彼らは旧城に巣食う悪魔を討ち倒し、レパーリア領主の館へと戻りました。
道中、皆が何を考えていたのかは分かりません。拍子抜けだったという表情をしているものもいれば、沈痛な表情をしている人もいます。
領主の館に戻ると、領主ライナが心配そうな表情で迎えました。
第二十三話番外編「凱旋と復興の光」
ライナ「無事で戻りましたか…!顛末はどのように…?」
エルデ「…帰りました。骸を取り戻すことはできませんでしたが…仇は取って頂けました」
ライナ「…そうですか。皆様、お疲れ様でした。この度は誠にありがとうございました」
ジョルティ「ええ、手強い相手でした…。幸い皆大した手傷も負わずに帰ってこれましたが。いやはや…悪魔とは恐ろしい妖魔ですね」
ジョルティは明らかな棒読みでした。…まあ、言わんとしていることは分かります。
ライナ「…ええ、皆さん、本当に良くやってくれました」
ジョルティ「処置も済んで無事ですが、こちらも一人大怪我を負いました」
クライブ(…よく言う)
…大怪我をしたのは悪魔のせいではないのですが……。
ライナ「レパーリアをあの王城が使われていた頃のように、また強い街にしなければならないですね」
ライナ「ともあれ、皆様には本当にお世話になりました。報酬についてなのですが」
トリシア(予備騎士勲章でもくれるのかな?)
ライナ「昨日お話しましたとおり、レパーリアの土地と住宅、永世免税権を付与させて頂きたいと思います。…また、特別役に立つものではありませんが、レパーリア特別官吏勲章を授与させて頂ければ…」
トリシア(遠からず…)
ノーティ「旅が終わった頃にはここに定住するものがでるかもしれませんね その頃には一層発展したレパーリアが見られると幸いです」
ライナ「…旅人の皆様には、無用のものかと思いますが…レパーリアには今、金銭で報いられる程の余裕がございません」
ジョルティ「では旅に役立ちそうな物はありませんか?我々も路銀には余裕がありますし」
ライナ「そうですね…その、これは1つご提案なのですが…」
ライナ「レパーリアの再興のために、新しい工芸品を作ることを考えております。もしよろしければ、お力添えいただけないでしょうか。もしレパーリアを知らしめることができるようなものが出来ましたら、そちらを作り、報酬代わりとさせて頂ければと思います」
ライナ「すぐにでもお金になるわけではありませんが…」
クライブ「木彫りのバッファローベアでいいんじゃないか」
ライナ「ええ、できればそういったものを…。量産ができるだけの職人はいるのですが、どうにも保守的というか…新しいものを作る人がいないのです」
ノーティ「生産こそ復興の第一歩ですからね。我々にとってもレパーリアの復興が目に見えるのは嬉しい限りです」
ティエ「行商人としては、「小さい」「価値がある」「需要がある」の3つが満たされていれば言うことは無いんですがねぇ」
ジョルティ「じゃあその辺はウチの財布係と相談して頂いてとりあえず、祝勝会しません?折角街に平和が訪れたんですし」
言っていることは最もなのですが、顔に「うまい飯食わせろ」と書いてあるのは明らかです!
