化を行う〉
発動判定:自動失敗(Criticalのため)
ティエ「……何かしてきましたねぇ。上手く効いたようではありましたが……」
【ノーティ】
〈冬魔法「ウィンター:アーリー・モーニング」〉
発動判定:24
〈エルダーリッチ:魔法相殺:目標24〉
判定:34
ノーティ「うっ……衝撃が」
エルダーリッチはノーティの魔法が詠唱されるのに合わせ、それを無力化させる魔法を唱えました。ノーティの魔法発動は強制的に魔力漏れが発生したことで失敗させられてしまいました。
ジョルティ「アンチマジックに対してアンチマジックとかこれもうわかんねぇな!」
ノーティ「直接対象に取らなくても、不利益のある魔法なら無効化してくるようですね……厄介な」
【トリシア】
〈オブジェクト利用フェイント攻撃→エルダーリッチ〉
命中判定:10(失敗)
トリシアは目の前に陣取っていたアルバの体に自らの身を隠すようにして、エルダーリッチに向かって威嚇の矢を放ちました。
しかし、エルダーリッチは動じている様子はありません。……人間をオブジェクトとして使用していることに私とラグナさんは少々動じたためイニシアチブが下がりました。
【ジョルティ】
〈オブジェクト利用フェイント攻撃→エルダーリッチ〉
命中判定:16(イニシアチブ-1)
今度はジョルティが、ガルシャの影に入るようにしてエルダーリッチに威嚇射撃を行いました。トリシアは真似するなよー、というような顔をしていましたが、エルダーリッチには効果があったようです。
……ついでに、射撃の衝撃でガルシャのサングラスが飛んでいきました。ひどいことをするものです。
【クライブ】
〈オブジェクト利用フェイント攻撃→エルダーリッチ〉
命中判定:21(イニシアチブ-1)
更に今度はクライブが、ローナの影に隠れるようにしてナイフを投擲し、エルダーリッチの気を引きます。……体格的にどうみても大部分見えているんですが。私達はもう見慣れてきたのでイニシアチブが回復してきましたが、エルダーリッチはそうではないようでした。
【エルダーリッチ】
エルダーリッチは皆の方を向いておらず、周囲の溶岩の方を向いて何か聞き覚えのない魔法の詠唱を始めていました。
竜の言葉で「火の精よ来たれ、我が力となれ、火の精よ来たれ、我が身を焼き尽くせ」というような呪文が端々に聞こえました。
〈謎の呪文詠唱〉
達成値:6
呪文進行度:6/12
【ローナ】
〈冬魔法「キャッチ・ア・ウィンドイーヴィル」→ノーティ〉
発動判定:7(失敗)
ローナはノーティに接近し、その手を触れて冬魔法の詠唱をしましたが、ノーティの抵抗力がそれを退けました。
ノーティ「冬魔法を使われるんでしたね……」
ティエ「どんな魔法でしたっけ?」
ノーティ「風邪引くやつです」
ティエ「それはいやだなあ…」
【アミール】
〈春魔法「ローズフィーバー・スキャッター」〉
発動判定:13
パワー・クライブ・ローナ・アミール・ガルシャが毒(6)に
パワー「鼻が痒い!」
クライブ「しかし、向こうの方が被害大きいんじゃないかこれ」
【アルバ】
〈攻撃→ノーティ〉
命中判定:10(失敗)
ノーティ「僕、何かしました?」
ジョルティ「ていうかノーティ闘技大会でてないし、ほぼ初対面だよな?」
ノーティ「まあ、祭りで多少会いましたけども……」
【ガルシャ】
〈攻撃→トリシア〉
命中判定:15
ダメージ:7(防護3)
トリシア「けっこういたい」
【パワー】
〈攻撃→ガルシャ〉
命中判定:Fumble(羽飾りにより通常失敗)
パワー「あああ…草…」
パワーは毒で力が抜けていたこともあり、力なく躓きそうになっていました。その時、ガルシャが鼻で笑ったように見えました。
ジョルティ「グラサン取ったら目が綺麗な上に操られてまでカッコつけてる奴がいます!!」
〈ラウンド2〉
【ティエ】
ティエ「さて…不利な魔法対決ですが…とりあえずやってみますか」
〈秋魔法「ショウリョウウマ」→エルダーリッチ〉
発動判定:15
〈エルダーリッチ:魔法相殺:目標15〉
判定:21
【ノーティ】
〈冬魔法「ウィンター:アーリーモーニング」〉
発動判定:23
〈エルダーリッチ:魔法相殺:目標23〉
判定:26
ノーティ「くっ、頭が痛い……」
ジョルティ「生前は相当な手練の魔術師なんだろうなぁ! めんどくせぇ!」
【トリシア】
〈集中攻撃→エルダーリッチ〉
命中判定:20
ダメージ:12(銀の武器によりアンデッド装甲貫通)
トリシア「よーし、効いてる」
【ジョルティ】
〈オブジェクト使用+集中攻撃→エルダーリッチ〉
命中判定:16
ダメージ:7(銀の武器によりアンデッド装甲貫通)
ジョルティはスライディングしながらアミールに近寄り、そのまま太腿越しにエルダーリッチを射撃していました。
ラグナさんが思わず地面に「あんまりセクハラするな」と書いていましたが、戦闘中ということもあり見えていないようでした。うちのものがすみません。
ジョルティ「効いてるぞ! 元魔術師だけにあんまり固くなさそうだな!」
【クライブ】
〈投擲攻撃→エルダーリッチ〉
命中判定:11(失敗)
クライブは何を思ったか先程吹っ飛んだガルシャのサングラスに駆け寄ってそれを拾い上げ、エルダーリッチの方に投げつけました。サングラスはエルダーリッチに命中することなく、そのまま後逸して背後の溶岩の中へと落ちていきました。
……うちのものがすみません、本当にすみません。
クライブ「あーあ、沈んだ」
沈めたの間違いでしょう!?
ジョルティ「惜しい男(グラサン)を亡くしたな…」
パワー「まま、ええわ」
よくないですよ……?
【エルダーリッチ】
〈謎の呪文詠唱〉
達成値:5
呪文進行度:11/12
エルダーリッチは変わらず溶岩に向かって何かを詠唱しているようでした。まだ詠唱は終わっていないようですが、溶岩の方がボコボコと言い始めており、何か変化が訪れ始めていることが見て取れました。
【ローナ】
〈攻撃→クライブ〉
命中判定:5(失敗)
クライブ「しょっぱいなぁ」
【アミール】
〈夏魔法「イバラノソノ」→前衛エリア〉
発動判定:19
コンディション19以下の全員のイニシアチブ-2
足元から茨のようなものが飛び出し、皆の足を取ります。ノーティを除く前衛の全員のイニシアチブが低下しました。……パワーはこれ以上下がるイニシアチブもないようでしたが。
【アルバ】
〈攻撃→パワー〉
命中判定:10
ダメージ:7(防護点3)
パワー「きかんなぁ!」
トリシア「うそつけ絶対痛いゾ」
【ガルシャ】
〈攻撃→クライブ〉
命中判定:10(失敗)
クライブ「当たりそうにないな」
【パワー】
〈攻撃→ガルシャ〉
命中判定:7
ダメージ:11
〈左手攻撃→ガルシャ〉
命中判定:8
ダメージ:5
パワー「うおりゃー!」
〈ラウンド3〉
【ティエ】
ティエ「ぐぬぬぬ、そろそろ決めたい所ですが…」
〈秋魔法「ショウリョウウマ」→エルダーリッチ〉
発動判定:9(失敗)
ティエ「普通に失敗したし……」
【ノーティ】
ノーティ「いい加減なんとかしたいですね……」
ノーティは思うように魔法が使えず、若干苛立っているようでした。
〈冬魔法「ウィンター:アーリーモーニング」〉
発動判定:15
〈エルダーリッチ:魔法相殺:目標15〉
判定:20(無効化)
ノーティ「むむむ……」
ティエ「あいつ、絶対こっちの力量に合わせて相殺してますね」
【ジョルティ】
ジョルティ「一点集中!!エルダー撃ち倒さん!!」
〈集中攻撃→エルダーリッチ〉
命中判定:20
ダメージ:11
ジョルティ「ふぉいやー!!」
ジョルティの矢がエルダーリッチの胸を貫きました。エルダーリッチは浮遊する力を失い、そのまま溶岩の中へと落ちていきます。
その時、同時にシュヴァリエ・ルージュの4人が正気を取り戻したようでした。
クライブ「お、死んだか?」
トリシア「おはよう?」
しかしその直後、エルダーリッチが沈んでいった溶岩の底がボコボコと音を立て始めました。溶岩の底から、エルダーリッチの体を口に咥えた、全身に火を纏ったような、大きな魔物が飛び出し、目の前に現れたのです。
その火の魔物は大きな声で吠えたと思うと、皆をめがけて突進してきました。明確な敵意をもっているようでした。
クライブ「お、でかいな……」
クライブ「あ、ノーティ。毒直してくれ毒」
ノーティ「それどころではなさそうですが」
クライブ「まじか…短剣も回収してないってのに」
【トリシア】
〈知見→火の魔物〉
判定:8(失敗)
〈攻撃→火の魔物〉
命中判定:16
ダメージ:11
トリシア「効いてはいるみたいだね?」
クライブ「それなら殴るに限るか」
【クライブ】
〈知見→火の魔物〉
判定:6(失敗)
〈攻撃→火の魔物〉
命中判定:8
ダメージ:7
クライブ「浅いか……」
しかし、それでもクライブの攻撃は確かに通用しているようでした。
【ローナ】
ローナ「……どういう状況?」
ジョルティ「えーっとね」
トリシア「あれ。敵」
ローナ「そうよね、それはなんとなく分かるわ」
クライブ「さぁ? とりあえず殺せば解決だろ」
ジョルティ「操ってた奴倒した、助けたと思ったら下からあれ出てきた、戦え、以上」
ローナ「了解。なんだかわからないけど殴りましょう」
〈攻撃→火の魔物〉
命中判定:8
ダメージ:6
ローナ「短剣だとこっちまで熱いわね」
【アミール】
アミール「えーっと……なんだかよくわからないですけど、とりあえず、誰か傷付いている方はいらっしゃいますか?」
トリシア「傷つけた方はあなたたちです」
クライブ「毒ってる」
アミール「えっ……何があったんでしょう……。それは申し訳ないです」
トリシア「仕方ないよ」
クライブ「まあ、そういう日もあるだろ」
ジョルティ「とりあえず自分たちの指治したら?」
アミール「わ……なんでこんなに指が血塗れに……いや、でも軽傷ですね」
アミール「……とりあえず一番傷ついていそうな人を治しますね」