ライナ「ええ、それもそうですね。今回の件を周知し、解放記念の式典を行いたいと思います」
ライナ「皆様にも、その際に叙勲をさせて頂ければ」
トリシア「あっはい」
ライナ「早速、今夜にも外に出られるように、今の内に今回の件を報せるように致します」
トリシア「マダムがついうっかり魔法撒き散らしにいかないようにね!」
ライナ「ええ、そうですね、最近は毎晩でしたから。やっと彼女もゆっくり休むことができるでしょう」
ライナ「それでは、工芸品についても考えておいて頂ければ幸いです。明日にでも式典を行います」
ティエ(”かわいい” 物や ”うつくしい” 物、”高品質”な工芸品でも良いかもしれないですねぇ)
ティエは頭の中で算盤を弾きながら、どのような工芸品を作るのが良いのか考案しているようでした。
ノーティ「宿でルー君やパワーさんが待っています。一度戻りましょう」
トリシア「飯だー」
こうして領主の館を後にして、宿へと戻りました。宿ではパワーとルーが皆の帰りを待っていました。
パワー「おはようございます」
トリシア「もう夕方だぞ」
ノーティ「ただ今戻りました」
ジョルティ「たでもー」
ジョルティ「ルーちゃんいい子にしてたー」
ルー「おかえりなさい」
ルー「昼の内にこの辺の食事を見て回ってました!」
トリシア「美味しそうなところあったー?」
ノーティ「もうじきディナーも頼めるようになりますよ」
ルー「はい、何件かー。食材があまり新鮮ではないようなので、どちらかというと濃い味付けになっていることが多いですね」
トリシア「結構近そうなのにカナセの魚はあんまり流通してないのかなー」
ルー「そうですねぇ、あまり魚を使っているお店自体がありませんでした」
ジョルティ「交通の便悪そうだしな」
ノーティ「ちなみに、今日は色々とありまして…。夜の魔物の件は解決しました。そもそもの真相は--」
ノーティがここで、簡単に昨日今日で起こったことをルーに説明しました。ルーは驚いたように頷きながら話を聴いていました。
ルー「…そんなことになっていたんですね。悪魔ですか…無事で良かったです」
ティエ(美しいかわいい香木刀+1で10000Gか…高品質香木刀なら2500G…木刀から離れなければ…)
ティエは相変わらず心ころにあらずという様子です。生粋の商人ですねぇ。
ルー「では、一番良かったなー、と思ったお店に行きましょうか」
トリシア「ルーちゃんの美食眼が問われる」
ノーティ「ルーさんの味覚に頼れば安心です、案内をお願いしましょうか」
トリシア「責任は大きい」
ルー「が、頑張ります」
こうして、ルーの案内で、宿近くにあった料理店に向かいました。言うとおり味は濃い目でしたが、十分美味しく食べられているようでした。
ノーティ「どうでしょうジョルティさん。私はなかなかのものだと思いますが」
トリシア「うまうま」
ジョルティ「これは!なかなか」
~冬の月 8日~
目を覚ますと、しんしんと雪が降っていました。アリア:今日の昼前には、式典のために領主から迎えが来るとのことで、皆ある程度身なりを整えて準備をしているようでした。
〈コンディションチェック〉
パワー:5
クライブ:14(絶好調)
ティエ:10(絶好調)
ノーティ:11(絶好調)
トリシア:7
ジョルティ:Critical(14:絶好調)
ルー:9
昨日全く傷が付かなかったためか、ジョルティはとても調子が良さそうでした。……パワーは最近ずっとヘヴィアーマーを着たまま寝ているのでいつも体調が悪そうです。……脱いだらどうですか?
ルー「おはようございます!」
ルー「さっき、新聞で読みました。今日は式典があるんですね!」
ルー「なんでも、お城でやるらしいですよ、式典」
ノーティ「おはようございます、今日もお元気で。ええ、どうもその式典の中で受勲させていただけるようで」
ジョルティ「ついでだからルーちゃんも突っ込んどく?」
ルー「いえいえいえいえいえ、私は部屋でジッとしていただけですから…見には行きますので!」
ノーティ「復興の始まりですね」
トリシア「この街は新聞なんて発行してたのか」
ルー「大きい街ですからね、宿に置いてありました」
パワー「がんばってどうぞ」
ティエ(工芸品は大中小のサイズ、および高品質などにより財布事情に合わせて購入することが出来、エンチャントによるさらなる値段の追加により金持ちの需要にも対応してほしい)