〈春魔法「キュアタッチ・キュアプラスプラス」→パワー〉
発動判定:14
回復量:14
【アルバ】
アルバ「どうやら、迷惑を掛けたようだな……。後で詫びさせてもらおう」
〈攻撃→火の魔物〉
命中判定:5
ダメージ:6
【ガルシャ】
ガルシャ「あれ? 俺のサングラスないんだけど?」
パワー「元からかけてねぇよ」
ガルシャ「まあ、良いか、なんかそんな場合じゃなさそうだし」
パワー「じゃあ俺のサングラスのスペアやるよ」
ガルシャ「あ、お前あの時いきなり殴ってきた奴! ま、まあいい、後だ後!」
〈攻撃→火の魔物〉
命中判定:17
ダメージ:1
クライブ「だめだなあ、ガルシャくん。ホントだめ」
ガルシャ「度入りのサングラスなんだよ、あれ! ないと困るの!」
クライブ「メガネかけろよアホ」
トリシア「しっかり当たってるようには見えるけど」
ガルシャ「そこはほら、な? 分かるだろ?」
パワー「わかるわけねーだろ目玉どんだけでかいんだよ」
ガルシャ「お前の言ってる意味がわかんねーよ!?」
【火の魔物】
〈攻撃→アルバ〉
命中判定:10
ダメージ:14
火の魔物はアルバに向かって突進し、全身の火を浴びせるように攻撃を行いました。その攻撃は重く熱く、アルバに大きな損傷を与えたようでしたが……。
アルバ「まだまだ! もっと狙ってこい!」
本人は至って元気に見えます。
【パワー】
〈攻撃→火の魔物〉
命中判定:15
ダメージ:13
〈左手攻撃→火の魔物〉
命中判定:6
ダメージ:6
パワーの両手の斧が火の魔物に炸裂しました。二発の攻撃により火の魔物は大きくよろめき、立っているのがやっとという様子でした。
〈ラウンド4〉
【ティエ】
ティエ「もう倒せそうではありますが……一応後学のために」
〈呪文魔法「オープンドラコニカ」→火の魔物〉
発動判定:10
【イフェスティオの炎】
〈魔法生物〉
火山に眠るとされる精霊の一種。
基本的に人に危害を加えることはないが、悪しき魔法使いによって使役される場合がある。
しかし、多くの場合魔法使いすらも食い殺し、暴走する。
ティエ「だそうです」
【ノーティ】
ノーティ「では、これでお終いにしましょう。ようやく魔法が使える…」
〈春魔法「カグヤ・レイランス」→イフェスティオの炎〉
発動判定:12
ダメージ:10
イフェスティオの炎はカグヤレイランスに貫かれて形を保てなくなりました。その体は火の玉になって飛散し、そのまま溶岩の底へと落ちていきました。
足元には黒焦げになったエルダーリッチの体が残されているばかりでした。
〈戦闘終了〉
ジョルティ「よし、何か得られるものがないか見てみるか」
ノーティ「では、スプラウトをトリシアさんに」
アミール「お手伝いしましょうか? スプラウト」
トリシア「じゃ、パワーさんにかけて」
アミール「分かりました」
ジョルティ「アミールちゃん俺にも」
アミール「はい、分かりました」
〈ノーティ:春魔法「スプラウト」→トリシア〉
発動判定:13
〈アミール:春魔法「スプラウト」→パワー・ジョルティ〉
発動判定:15,Critical
ジョルティ「ああああああああああああああああああ」
ジョルティ「効いたああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
アミール「!?」
〈材料加工:敵レベル12:目標24〉
パワー:15(失敗)
トリシア:27
ジョルティ:8(失敗)
トリシアはエルダーリッチの体に埋まっていた、宝石のようなものを手に入れました。
トリシア「宝石のようなものがとれた」
その宝石のようなものは、様々な色が混ざっているような、濁った色合いをしています。
ティエ「みたいみたい」
トリシア「どれどれ」
〈知見:目標10〉
ティエ:12
トリシア:18
ジョルティ:16
その宝石は、見たところフリーグゼルで使われていた魔法水晶を研磨して作られているもののようでした。しかし、これまでに見たことがある色ではありません。青や紫、緑、赤など様々な色が混ざり合っているかにみえます。
トリシア「なんか色んな宝石が混ざってる…?」
ティエ「キタナイ」
ローナ「なんだかあんまり綺麗ではないわねぇ」
トリシア「この金槌で砕いてみる?」
ティエ「いやさすがにそれはもったいないような…」
トリシア「とりあえず懐にいれとこう」
ティエ「アルバ達と別れた後に竜の人達に聞いてみるとか」
クライブ「…ま、本体は供養しておくか」