……一晩開けてもまだティエは脳内算盤に夢中のようでした。実に商魂たくましい…。
ノーティ「パワーさんは式典に出ても逆に説得力がありそう」
パワー「何の式典だかも分かってないぞ」
クライブ「だろうな…」
ジョルティ「いやいや、この存在感をエルデさんが気付かないわけが…」
トリシア「髪の毛だけでバレるんじゃない」
ティエ「式典は昼前からでしたね。ゴーグルと歩き杖をプラス1にする発注をしてきます」
クライブ「ティエ、調達に出るぞ。色々減った」
ノーティ「我々はしばらく待っていましょうか」
ルー「トリシアさんも食材でも見に行きます?」
トリシア「きのことか多そう」
ルー「そうですね、キノコは結構ありましたね。」
トリシア「でも全体的に味付け濃いめってことはそんなに料理に力入れてる街じゃないんだろうね~」
ルー「そもそもあまり新鮮な食材が取れないみたいですからねぇ」
トリシア「きのこの香りとか大事だと思うの」
ルー「そうですね…その辺は少し勿体無い感じがしますね」
ルー「農地が作れれば良いと思うんですけど、諦めて出ていってしまった方が多いみたいで」
トリシア「なるほどねー」
ルー「そういえばリーテにもレパーリア出身の方がいたなー、と。こういうことだったんですねぇ」
トリシア「湿地といえばツツジ系が多そうなのでクランベリーとかよくありそう」
ルー「確かに、そういうものもありそうですね。市場では見ませんでしたが…」
トリシア「そこまで悪そうな土地には見えないんだけどねー」
ルー「ええ、人材さえ集まれば、色々とできることはありそうです」
トリシア「だね~」
トリシア「ルーちゃんの好きな食べ物ってなーにー?」
ルー「好きなものですか?そうですねぇ、色々思いつくものもありますが…リーテでよく食べていたので、鹿のお肉が好きでしたね」
トリシア「意外と肉食系なのね!」
ルー「はい!お肉好きですよ!」
トリシア「たぶんジョルティに頼むと取ってきてくれる。お願いするといいよ!」
ジョルティ「取ってきます。マッハで」
トリシア「とか言いそう」
ルー「ありがとうございます!」
ルー「でも、この辺はあまり見ないみたいですね、鹿」
ジョルティ「狩猟してきて良いですか!?」
ルー「昼から式典なのにですか!?」
ジョルティ「そういえばそうだった」
トリシア「そういえば犬好き?犬のぬいぐるみがあるんだけど」
ルー「かわいいですね!」
トリシア「寂しい時は抱いて寝ていいよ。貸してあげよう」
ルー「わー、でも皆さんと一緒ですから、大丈夫です!」
トリシア「もっふもふやで!」
ルー「確かに良い肌触りですね」
トリシア「本物ももふもふだったぞ。あれはいいものだ」
ルー「モデルがいるんですか?」
トリシア「飼い主がちょっと変なおっさんだけど。モデルに似た人形があったから買ってしまった」
ルー「変なおっさんの犬だったんですね…」
トリシア「子煩悩というか。基本動物にやさしいけどいかついおっさんだった」
ルー「でも確かに可愛いですねぇ。ペットも良いですね!」
トリシア「あと、脳味噌まで筋肉だった」
パワー「呼んだか」
トリシア「呼んでないけど大体こんな感じ」
ルー(採ったハーブをその場で食べるような感じ…?)
トリシアとルーが食堂で取り留めもない話をしていると、クライブとティエが買い物から戻ってきました。
クライブ「さて、戻ったが…」
それから程なくして、館から使者が訪れました。宿の前に馬車が泊められています。
ジョルティ「ご苦労」
ティエ(偉そうだ)
使者「おはようございます、皆様。領主の名代として、皆様を式典にお迎えに上がりました」
トリシア「待遇がよくなった」
使者「馬車を用意しております。どうぞ、お乗り下さい」
ティエ「おじゃましまーす」
トリシア「夜に来い、とは大違いだな!」
使者「それでは、旧王城へ向かいます」
パワー「しょうがねぇからついてってやるかぁ」
使者(…この人も呼ばれてましたっけ…?)
ルー「いってらっしゃいー。後で行きますのでー!」
それから数十分程かけて、レパーリアの街中を通り、レパーリア旧王城へと向かいました。パワーが乗ったことで馬車はギチギチだったので、私は屋根の上に座って向かうことにしました。
ノーティ「パワーさんがいれば町の人も安心するでしょう」
ジョルティ「まぁ適当に誤魔化しとけばいいでしょ」
使者(やっぱり含まれていなかったのでは…?)