クライブはそう言うと、宝石が取り出されたエルダーリッチの体を再び溶岩へと沈めていました。
ローナ「さて……ところで、何が起こっていたのかしら? なんだか最近の記憶がないのだけれど……」
トリシア「かくかくしかじかのうみそこねこね」
ノーティ「そこで倒れている魔法使いに操られていたように見えましたが……」
トリシア「ということだったのです」
アルバ「成程……」
トリシア「君達の竜人が心配してたのです」
アルバ「それは、なんというか、世話を掛けたな。改めて助かった、ありがとう」
ノーティ「さすがに理解が早くて助かります」
アルバ「とりあえずそこのデカイの。一発殴ってくれ!」
ジョルティ「ドMかな?」
トリシア「なにいってだこいつ」
ノーティ(この人は何を言っているんだろう?)
……変人なのは似たり寄ったりかも知れませんね、ラグナさん?
そしてアルバの言葉を受けて、パワーが両手に斧を構えました。
アルバ「待て待て待て、この流れで斧で殴るか普通!?」
ジョルティ「肉体言語圏特有の高度なコミュニケーション」
パワー「え、ちがうの?」
ティエ「エレオノーラさんもちゃんと止めないと…」
エレオノーラ《そう言われましても》
アルバ「素手で一発、素手で一発っていうことにしておこう」
ノーティ「そうですか、我々には分からない世界なんですね……」
エレオノーラ《左手にしてくださる?》
ティエ「止めろってそういう意味じゃなくてですね?」
パワー「うおりゃー!」
〈素手攻撃→アルバ〉
命中判定:16
ダメージ:3
パワー「ぺちぃー」
アルバ「……存外優しいんだな君は」
トリシア「んで竜人わかるのキミタチ」
アルバ「ああ、一応、存じている」
アルバ「ついこの前に会ったばかりだが……。そう、ここに来たのもその関わりだったのだ」
トリシア「なにしにきたの。そして自分ら手血まみれだよ」
ガルシャ「うお、ホントだ。痛え」
ローナ「爪もボロボロになってるわよもう…」
トリシア「きみたちの竜人さん助けてとは言ったけどここにきた説明とか一切してくれなかったの」
トリシア「ひどいよね」
アルバ「陽光石と呼ばれる鉱石を取りに来た」
アルバ「こちらからも一応確認しておくが……フリーグゼルの魔力問題は、君達も知っているな?」
パワー「しらんな」
ティエ「ええ!?」
ジョルティ「解決した」
アルバ「当事者だとまさにその竜人が言っていたが…」
トリシア「わたしらがやった」
パワー「わたしはやってない。こいつらがやりました」
クライブ「お前もやったんだよ!」
アルバ「だよな。なら細かい点までは説明はいらないか……。実は俺達はあの街の出身でな」
アルバ「竜を魔力源に使っていたことは知らなかったが……ともかく、あの街がいかに魔力に依存している街だったのか、ということはよく知っている」
トリシア「魔力問題とは安定供給ができないほうなのか。それともその後のほうなのか」
アルバ「後のことだな」
アルバ「フリーグゼルの状況はひどいものだったろう? 俺たちは直接確認をしにいったわけではないが、容易に想像できる」
トリシア「ほほう」
ティエ(今からここの村の新フロストーンを売りに行こうかなと思っていたのは黙って居よう)
トリシア「ひどいのは街じゃない。欲望まみれの人間だ!」
トリシアがここぞとばかりに格好付けてそんなことを言っていました。本人はボケのつもりだったようですが、アルバは文面通り受け取っているようでした。
アルバ「……そうだな」
トリシア「えっ」
アルバ「……そこで、ここにあるという陽光石という鉱石を取りに来た。この陽光石は、陽の光を魔力に変換できるものだという」
アルバ「……もちろん竜程の魔力を供給することはできないだろうが……多少なりとも故郷の助力をしたかったのだが……それが随分と迷惑を掛けてしまったようだ」
トリシア「あの魔力供給依存から脱却する方向には至らないのですか」
アルバ「……それは追々だ。とりあえず、目下ある程度でも解消しなければ、命に関わることもありそうだからな……」
クライブ「で、何するん」
アルバ「俺達は陽光石を探していく必要があるんだが……操られて掘らされていたということは、ここにあるのではないかと思う」
アルバ「魔法を使う者にとっては力に繋がる者だからな……」
ジョルティ「え? なに? お前ら異変調査せずに石探してたん? どういうこと?」
アルバ「直後に君達が解決したじゃないか」
トリシア「追々といいつつ依存度が深まるばかりだったのは何処の街でしたかねえ」
アルバ「……まあ確かにな……」
トリシア「医者を街につれてったりしたほうがよっぽど有益じゃないかなと思ったり、思わなかったり」
ノーティ「ともかく、今は時間稼ぎだけでもしておかなければなりませんからね」
アルバ「確かにその手もあるな。色々と、魔力無しでも生活できる環境を整えていく必要があるのは、間違いないだろう」
トリシア「魔力供給止めた側が言うのもなんだけどもね~」
パワー「しりませんな」
ジョルティ「ていうか超常の動力源が必要なテクノロジーとかそもそも安全なのかっていうね」
トリシア「それな」
アルバ「まあ、それは俺には分からんがな」
ノーティ「超常なのは我々の魔法も変わりませんが……」
トリシア「限りあるし」
トリシア「あの鍵はたぶんダメなほうだね?」
アルバ「それで……まあ、なんというか、真に済まないのだが、掘り返すのを手伝ってくれないか。採掘道具は持っている」
トリシア「それは自分の手だ!」
トリシア「…笑う所だよ?」
アルバ「ハハハ」
クライブ「とりあえずだるいから毒直せよ。掘る気起きねえよ」
アミール「あ、そうでしたね、私もお手伝いします」
〈ノーティ:応急処置→クライブ〉
判定:10
〈アミール:応急処置→ジョルティ〉
判定:11
〈アミール:応急処置→パワー〉
判定:8
ジョルティ「ふー、肩が軽くなった気がするー」
アミール「あれ!? そもそも毒ってない!?」
ジョルティ「やる気出たから頑張るかー」
ノーティ「アミールさんには、何か共通点を感じる……」
アミール「じゃ、こっちの皆も治しましょう」
その後アミールはシュヴァリエ・ルージュにかかっていた毒も治し、改めて採掘の準備をはじめました。
〈採掘:体力+体力:合計目標50〉
アルバ:13
ローナ:10
ガルシャ:15
アミール:5
ジョルティ:15
クライブ:19
ジョルティ「すっごい肩軽い!!」
ノーティ(手を持ち上げて首を横に振り、掘らない意思を見せる)
こちらからはジョルティとクライブが手を貸しただけで、岩場に埋まっていた赤ん坊の頭程の大きさがある赤く透き通った鉱石が掘り出されました。それは内側から淡く光っているようでした。
ティエ「デカイし光るし…」
アルバ「……本当に見つかったな、皆、助力に感謝する」
ノーティ「本物かどうか、何かで確かめたりできますかね?」
アルバ「陽の光に当てれば分かるのではないかな……?」
アルバ「では、これをフリーグゼルに届け--」
アルバが陽光石と思しき鉱石を抱えて上げた時、突然周囲から地鳴りが聞こえ始めました。
周囲の溶岩が火柱を挙げており、突然火山窟の崩落が始まっています。
クライブ「おー、崩れてる崩れてる」
ティエ「いやいやいやいやそんなノンキな」
ノーティ「逃げますよ!」
アルバ「おう、逃げるぞお前らも!」
ガルシャ「合点!」
皆が火山窟の出口に向かって走り始めました。
〈脱出:敏捷+敏捷:合計目標50(ファンブルで-5)〉
ノーティ:Critical(12)
パワー:13
ジョルティ:9
ティエ:Fumble(-5)
クライブ:19
トリシア:11
アルバ:7
ローナ:Critical(12)
アミール:5
ガルシャ:19
合計:102
クライブ「ティエ捕まれ」
ティエ「ありがとうございます!」
ジョルティ「パワーさんケンケンパで競争しようぜ!!」
パワー「負けねえぞ!」
ティエはクライブが抱えて、崩落に巻き込まれることなく、しかも特に何か落としたりすることもなく脱出することに成功しました。
皆、普段から旅で歩き慣れているということもあり、余裕綽々といった様子でした。
火山窟から外に出ると、夕陽が差し込んでいました。陽光石がそれに反応し、光を強めています。
アミール「な、なんとかなりましたね……」
ノーティ「危ないところでした。ああ、ようやく息が満足に吸える」
ティエ「おお、さらに光った」
クライブ「お、光ってる光ってる。高く売れそう」
ノーティ「……これは確かに魔力の波動」
アミール「そうですね、これは確かに魔力のようです」
アルバ「話は本当だったんだな……」
アルバ「これで、一時しのぎとはいえ、フリーグゼルの状況を改善できるだろう。改めて、助力に感謝する」
アルバが頭を下げ、皆に改めて謝意を伝えました。
その後、ラグナさんが皆の足元に「ここでは竜の道を開くことができない、アンダルまで戻ってくれ」と書き込みました。