街道沿いには同じく旧王城に向かう人々が多く出歩いていました。旧王城に到着すると、すでに多くの人が集まっているようでした。城内はきれいに清掃がされています。ロビーの黒い染みもなくなっており、黒いカーテンは全て白いカーテンへと取り替えられていました。
トリシア「昨日ジョルティが破ったカーテンがきれいになってる。仕事が早い」
ロビーの正面に続く、二階への階段に大きな椅子が2つ置かれていました。ロビーを見下ろすように、一段高い所となっています。
パワー「あそこ座っていいの」
ノーティ「大人しくしてて下さい」
ロビーに案内されたところで、ライナとエルデの2人が近付いてきました。2人とも正装に身を包んでおり、エルデも黒い衣装ではありませんでした。
ライナ「皆さん、来てくださってありがとうございます」
ジョルティ「そりゃ来ますよ暇…栄誉ある式典ですから」
トリシア「めっちゃ見下されてる」
エルデ「ええ、高いところから申し訳ありません…」
ノーティ「いやいや、復権のしるしですから…」
トリシア「めっちゃ低姿勢だった」
ライナ「式典はまず、王城奪還の祝賀と、復興宣言から行います」
ライナ「その後、皆様の叙勲を行いますので、それまではロビーの脇に、パーティションで待合室を作りましたので、そちらでお待ち下さい」
ジョルティ「待ってる間弁当とか出ます?」
ライナ「式典後に、祝賀会を用意しておりますので、お食事はそれまでお待ち下さい」
ノーティ「空腹は最高の調味料と云うでしょう」
ジョルティ「すでに腹減ってんだよぉ」
ライナ「申し訳ありませんがもう暫くお待ち下さい」
それから暫くして、式典の開会が宣言されました。街の人達も城内に入ってきます。ロビーには多くの人がひしめき合い、入り切らない人も城外で待っていました。ルーも城の中に入っているのを見つけました。
ライナ「ここに、レパーリア王城の奪還を宣言します!我々の故郷、レパーリアは今再び立ち上がり、かつての強い姿を取り戻しましょう!」
エルデ「リオの命もレパーリアの礎となるのであれば、報われることでしょう。……どうか、皆さんのお力を貸してください。この街の復興は、私達2人だけではできません。街は人の集まり、人あっての街です」
2人の王城奪還宣言と復興宣言に歓声が上がります。中には、感じ入るように涙を流している者もおりました。
そして、叙勲の式典が始まります。待合室で待っている彼らにも使者から声がかかりました。
ライナ「この度のレパーリア王城奪還は、我が街の力だけでは全く成し遂げられるものではありませんでした。王城の奪還を助けてくれた皆様を、お招きしております。皆様、壇上にお上がり下さい」
ノーティ「行きましょう」
皆、ぞろぞろと慣れない様子で壇上に上がりました。トリシアは余裕があるようで、王城内で見つけたルーに小さく手を振っていました。ルーもそれに気付いて手を振り返していました。
ライナ「彼らが、我が街の救世主です!レパーリア王室は、彼らにこの度の活躍を讃え、レパーリア特別官吏に叙勲することを決定しました」
パワー(なんもしてねーよ?)
クライブ(寝てたからな)
ライナ「皆様、盛大な拍手を!」
ライナから、銀製の勲章が一人ひとりに手渡されました。どうやら、アージェントのものと同じく、ゴレンの銀が使われているようでした。
トリシア(ディストのおっちゃんが作ってそう)
こうして、叙勲式は終わり、その後祝賀パーティが行われました。祝賀パーティの食事も、どれも味が濃い目ではありましたが、美味しい料理ではありました。
ジョルティ「がつがつがつはふはふはふむしゃむしゃむしゃ!!」
ジョルティ「ルーちゃんもっと食べろ!!」
トリシア「久しぶりにカナセの魚が食えると思ったけどやっぱりここでもでなかったかー」
ジョルティ「食べれるうちに食べとけ!!」
ルー「食べてます!結構食べてますよ!」
トリシア「そういや作った干物まだ残ってたような…大丈夫かな」
パワー「カビ生えてるだろ」
トリシア「正規品じゃなくて急ぎで作った物だしな」
ジョルティ「食える時に食え!!特にタダ飯はな!!」
トリシア「ダメっぽかったらジョルティに食わせよう」
パワー「そうだね」
トリシア「パワーもいる?」
パワー「いらんわ」
トリシア「美味しいのに。作った時は」
ジョルティ「匂い嗅いで大丈夫そうだったら食うわ」
クライブ「…この前見たら平気そうだったから問題ないぞ」
祝賀パーティは夜近くまで続きました。閉会が宣言されて、街の人達が少しずつ帰っていきます。ルーもそれに合わせて先に宿に戻ろうとしましたが、トリシアに引き止められました。
トリシア「せっかちせっかち」
ルー「良いんですかね、残っても」
トリシア「今日の宿、まだ取ってないでしょ」
ライナ「本日はお疲れ様でした。お陰様で、とても良い式典となりました」
ジョルティ「こちらは私達の旅仲間でして。同席しても宜しいですか?」
ルー「は、はじめまして。ルー・フィオーネと申します」
ライナ「ええ、皆様のお連れの方でしたら勿論。それで…昨日もお話した工芸品についてなのですが、如何でしょうか?」
トリシア「特別断らなきゃいけない理由はないけども」
トリシア「面倒くさいのはパスな!」
〈レパーリア新工芸品試作ルール〉
この街の新しい「特産品」を作ります。
素材には香木を使い、大きさは1か3を選んで下さい。また、これに自由に追加特徴を付与させることができます。
サイズ×追加特徴の価格補正が物作りの目標値となります。
試作に成功すると、量産が可能になります。3回まで試作品作成に挑戦できます。成功したものから、1つ選んで量産化してください。
例)”サイズ3”×”かわいい”×”高品質”=目標値30
ライナから試作用の香木を受け取り、皆で作業場へと向かいました。工作に必要そうな道具は一通り揃っているようです。
トリシア「わたしが作ればいいのかな。何作る?」
ノーティ「美しい風景の彫刻画なんて如何でしょう。(目標値6) ちょっとトリシアさんには簡単すぎるかな?」
トリシア「とりあえず作る前に魔法かけて」
ジョルティ「スプラウトかけんの?」
トリシア「まかせた」
ジョルティ「ラックかけんの?」
トリシア「まかせた」
ジョルティ「ハヤブサかけんの?」
トリシア「二倍作れる!」
ティエ「また大けがしますよ」
ジョルティが作業場の地面に複数の魔法陣を書き、準備を始めていました。
トリシア「どんなの作ればいいんだー」
ティエ「美しい高品質な香木の置物(目標値30)というのも」
トリシア「ちょっと難しくなーい?」
ノーティ「最初は簡単なものを作っておくのが安心かとも」
ティエ「美しい頑丈な置物(目標値18)」
トリシア「それならいけそうかな…?」
ジョルティ「じゃあ真面目に考えて高品質な木細工の扇子とか?」
トリシア「いいすね」
パワー「1/100
俺の木彫りでもいいぞ」
ジョルティ「きもいださい?」
トリシア「1/100だと2センチぐらいにならないか」
ジョルティ「腕次第でかわいくも美しくもしていいぞ」
パワー「かわいい 1/100
俺の木彫り」
ティエ「売れそうにないですよそれじゃ…」
クライブ「バレッタとか櫛でいいんじゃないか」
トリシア「かわいい美しい高品質の扇子(目標値20)とかいいかな?」
ルー「扇子、良いですね!」
ティエ「頑丈な高品質な扇子(目標値15)、美しいかわいい高品質扇子(目標値20)、美しい高品質な置物(目標値30)、と言う当たりでどうでしょう」
ノーティ「これは良い案ですね」
トリシア「置物から作ればいいかな?」
ノーティ「簡単なものから作った方が良いんじゃないですか?」
トリシア「それもそっか」