ノーティ「では、戻りましょうか」
皆がアンダルの方に向かって歩き始めた時、ラグナさんがその体を竜に変え、皆を導くように空を飛び始めました。紅い竜の姿が、アンダルまでの道を示します。
〈アウェイクン:竜の先導〉
帰り道に障害となるようなこともありません。これまでにないほどの大所帯で、ゆっくりとアンダルまでの道を歩きました。
〈ブレス発動:ミライ〉
~春の月 28日~
2日後……
一行はアンダルに到着しました。
皆はとりあえず買い物などを始めます。ティエがとりあえず火水石を詰めるだけ買い込んでいました。
ノーティ「さて、買い物は済まされましたね? 夏の竜の君が待っていると思いますよ」
アルバ「しかし、どうしたものか、こっちから行けないよな?」
ノーティ「それについては心配ご無用」
ノーティ「お願いします、クライブさんがまだ持ってらっしゃいましたよね?」
皆が村の郊外に集まると、クライブが金の鍵を使って夏の竜の棲家に竜の道を繋ぎました。
ノーティ「つまづかないようにっと」
トリシア「オジャマシマース」
パワー「ジャジャーッス!」
皆が夏の竜の棲家に入り、私とラグナさんが再び皆に見えるようになりました。
「お疲れ様でした皆さん。皆無事でよかったです」
ノーティ「何事もなくというわけにはいきませんでしたが、何とか」
ラグナ「私からも礼を言おう。皆を助けてくれて感謝する」
ラグナ「見事な手腕だった。やはり強いのだな。夏の竜としては負けていられないと思ったものだ」
トリシア「彼らを見つけたときの雰囲気はもうだめだと思いましたね」
アルバ「面目ない。全く……全員揃って操られてしまうとはな」
トリシア「明日は我が身かもしれないこわい」
ノーティ「陽光石を探していたということは、これで万事問題解決というわけですか?」
アルバ「ああ、おかげで陽光石は入手することができた。後はこれをフリーグゼルに持っていくだけだ」
トリシア「万事じゃないって言いたいお年頃だけどそれは黙っておこう」
トリシア「というか、フリーグゼル遠いよ」
ラグナ「……そこまでは私が道を繋ごう」
トリシア「竜人ってそんなことできるんだー」
ラグナ「竜の元に旅物語を話しに来る必要があるからな。皆、竜の道を繋ぐことはできる……と言うか、皆を呼ぶのに繋いだではないか」
トリシア「アリアちゃんも可能だったとは」
「ま、まあ一応竜人ですから? それぐらいは?」
クライブ「ほーん」
トリシア「できる…やるとはいっていない」
「1人の時にやってるんですよぉ」
トリシア「それと同じ事ができる鍵をいつの間にか持ってた私達。こわいなーこれ」
「それは私も不思議なんですよねぇ。なんであの人がそんなものを託したのか……。おかげで助かってはいますけど」
ノーティ「じゃ、フリーグゼルに戻って……何ていうんでしょう……陽光石の初期設定というか……」
ラグナ「皆、フリーグゼルに向かうのか? そういうことなら竜の道を繋ぐが……」
トリシア「行くの?」
ティエ「このスーパーフロストーン捌かないといけませんからね」
ラグナ「ああ、そうだ、忘れていた。先程までは話せなかったが、あのアンデッドが落とした宝石があったろう」
トリシア「これですか」
ラグナ「そうだ、それだ」
トリシアが懐にしまっていた斑の宝石を取り出し、ラグナさんに見せました。
ラグナ「そのアンデッドの宝石なのだが……恐らく、魔法結晶ではないかと思う。それも、かなりの大きな魔法のものだ」
トリシア「すでに何か記憶されてるということでしょうか」
ラグナ「いや、記憶されているというよりは、それ自体が魔法なのだ」
トリシア「はえー」
ラグナ「しかし、どうも休眠状態にあるというのかな、動いている様子はない。そのままでは中身が分からないだろうな」
ティエ「へぇー。フリーグゼルの研究所で見たら解るのかしら?」
ノーティ「我々には色と、かろうじて魔力が発せられていることが分かる程度ですから、詳しい方を探す必要がありそうですね」
ラグナ「詳しいことはわからないが……。私も残念だがあまり人間の魔法に明るいわけではなくてな」
ラグナ「こういったことは秋の竜が詳しい。もし必要があれば、秋の竜のところに向かうと良い」
ノーティ「えっと……魔力を持っている宝石は大体が魔法結晶ということで良いのでしょうか?」
ラグナ「いや、少し違うな」
ラグナ「魔法自体が結晶化しているのが魔法結晶なのだ。説明するのは難しいのだが……魔法水晶とはまた違う」