ノーティ「ラック・ラック・ラックの魔法かけますよ」
トリシア「あと、力がある人は削りだし手伝って」
クライブ「了解」
パワー「まかせろ、全部削ってやるぜ!」
〈クラフトサポート1回目:目標5〉
パワー:5
クライブ:10
パワー「厳しい戦いだったな」
クライブ「細かい作業は面倒だな」
トリシア「大まかに切っておくだけでいいよ」
〈試作品制作1回目:頑丈な高品質な扇子サイズ1:目標値15〉
トリシア:29
トリシア「できた。殴ったら痛そう」
ジョルティ「凄い!この扇子!良い匂いがする上に武器にもなりそう!!」
〈クラフトサポート2回目:目標5〉
パワー:16
クライブ:15
〈試作品制作2回目:美しいかわいい高品質な扇子サイズ1:目標値20〉
トリシア:24
トリシア「できた!こっちもなかなか出来はいいかな」
ルー「可愛いですね!」
ジョルティ「凄い!こっちはナウでヤングなギャルにウケそう!!」
〈クラフトサポート3回目:目標5〉
パワー:13
クライブ:14
〈試作品制作3
回目:美しい高品質な置物サイズ3:目標値30〉
トリシア:17(失敗)
〈ラック・ラック・ラックによる再ロール〉
トリシア:27(失敗)
トリシア「ぐえー。折れたー」
ティエ「大きい物は難しかったねえ」
トリシア「こういうのはクラフターじゃなくて芸術家に頼むべきな物だぞ!」
ジョルティ「それな」
ティエ「じゃ、頑丈な扇子かかわいい扇子か、どっちを試作品として出します?」
トリシア「かわいい方がいいなー。ねー、ルーちゃん」
ルー「はい、私も1つ欲しいですね!」
ジョルティ「まぁ使うのは女性だしな、ルーちゃん決めていいよ」
ルー「私はこの扇子、とても良いと思います!」
パワー「センスのある扇子になったな!」
パワー「センスのある扇子になったな!」
トリシア「そしてわたしの精神はぼろぼろだ。つかれたぞ!」
ジョルティ「俺も魔法を使い倒して疲れた」
ノーティ「皆さんお疲れ様です……」
こうして完成した、香木で作られた「美しいかわいい高品質な扇子」をライナの元へと持っていくことになりました。
トリシア「できました。こんなのでどうでしょ」
ライナ「おお…もう出来たんですか。しかも、こんなに精巧なものが…」
トリシア「我ながら自信作」
ライナ「ええ、私もとても良いものだと思います。早速、量産ができないか職人の方々に当ってみたいと思います」
ティエ「じゃあそれを最低50個ほど購入する算段があるのですが…」
ライナ「量産には時間がかかります。特産品として使えるようになるのはまだ先になるかと思いますが…」
ティエ「ああ、まあ、ですよね」
ライナ「皆様の旅先をお教え下さい。量産の体勢が整いましたら、その時点で皆様にご郵送致しますので」
ノーティ「旅先……」
ジョルティ「まだ明確には決まってないからなー」
ノーティ「次はローリスあたりにいるのではと思いますが、その先々でそちらに連絡いたしますよ」
クライブ「ローリス辺りに必ず寄るからって送ってもらうとか」
ライナ「承知しました。ローリスはちょうど木彫りの街ですし、良いですね」
トリシア「郵送スピードが我々のスピードについてこれるかな!?」
ジョルティ「何わけわからんことをかっこよく言ってんだよ」
ライナ「荷馬車で送らせますので…!」
トリシア「まあ発送通知が来たら待てばいいだけなんだけどね」
ティエ「まあ最悪我々にドラゴンサインして貰えばその町で待機と言うことも可能ですし。魔法って便利ですなあ」
ライナ「それでは、この度は重ね重ねありがとうございました。もし、旅が終わってこの街にお住まいになられる方がいらっしゃれば、お知らせ下さい。約束通り、住宅をご用意致しますので」
トリシア「家貰えるらしいよ、ティエ」
ティエ(土地住宅付き、しかも免税…これは本店はレパーリアに決定ですかね?)