ノーティ「何となく概念は分かりました。ありがとうございます」
ラグナ「この魔法もかなり古いもので、今は使われていることはないはずなのだがな……」
クライブ「じゃあコレはどうよ?」
今度はクライブが、荷運び動物から黒い水晶を剣で挟んで取り出し、ラグナさんに見せました。
ラグナ「それは……分からないな。音に聞く、海の竜についていたという黒水晶と同じものだな?」
ラグナ「とすると、我々から魔力を簒奪するものではないかと思うが……誰がどのような目的で作り出したものなのかはわからない」
ラグナ「では、どうする、フリーグゼルで良いか?」
ノーティ「我々も用事がありますし、直接秋の竜に会いに行くのも何ですし、フリーグゼルに戻りましょう」
トリシア「まあうちらも竜脈通ってるところどこでも行けるからとりあえずフリーグセル行っちゃえばいいんじゃない?」
ラグナ「では、問題がないようならフリーグゼルに繋ぐぞ。どこに繋ぐのが良い?」
ノーティ「宿が無難ですので、そこで。場所はご存じですか?」
ラグナ「ああ、ここに来る時に繋いだ場所だろう?」
ラグナ「わかった。それでは道を繋ごう。健闘を祈る、旅人たちよ。竜の加護のあらんことを」
ラグナさんの力によって、再びティエの宿へと竜の道がつながれました。皆はその道を通り、フリーグゼルへと戻ります。私もそれについて、一緒に向かいました。
ノーティ「ふう。どっと疲れが……」
ガルシャ「ホント、長歩きがなんだったのかって気分になるな、これは」
アルバ「では、俺達は陽光石を持って研究所に向かおうと思うが……」
ノーティ「ええ、そちらの陽光石についてはおまかせしますが…これからの旅はどうなさるおつもりですか?」
アルバ「我々の旅はこれで終わりだ。丁度良いことに、故郷に戻ってくることができたからな」
アルバ「アミールだけは違うが……まあそれは良いだろう」
トリシア「アミールちゃんは別なのかー」
ノーティ「ああ、カステラさんの故郷は違うところなのですか」
アミール「カスティーリャですよ」
アルバ「随分美味しそうな名前になったな」
アミール「はい、私は元々孤児でして。リリアスの出身なんですけど、皆さんに拾ってもらって一緒に来たんですよ」
トリシア「そうだったのかー」
アミール「おかげで、いい旅ができました。星のめぐり合わせですね」
アミール「竜のめぐり合わせ、という方が正しいんですかね? まあ、どちらも同じようなものかもしれませんが」
ノーティ「こちらの魔法結晶に関しては秋の竜に会いに行けば分かるかもしれないと言っていましたが、どうしたものでしょう」
アルバ「秋の竜についてはこちらではわからないからな……」
ノーティ「そうですよね…まあ、それについてはこちらで考えましょう」
ローナ「本当に世話になったわ。二度戦って一度も勝てなかったのは無念だけど、それもいい経験になったと思う!」
トリシア「数の暴力だったけどね」
ローナ「あ、それと、あの時は酔っ払って迷惑掛けてごめんなさいね!」
ノーティ「迷惑なんてそんな、慣れっこですから……」
パワー「全く迷惑な奴らだ」
ガルシャ「お前が言うのか!?」
ローナ「ま、カカシでおあいこってことで?」
トリシア「カカシわるくない」
ローナ「ふふふ、言い訳言い訳。じゃ、私達はこれで。フリーグゼルにいるなら、また会うこともあるかもしれないけどね!」
〈ジョルティ:礼儀作法→アルバ〉
判定:11
対抗:9
ジョルティ「なんなら傭兵として貴君らを全員召し抱えてもよいのだが?」
ジョルティ「金ならあるぞ! ティエに!」
アルバ「丁寧に誘ってもらって悪いが、遠慮しておくよ」
アルバ「ではな、改めて」
ローナ「アデュー!」
こうして夏の竜の旅人達4人は魔法研究所の方に向かって行きました。
ティエ「よし、まずはこのスーパーフロストーンを売ってこよう」
ジョルティ「よーし!一儲けしに行こうぜ!!」
クライブ「邪魔だしな」
ティエ「というより、魔力が復旧する前に売り抜けないと?」
機を見るに敏と言いますかなんと言いますか。商魂逞しいことです。
トリシア「この街で魔法網に頼らないお店を出せはそれはそれで需要がありそうだなあと炊き出しとかで感じました」
その後、ティエは商店街に乗り出して大量の火水石を定価の1.8倍の価格で売り抜けていました。実に193500Gの収入です。……こうなるともうお金が荷物になりそうですが。