ノーティ「ええ、これからの街の発展を祈っております」
トリシア「住まなくても別荘になるな!」
ライナ「本当にありがとうございました。…どうか、今後も良い旅を。いつかまた訪れて下さい、少しは良くなったレパーリアをお見せしたいですから」
こうして、彼らは王城を後にして、新しい宿を取りに街中へと戻っていくのでした。
これで、レパーリアの悪魔を巡る話はおしまいです。
彼らの作った扇子が、レパーリアの復興を助けることになるでしょうか?いつか、私もまたレパーリアに訪れたいと思います。
そうですね…次の旅人と旅をする時にでも。
……どうされましたか?何だか、言いたいことがありそうな表情ですが……まあ、気にしないでおきますよ、竜の君。
それでは、次の物語をお待ち下さい…。
【ルー・フィオーネの日記】
〈冬の月5日 続き〉
何が起こったのかとレパーリアの町中を歩いていると、突然見たことがないような、恐ろしい魔物が現れました。
赤い目で、鋭い牙を持った大きな二足歩行の狼のような…。私だけでなく皆さんもかなり驚いていたようでしたが、ティエさんとジョルティさんは落ち着いていました。……クライブさんは乗っていたハイロードランナーが怖がって逃げてしまったせいで、どこかに走り去ってしまいました。…大丈夫だと良いのですが…。
近くの家の人が匿ってくれて、その日は休むことになりました。
話によると、日が落ちるとあの恐ろしい魔物が現れるそうです。早速、この街が怖くなってしまいました…。
明日は良い日になりますように…。
〈冬の月6日〉
曇り☁
日が昇ったのを確認してお世話になった家を出ると、すぐにクライブさんがやってきました。話によると、どこか遠くの厩舎で寝たそうです。
無事で良かったです…。
今日は夜のために早めに宿を取ることにしたのですが…私は昨日の魔物が怖かったので、トリシアさんの部屋にご一緒させてもらうことにしました。
昼前になって、皆さんどこかに出かけて行かれました。昼は大丈夫だと聞いていましたが、1人になると少し怖かったです。
皆さん、昼過ぎには一度戻って来たのですが、夕方になってまた出かけて行かれました。……夜の魔物、怖くないんでしょうか…?
夜になって戻ってきましたが……どうにも少し様子が変でした。どうしたのでしょうか…?
明日は安心して過ごせる一日になりますように…。
〈冬の月7日〉
晴れ☀
今日は皆さん朝から用事があるらしく、早くに出かけていきました。何でも、夜の魔物に関係することだとか…。(どうやらパワーさんは爆睡していて、起きそうになかったので置いて行かれたようでしたけど…)
私は怖かったですし、もし行ったとしても足手まといになると思ったので付いていくのは止めました。
昼は普通に街も動いているようだったので、街中でレパーリアの料理を研究することにしました。
立地の関係からか、食材があまり新鮮ではないらしく、それをごまかすために濃い味付けをしている店が多いようでした。
素材さえ良ければ、もっと良い料理になりそうなだけに、少し勿体無いと思いました。
夕方過ぎになって、皆さん宿へと戻ってきました。何でも、夜の魔物の原因はもう取り払ってきたのだとか!やっぱり凄い人達です。
きっと、明日は良い日になるでしょう!
〈冬の月8日〉
雪❆
朝、ロビーで新聞を読んでいると、皆さんの事が書いてありました。
お城の悪魔を討ち倒した英雄として、式典に呼ばれているそうです。
思ったよりも大きな話になっていて驚きましたが、私も一般参加客として一緒にお城に行くことにしました。
式典が終わると、トリシアさんを中心に、この街の新しい工芸品を作るための、試作品づくりをすることになりました。
3度の試作の結果できたのは、香木で作られた可愛い扇子でした。ティエさんによると、2000Gくらいで売れる見込みがあるとか。
少し高いですが、いつか私も1つ欲しいな、と思いました。
明日も良い日になりますように。
こちらは、2016/10/29に行ったオンラインセッションのリプレイです。
今回は報酬処理回ということで、街中だけのお話となりました。トリシアの物作りと、ティエの商売の2つをピックアップしたかったので、このような形の報酬となりました。
途中のトリシアとルーの長雑談は、裏で買い物の処理をしていたティエとクライブの待ち時間でした。完全に取り留めもない話でしたが、こういうのも良いですね。
それでは、次回は少しこの世界の根幹に関わるお話となります。特殊な書式なので、少し執筆に時間がかかってしまうかもしれませんが、どうぞお待ち下さい。
【参考サイト】
連続セッションお疲れ様です。
返信削除含みを持たせた退場の仕方だったバーフォメットは、また再戦の機会があると良いですね。話の流れ的に。
次の旅以降も、どんな話になるのか、楽しみにお待ちしております。
コメントありがとうございます!
削除確かに流れとしては再登場できそうな感じではあったのですが…もはやPLの間での呼び名がクソ雑魚になっているぐらいで、もう出してもギャグキャラにしかならないので多分再登場しないと思います(笑)