ノーティ「では、今日は休んで、明日、秋の竜について考えますか」
ノーティ「我々は竜の間をたらい回しにされているのでは? という疑念が私の頭を離れないのである」
ノーティ「これで全部の季節の竜に会いに行くわけですからね……旅人としてはめったにない機会でしょう」
ジョルティ「いずれアリアちゃんこき使って返してもらおう」
……覚悟しておきましょ。
こうして、その後ティエは金勘定で夜更かしをし、他の皆はそのまま眠りました。夕方前には魔力がいかばかりか復旧し、部屋の空調も復活していました。
~春の月 29日~
そして翌日、晴れやかな朝が訪れました。やはり晴れた春の日が一番ですね。
〈コンディションチェック〉
パワー:12(絶好調)
クライブ:19(絶好調)
ティエ:10(絶好調)
ノーティ:19(絶好調)
トリシア:16(絶好調)
ジョルティ:10(絶好調)
ノーティ「秋の竜に関する手がかり……誰か頼りになる人はどこかに……」
ジョルティ「アリアちゃんとこ行ってアリアちゃんに直接聴いたらええんちゃうん?」
ノーティ「やはりそうですかね?
それなら竜の棲家に向かえばお話ができますね」
ノーティ「しかし、よろしいんですか?
私は魔法結晶の正体に興味がありますが……まあ、皆さんも興味がないとは言わないですよね」
ノーティ「えー……異論がなければ向かいますよ」
トリシア「ノーティりーだーっぽーい」
ちなみにその頃本物のリーダーはというと昨日の勘定の続きをしていました。
ノーティ「そういうことなので、クライブさん」
と、ノーティが言った所で、クライブが鍵を使う前に、こちらが先手を打って目の前に春の竜への道を繋げてみました。
ノーティ「うわっびっくり」
ノーティ「まあ、話が伝わっていたと見るべきでしょう」
「どうもどうも、最近はよく会いますねフフフ」
ジョルティ「入りまーす」
ティエ「オジャマシマース」
トリシア「もう春も終わりですねー」
「そうですねぇ、暑いのは苦手なんですよねぇ。今年は春、10日もなかったですからねぇウフフ」
もはや皆も全く気にすることなく春の竜の棲家に入ってきました。皆が入った所で道を閉じます。
ノーティ「何だか、一生旅を続けてどこか知らないところに骨を埋めそうで少し不安になってきたのですが」
「ノーティも安心してください、確かに長い旅ですけど、そろそろ皆さんの旅も終わりが近づいていますよ…って、春の竜が言ってます」
ジョルティ「アリアちゃん、竜の肉くれるくれる詐欺の利息も溜まってるんですが」
トリシア「こわいわ。暴利貪りそう」
「そ、そうですね、もうちょっと待って下さいね?」
ノーティ「旅の終わりがどんなものなのか、とても気になってきました。それで、秋の竜についてですが」
「ええ、秋の竜の元に向かうのですね?」
ノーティ「そうですね、お尋ねしたいこともありますし」
「そういうことなら道を繋ぎますよ。残念ながら私は魔法結晶については全ー然知りませんので」
ノーティ「何かが掴めそうな気もするのです、旅の果てに何があるのか……」
「えーっと秋の竜はー南の盆地のー…っと、この辺この辺」
こうして、私は秋の竜の棲家に道を繋ぎました。
第三十四話 第二部「七つの旅-夏/火の海の亡霊」 完
こうして、春の旅人達と夏の竜との物語はお終いです。
次は秋の竜の元に向かうことになり、これで彼らは全ての四季の竜と出会うことになりますね。
過去にも、こういった旅人はいたのでしょうか?
いつか、今度は私に、古い旅物語を聞かせてくださいね、竜の君。
こちらは、2017/2/17に行ったオンラインセッションのリプレイです。
旅の中盤で出会ったクローナ・ディア闘技場のメンバーと再会するお話となりました。エルダーリッチとの戦闘については、少々マジックユーザーが戦いにくすぎたかなーと反省しています。
……ただ、無抵抗でウィンター・アーリーモーニングが入ると即終了だったので、あのような形になりました。まあ、最終的には魔法でトドメを刺したりしていたので、これぐらいで良いでしょう、良いことにします。
ちなみに、「合計目標」系の判定で失敗した時にはラグナがアウェイクンで助ける予定でしたが、全部余裕の突破だったので出番が竜の先導になりました。仕方ないですね!
それでは、次回までまたお待ち下さい。
【参考サイト】
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